テレワーク導入をはじめて行う際、業務環境構築はハードルが高いと考えられる方がいるかもしれません。
日々ITが進化する中で、新しいシステムやサービスが生まれてきており、これらを利用することで業務環境構築ができるようになっています。しかしながら、専門知識が必要となる場合もあるため、二の足を踏んでいる経営者の方も多いことでしょう。最近は、テレワーク導入代行サービスを提供する企業も増えてきました。今回はテレワークについて詳しくみていきながら、業務環境構築にどのような課題があるのか、またテレワーク導入代行サービスとはどのようなものか、見ていきましょう。
テレワーク増加の背景
テレワークを導入するにあたって、テレワークとは何か、その普及の現状について詳しく見ていきましょう。
テレワークとは
テレワークとは、ICT(情報通信技術)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことです。
効率的な働き方、多種多様な働き方や長時間労働の是正のために有効な手段といえます。
テレワークは増加している
総務省の統計によると、企業のテレワーク導入率は、2012年では11.5%だったのに対し、2017年には13.9%となっています。また、テレワーク導入企業はゆるやかな増加傾向にあると評されています。
出典:総務省 情報通信白書平成30年版
ゆるやかな増加の背景
「働き方改革」は2016年頃から叫ばれ始めて、2019年4月に働き方改革法案が施行されました。政府が主導し企業が後を追う形となっており、働き方改革やテレワークの認知は徐々に広まってきています。
テレワーク導入のメリット
テレワークを導入する企業は増えていますが、それは、テレワークにはさまざまなメリットがあるからといえます。では、そのメリットについて、働く側と経営者側とに分けてご紹介します。
働く側のメリット:通勤時間の削減
テレワークを実施することで、通勤時間が大幅に削減されます。
通勤時間が減ることで満員電車などによるストレスを軽減でき、空いた時間を他の業務にあてることができます。
働く側のメリット:子育てや介護との両立
子どもが小さい、保育園に預けられない、親の介護などさまざまな理由から外に出て働くことが難しい人も、子どもや親の面倒をみながら働くことが可能です。働ける環境が整えば誰もが働く可能性が広がります。
働く側のメリット:作業に集中しやすい
オフィスに出勤していると、電話応対や会議など本業と直接かかわらない業務をこなす必要があります。しかし、自宅での作業はやるべき作業に集中することができます。
経営者側のメリット:離職率の低下
家族の転勤で引っ越す必要があったり、体調不良などで長期にわたり出勤することが困難になってしまったりと、さまざまな理由でオフィスに出社することができなくなり、退職を余儀なくされる場合もあります。しかし、テレワークをすることで会社を辞めるという選択肢を減らすことができます。
経営者側のメリット:コストの削減
オフィスに出社しないということは、オフィスに必要な机や椅子などの備品を用意する必要がありません。また、通勤手当なども不要となります。
業務環境構築の前にすべきこと
テレワークの業務環境は、なるべく現在のシステム環境を活かした環境構築が理想的です。では、実際にシステム環境を構築する前の下準備として必要なことをみていきましょう。
利用端末の確認
現在使っている端末を確認します。パソコン、スマホ、タブレット等がありますが、セキュリティ対策がそれぞれで違うため、注意が必要です。
BYOD(Bring Your Own Device)の可否の確認
BYODは、個人端末を業務利用することです。利用する場合、個人端末に業務で使ったデータが残る場合があるため、情報漏えいの可能性が否定できません。規則等で利用を制限したり、運用方法を十分に検討する必要があるでしょう。
通信環境の確認
現在利用しているインターネット回線が、セキュリティ対策されているかどうか確認します。通信量や速度等がテレワーク用に導入される業務環境システムに耐えられるのか、確認しておく必要があるでしょう。
業務環境構築で起こり得る問題と対策
テレワーク導入の成功の鍵のひとつは、業務環境構築です。これは、テレワーク対象者がオフィス外でどのように、どんな環境で作業するかということです。また、オフィス勤務者がどのように働くのかも大事な要素となってきます。
ここではテレワークの業務環境構築の際、どのような問題が起こり得るのか、想定される業務環境ごとに詳しく見ていきましょう。
リモートデスクトップ
リモートデスクトップは、オフィスにあるパソコンに外部からインターネットでアクセスして作業を行います。
問題となるのは、オフィスにあるパソコンの電源を作業時間帯には常に入れておかなければならないということです。オフィス勤務者がいつ電源を入れるか、運用方法を考えなければなりません。
また、セキュリティ対策としてサーバー認証をする必要があります。パソコン紛失時にはオフィスのサーバーに接続できてしまうため、2段階認証などの対策も必要です。
仮想デスクトップ
仮想デスクトップは、複数のデスクトップ情報がサーバー上に集約されています。テレワーク対象者は、自宅または外部のパソコンからサーバー上にあるデスクトップにログインします。複数のデスクトップ情報が存在するため、ほぼ自分のデスクトップを使って作業しているのと同じ環境が作られます。
注意点としては、専用のサーバーが必要となり、構築には専門知識が必要で、初期コストがかかります。また、複数人での同時作業が可能となる反面、作業したデータが1か所に集中することになるため、データのバックアップ体制を整える必要があります。
クラウド接続型方式
クラウド接続方式は、インターネット上のクラウドサービスを使ったテレワークです。インターネットがつながっている場所であれば、あらゆる場所で作業が可能となります。
注意すべき点としては、オフィスのサーバーを直接閲覧することができないため、情報に遅れや齟齬が発生しやすくなります。クラウド上にあるデータを必ず最新版とするなどの運用面での考慮が必要となります。
テレワーク導入代行サービスの活用
企業にとって、テレワークを導入することは企業文化さえも変えてしまう大きな改革になるといえます。十分な検討と、検証、改善を行って本格導入を行うために、テレワーク導入代行サービスを利用することも出来ます。どのようなサービスがあるのか見ていきましょう。
業務環境の提供
独自の業務環境を提供をしているテレワーク導入代行サービスがあります。たとえば、クラウド型仮想デスクトップサービスがあります。クラウドサービスであるため、オフィス内に仮想デスクトップ用サーバーの設置が不要で、コストが抑えられます。
パッケージ化
得意分野を生かしてテレワーク導入のプロセスを、パッケージ化して販売しているサービスがあります。現状把握や課題分析といった基本的項目のほかに、ツールの提供やサポートなどに力をいれたパッケージがあったり、セキュリティ対策や通信環境の整備、セキュアなパソコンの提供など、ハード面からのサポートを手厚くしたパッケージがあったりと、さまざまな内容が展開されています。
パッケージ化されているので、安価に始められるメリットはありますが、どの部分のサポートが必要なのかを明確にした上で検討する必要があるでしょう。
フルサポート
テレワーク導入推進のための専任の人を配置できない場合、導入代行サービス会社が企画段階からサポートに入るサービスがあります。テレワーク導入の目的を明確化することから、テレワーク導入のための業務環境構築、試行、改善業務まで行います。
おすすめ企業
Mamasan&Company
テレワーク導入企業で10年以上の実績をもつアウトソーシング専門の会社です。クラウド型の業務環境を構築・提供し、専門家による労働環境の整備スタッフのコーチングなどのサービスを提供しています。
https://mama-sun.com/jp/telework/
フレッシュボイス
「テレワークフレッシュボイスパッケージ」というサービスを展開しています。
Web会議システムの導入支援や、テレワーク関連規定の整備サービスを提供しています。
TIS株式会社
国内大手の独立系システムインテグレータです。
パソコンやタブレット端末、スマートフォンを使って、外出先から社内のPCへセキュアにアクセスできるSaas型リモートアクセスサービスを提供しています。
まとめ
テレワークには業務環境構築の面でハードルがあるかもしれません。
しかしながら、一度導入し運用を始めると、テレワークを導入して享受できるメリットも多いでしょう。まずは、業務環境の構築の際にはどのような問題点が発生しうるのか、注意すべき点は何なのかを把握して、自社に合ったテレワーク導入の業務環境構築方法を見つけてみてください。
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