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経理業務は社内?外注?BPOサービス導入のメリットとデメリット

2021年6月22日 09:00 カテゴリー : BPO Times

近年は人材不足や人件費削減の観点から、BPOサービスを利用し、経理業務を外部委託する企業が増えています。しかし、経理ノウハウの喪失や企業の内部情報流出などの不安から、今まで自社で行ってきた経理を外注化することに対してためらう経営者も多いでしょう。

それまでの慣例を変えることは難しいことですが、経理のアウトソーシングで得られるメリットはとても大きく、デメリットを踏まえても導入を検討する価値があります。また、外注することで、経理に付随する様々なサービスを受けられるうえ、見かけの人件費だけではなく、教育や採用コストなどの総合的な人件費を削減することが可能です。

経理BPOを活用するメリットとデメリットに対する理解を深めながら、効果的な導入につながるBPOサービスの選び方やおすすめ企業を紹介します。

経理業務の基礎知識

経理業務は会社が行った取引や活動などを数字で記録し、管理する業務であるため、会社を運営する上で必要不可欠です。まずは経理の役割について確認していきましょう。

経理が重要視される理由

会社の金銭の流れを把握することは、会社を経営する上で非常に重要です。
金銭の動きでその企業の収益はもちろん、利益や業績、さらには会社の経営状況まで知ることができます。経理業務で得られる数字は、会社の経営状況を測るパロメーターでもあり、今後の企業の在り様を見極めるための指針になりえます。そのため、経理業務は重要視され、情報保護の観点からも外部委託することに抵抗を感じる人も多いのです。

経理業務の大まかな流れ

経理業務は帳簿などで管理する、日々の金銭管理が基本です。日々の収支をまとめ、月単位で給与や各種社会保険料の支払い、月締めの請求などの対応を行います。決算月には、1年間の収支をまとめ、貸借対照表や損益計算書などを含めた決算書の作成が必要になります。こうした、日々の金銭の流れを数値で明確にしていくことが経理業務の大きな流れであり、求められる役割です。

外部委託できる経理業務とは?

経理業務の代行サービスは日々進歩しており、今ではほとんどの経理業務が委託可能です。具体的にどの様な業務が外部委託ができるか確認していきましょう。

外部委託しやすい経理業務

外部委託しやすい経理業務は、日々行う記帳やそれに伴う仕訳作業、経費の精算や領収書管理、請求書の発行、売掛金や買掛金の管理などから、月ごとに行う給与や社会保険料の計算、さらには、1年の総まとめである決算書類の作成や税金の計算、年末調整などがあります。これらの業務は、税法や簿記などで内容が定められており、会社独自のノウハウがあまり必要ないため、外部委託しやすい経理業務と言えます。

外部委託できない経理業務

経理業務の外注は事前にすり合わせた業務フローに則って行うため、日々の業務の中で起こるイレギュラーに対する判断は難しくなります。また、相談ベースでコンサルティングを受けることは可能ですが、会社の行く末に関わるような経営戦略や組織改革などの判断も任せることはできません。そのため、イレギュラーへの対応や経理視点から経営判断ができる人材は、社内に確保しておく必要があるでしょう。

経理を外注するメリット

人件費削減や業務の効率化など、経理業務のアウトソーシングには大きなメリットがあります。それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。

増減する業務への対応が不要に

経理業務は、月末月初や決算期の繁忙期とそれ以外の閑散期があり、時期によって業務量が大きく変動します。繁忙期の中にあって、少ない人員で業務を行うことが余儀なくされる場合は、経理部門に大きな負担を強いることになるでしょう。繁忙期だけ別部門から応援を要請したり、臨時のアルバイトを雇うことも考えられますが、それを段取りしていくのも楽ではありません。外注を活用すれば、こういった手当が必要なくなるうえ、繁忙期における経理部門の負担軽減や長時間労働の是正が行えます。

人件費の抑制が可能

経理業務は専門性が必要とされる業務にも関わらず、領収書や請求書の確認管理、帳簿の記帳や仕訳け作業、支払処理やネットバンキングの登録など繰り返し行われる反復作業が多いのが特徴です。単純作業が多い反面、その業務量の多さに対応するため人手が必要となります。しかし、これらの業務をアウトソーシングすることで、業務量を劇的に軽減することが可能になるでしょう。また、業務量に応じた料金を支払うだけで良くなるため、社会保障が必要な社員を雇用していくより効率的にコストがかけられることにも期待ができます。

経理の専門家に一任できる

経理の代行業者は、いわば経理の専門家です。様々な企業から業務を請け負い、日々膨大な量の経理業務をこなしています。専門性の高い外注スタッフに一任できるため、業務品質の向上にも期待できるでしょう。また、蓄積されているノウハウや実体験による、業務効率化や品質の向上のための多種多様なアドバイスが受けられることも大きな魅力です。

業務が安定する

経理業務は簿記などの専門的な知識が必要とされるため、担当者の休職や退職、異動などが急に決まり、引継ぎが円滑にできない場合は、業務に支障が出る恐れがあります。特に、経理担当者が一人しかいない場合は注意が必要です。
外注を活用すれば、潤沢にいる外注先の経理スタッフに業務を一任できるため、業務が安定するとともに、品質の向上にも期待できるでしょう。経理を行う社員の確保や教育などといった、時間と手間がかかる業務に頭を悩ませることもなくなります。

不正経理や業務のブラックボックス化の抑制

外注することで、社内と社外で2ヶ所からのチェックの目が入るため、不正経理が起こりにくくなります。また、委託に伴い、今まで担当者単位で行ってきた経理業務の可視化が進み、属人化していた業務のフローが明確になることも利点です。

経理の外注で考慮すべきデメリット

経理業務を外注する前に、外注することで起こりうるデメリットについての理解をしておく必要があります。メリットとデメリットのバランスを考え、導入の是非や委託する業務範囲などを検討していきましょう。

経理ノウハウの喪失

経理を外注すると、社内で経理部門の人材育成が難しくなり、今まで培ってきた経理業務のノウハウが失われる恐れがあります。もし、外注先の事情や自社との関係性などから委託継続が困難になった場合、新たな委託先を探したり、社内に経理業務を引き取らるなどの対策が必要となるでしょう。この時、経理のノウハウが失われていると業務が止まってしまう恐れがあるのです。そうした事態を避けるためにも、委託先とは、密なコミュニケーションと業務フローやマニュアルの共有を行い、ノウハウの喪失を防ぐ手だてが必要になります。

情報漏えいのリスク

社外に経理業務を委託する際、オンライン上で情報を共有することが増えるため、情報漏えいのリスクが高まります。情報漏えいを防ぐために多くの外注業者は、それぞれプライバシーポリシーの遵守やセキュリティ対策を行っていますが、絶対ではありません。
しかし、社内の経理システムがオンラインでアクセス出来る場合は、同様の恐れがあるため、一概に外部委託するほうがリスクが高いとは言えないでしょう。

費用が高くなる可能性

基本的に作業に対する対価で済むため、人件費コストの削減が可能です。しかし、導入時や付随するサービスを利用しているときなどは、人を雇用したときより費用がかさんでしまう場合があります。そのため、導入コストや運用コストのバランス、サービスと価格のバランスを見ながら、どのように経理外注に委託していくかの判断が求められます。また、事前に何社か見積もりを依頼し、サービスを比較することも大切です。

経理外注を導入する注意点

経理業務を外注する際に気を付けておくべき注意点とはどのようなものがあるでしょうか。

委託可能な業務の確認

まずは、提示された料金で、どの範囲までの経理業務に対応しているか確認が必要です。委託先によって対応する範囲が異なるため、単純に料金だけでの比較はできません。また、自社が必要とする業務への対応有無を確認するとともに、将来的に総務や人事などの委託も視野に入れているなら、そのあたりも踏まえて検討していきましょう。

業務フローの共有

業務フローの共有方法についても、あらかじめすり合わせをしておくことが大切です。イレギュラー発生時のフローやそれに伴うフィードバックなど、実際に業務を行ううえでの流れを把握しながら、互いに認識を深めていく必要があります。また、緊急時を含めた連絡方法を明確にし、常に業務の流れを確認できるようにしておきましょう。

迅速・柔軟な対応が難しい

経理代行は、予め決められていない判断は行えないため、イレギュラーな事態に対し、迅速なフィードバックは難しいでしょう。社内に経理担当者がいた時には即時対応ができたことも、委託することで、できなくなる可能性があります。イレギュラーに対して一つひとつ、マニュアルに反映していくことで、イレギュラーそのものを減らしていくことは可能ですが、ゼロにすることは難しくその都度対応が必要です。

経理のBPOに最適なおすすめ企業

様々なBPO企業が経理代行サービスを提供しており、企業によって委託可能なサービスや料金形態が異なります。
数多くあるサービスの中でも、おすすめのBPOサービスを紹介します。

Mamasan&Company

結婚や子育てなどで、外勤ではなく在宅ワークを中心に行っている女性をはじめ、高いスキルを持った人材が在籍しています。簡単な経理業務はもちろん、複雑な経理業務も経験豊富なリモートワーカーによる質の高いサービスを受けることが可能です。

経理以外の業務にも適応できる高いスキルと独自のセキュリティシステムにより、安心して業務を任せることができます。

https://mama-sun.com/jp/operating/bpo/accounting/

スマート経理

クラウドサービスを活用した経理業務の徹底的な自動化を行い、業務の負担を劇的に軽減しました。領収書などの必要書類をスキャンし、クラウド上で共有するだけで手続きが完了するため、精算業務の手間を減らせます。やり取りもチャットで完結するため、メールのような煩わしさもありません。
また、税理士法人グループが母体となっており、対応するスタッフも全員簿記2級以上の資格を有しているため、品質の面でも安心してサービスを受けられます。

HELP YOU

クライアントごとに専属ディレクターがつき、業務も採用率1%の狭き門を合格した優秀なスタッフが代行して行います。経理業務だけでなく、総務や人事、営業サポートやサイト運営など様々なバックオフィス業務のサポートが可能です。
作業単価による委託ではなく、作業時間に対して料金が発生し、月30時間の代行10万円から利用できます。時間内なら提供されるサービスを自由に選択できるため、経理と営業サポート、経理と人事など自由にカスタム可能な点も魅力です。

自社にぴったりな経理外注を

経理業務は会社の先行きを知るうえでとても重要な業務ですが、日々の書類管理や帳簿の記帳などは業務量が多いうえ、時期によっても大きく変動します。こうした経理業務の負担に振り回されないよう、外注に経理業務の委託を検討するのも良いでしょう。経理業務のアウトソーシングは、経理部門の負担を軽減させるだけではなく、業務効率化や品質の安定・向上、不正経理の是正など様々なメリットもあるからです。

外部委託のデメリットや導入時の注意点を踏まえながら、より生産的な業務に注力できるように自社に適した経理代行サービスを選び取っていきましょう。

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