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経理外注で管理効率化!アウトソーシングのメリットとデメリット

2020年7月28日 10:00 カテゴリー : BPO Times

近年、経営戦略として業務管理の効率化を図る企業の増加に伴い、経理業務のアウトソーシング需要が高まっています。その背景は、多くの企業が直面している自社採用の人材確保の困難や、組織が構造的に抱えてしまう問題などの回避または改善に、アウトソーシングが有効とされている点が挙げられます。

このような状況を踏まえ、経理のアウトソーシングが重要視される理由、チェック業務や決算、集計など様々な業務を外注化した企業の活用例、導入のメリット・デメリット、費用相場やおすすめのアウトソーシング企業について見ていきましょう。

企業のスリム化が進む現代

経済のグローバル化やIT技術の急激な進歩など、企業を取り巻く環境の変化が著しい現代では、企業のスリム化が進んでいるといえます。企業のスリム化について理解することで、アウトソーシング導入への道筋が明確になります。

そこで、企業のスリム化とは何か、背景も踏まえて確認しましょう。

ベースにある構造的な問題

ビジネスにおいて、直面する様々な状況を的確に遂行するためには、組織内の社員や部署が、対応可能なレベルで業務を細分化するのが自然な流れといえます。細分化の目的は組織機能の拡充であり、各々のオーバーフローを無くし効率的で安定した運用を実現するためです。

しかし、細分化によって組織としての統一性が失われるリスクもあるため、段階的な調節を行います。この調節の段階で業務間や組織間のインターフェイスの数が増え、遂行するための機関や人員の増員が必要となります。つまり、組織の構成要素が膨れ上がると、企業の運用が肥大化する上に複雑になるという、構造的な問題を抱えているといえるのです。

企業の肥大化や複雑化がもたらす弊害

企業の肥大化や複雑化をそのまま放置してしまうと、組織は機能不全に陥るリスクにさらされます。具体的には、細分化による増員で社内のコミュニケーションが満足に取れなくなる、非効率なプロセスが生まれる、業務が属人化する、自浄機能が作用しないなどが考えられます。結果として、ビジネス環境の変化に対応しきれない企業となり、最終的に組織そのものの存続が危ぶまれる可能性も否定できません。つまり、組織の問題解決のための細分化が、企業の危機を招くという悪循環に陥ってしまう弊害があるのです。

アウトソーシングを活用して企業のスリム化を図る

組織機能を拡充させようと細分化させるほど、企業の肥大化や複雑化は進行し、様々な状況で無駄や非効率を生み出しやすくなります。そのようなリスク回避や改善策として用いられているのが、構造的な問題を抜本的に解決するスリム化した組織運営です。

企業の場合には、アウトソーシングを活用することでスリム化ができます。例えば、経理を始めとしたバックオフィス業務を外注化すれば、組織の構成要素を縮小させ、運営コストの軽減や構造的問題の停留を目指すことが可能です。

さらに、業務負担の軽減による人員削減、コミュニケーションの活性化や風通しの良い組織体制の構築といった、付加価値の実現も現実的となります。

経理部をまるごと外注化!?
上場企業に見る経理のアウトソーシング活用例

上場企業規模の場合は、特に経理業務そのものの負担は大きいと考えられます。専門性も高まり相応のスキルを持つ人材確保が困難なだけでなく、近年の人手不足が追い打ちをかけていると考えられるからです。経理のアウトソーシングを通して、課題の克服と企業のスリム化を実現した活用例を見ていきましょう。

コア業務専念を実現した活用例

大手不動産会社とそのグループ会社では、数多くの不動産開発を行っているため、建設仮勘定から本勘定振替を実施のための基礎資料の作成に、多くの時間と工数をかけていました。さらに、決まった時期に業務が集中することが、経理にとって大きな負担となっていました。

そこで、定型的かつ煩雑な業務をアウトソーシングすることにより、より重要なコア業務に専念することが可能になりました。さらに、グループ処理方針に従った適切な処理が実施可能となったことで、全社的に資産計上の基準が統一され、余計な細分化を招きませんでした。

フロー見直しと改善を行った活用例

大手運送業子会社では、月次決算や四半期決算における締切日が短いことで経理部門の負担が大きくなるなどの複数の課題が絡み合い、業務品質を保持した上での標準化とフローの整理が課題となっていました。

そこで、日常業務から決算申告業務に至るまで、難易度にかかわらず経理業務を一括してアウトソーシングすることにより、業務の標準化を目指しました。結果として経理業務のスリム化が実現し、グループ企業内における処理ルールを統一化することもできました。

どんな経理業務を外注化できる?

上場企業の活用例にあるように、経理業務は種類にかかわらず外注化が可能といえます。具体的には、記帳や仕訳入力・領収書管理・請求書発行・売掛金や買掛金の管理など日々の業務から、月次決算書の作成・給与計算・予算実績管理などの月次の業務、そして最も大切な決算の取りまとめといった年次の業務になります。

ただし、ルーチン化され定期的に発生する業務は外注化に適している一方で、外注化できるが注意が必要な業務として、タイムリーな対応が必須なものが挙げられます。

理由として、アウトソーサーは予め取り決められたルールの中で業務を遂行するのが、アウトソーシングの大前提です。依頼主とのルールの取り決めや業務の引継ぎなど、導入にはある程度の時間が必要ですが、タイムリーな対応や短期間限定などの条件がある業務は、事前準備に時間がかかりすぎるケースを想定しておく必要があります。また、例外の処理や判断が頻発する業務、現金や同様の価値があるものを直接扱う場合にも、アウトソーシング業務として注意深く検討をしましょう。

経理アウトソーシングのメリット

経理のアウトソーシングによって、企業には様々なメリットがもたらされます。具体的な内容について見ていきましょう。

人材にかかるコストの削減

経理の業務は繁忙期が発生するため、それに備えた人員を常時確保しなけらばならず、閑散期には不要な人材を抱えてしまいます。また、採用や教育などのコストを考えると、一人当たり給料の2〜3倍コストがかかってしまうのが一般的です。

アウトソーシングすれば、常に必要な人材のみに絞ることができるので、固定人件費の削減につながります。

ハイスキルな人材の活用

経理のアウトソーシングに特化した企業は、高い専門性と豊富な実績を兼ね備えているため、クオリティは高くスピードは速いです。そのため自社で経理業務を行うより効率的で精度は高いことが多く、毎年変更が発生する規則や法にも対応できます。また、プロに一括して業務を任せられる安心感があるでしょう。

生産性の向上

自社内で行うルーチン業務の負担が軽減すれば、今まで割いていたリソースをコア業務に充てることができます。さらに、業務フローの見直しや可視化が進むことで、間接的に売り上げや生産性向上の実現に一役買うのです。

属人化のリスク回避

専門性の高い経理業務は、特に属人化やブラックボックス化を招きやすく、担当者の休暇や急な退職で業務が滞るリスクがあります。さらに、失敗の隠蔽や多額の横領など不正に発展するリスクも高いでしょう。アウトソーシングを活用すれば、限られた人材しかできない、もしくはプロセスが不明瞭という状況がなくなり、このようなリスクを回避することができます。

経理アウトソーシングのデメリット

経理アウトソーシングは、様々なメリットがある反面デメリットも存在します。導入を検討する前に、デメリットを十分理解し対策を講じることが大切です。その具体例を見ていきましょう。

ノウハウが蓄積されない

外注化により社内の人間が業務を行わなくなるため、業務のノウハウが社内に蓄積されないというデメリットが生じます。例えば、改めて社内で人材を教育しようとた時に、社内に適切な人材がいないというケースが考えられます。

このような状況を回避するため、マニュアルやプロセスを共有してもらう、引継ぎについて取り決めするなども選択肢に入れることをおすすめします。

情報漏洩のリスクがある

経理部門だけに限らず、社内で取り扱う情報を外部に出す、社外の人間が取り扱う場合には、データの漏洩や紛失といったリスクについて十分に考慮をしておくことが不可欠です。

具体的な対策として、データの取り扱い方法やバックアップの頻度、スタッフへの意識づけについて入念な確認を行ったり、アウトソーシング先のセキュリティ対策部分の確認を徹底するなどで、リスクをできるだけ軽減するように努めましょう。

経理アウトソーシングの費用相場と導入の流れ

アウトソーシングの費用相場については、委託する業務量や範囲により大きく変動します。ここでは、一部の作業から広い範囲で委託する際の相場の参考数値と、一般的な導入の流れを紹介します。

記帳代行や給与計算の費用相場

記帳代行の費用は、基本的には仕訳数で変動します。月額料金制だと100仕訳以内で1万円、200仕訳以内で1万5,000円、300仕訳以内で2万円というのが相場です。

1仕訳あたりの料金設定をする従量制では、1仕訳50~100円程度が相場となります。給与計算は人数×単価で費用が決まる場合が多く、給与の算出から社会保険や各種控除の計算などすべて含めても、1人あたり1,000~2,000円が相場です。

広い範囲で委託する場合の費用相場

経理業務全般を任せたい企業向けなのが、記帳代行や給与計算に加え領収書管理や請求書発行などの基本業務をパッケージ化したプランです。

内容は委託企業により様々ですが、目安となる相場は月3~5万円で、含まれていない業務はオプションとして追加できます。

アウトソーシング導入の一般的な流れ

経理の外注化が決まったら、導入後の流れを具体化し外注する目的が達成できる業者をしっかり精査して候補を選定します。選定のポイントは、自社のニーズに合う、満足度の高いサポート体制、デメリットへの対策がなされているといった点です。

複数のアウトソーサーのヒアリングを経て、現状の分析が行われた見積もりや提案がなされてから、委託先を最終決定します。

委託先決定後は、運用ルールの取り決め(委託範囲・導入時期・連携体制等)、契約の締結、業務プロセスの構築(マニュアル・フローチャートの作成)、引継ぎ(マスタ登録・データ移行)、テスト運用・検証を経て、運用スタートとなります。

おすすめのアウトソーシング企業

経理アウトソーシングを取り扱っている企業は数多くありますが、企業ごとの特徴を踏まえて検討することが大切です。そこで、各企業の特色を踏まえたおすすめの企業2社を紹介します。

Mamasan&Company株式会社

Mamasan&Companyは、経理や会計などのバックオフィス業務をBPOで請け負う企業です。業務プロセスの可視化を必ず行うので、自社では気付けない無駄や非効率な要素の排除、クラウド化されたMACの在宅オペレーションによって大幅なコスト削減が目指せます。

また、Mamasan&Companyは、株式会社ラクスが提供するクラウドサービス「楽楽精算」の正規販売代理店でもあります。国内最多導入社数を誇る楽楽精算を活用することで、ネット環境さえあれば申請・承認できる環境が構築され、経理担当者は元より他部署社員の負担も削減できます。手間や労力のかかる細かいチェック作業を含めた一元管理で、既に使用しているソフトやサービスとの連携など事前準備もサポート可能です。

「面倒な経費精算、全てお任せください! Mamasan&Company 」

LIXIL住生活ソリューション株式会社

「経理アウトソーシングを導入したいが、データは社内で管理したい」「社外にデータを持ち出すこと自体が難しい」などという企業におすすめなのが、LIXIL住生活ソリューションの経理事務センターです。

大きな特徴として、スタッフが直接会社を訪問して経理業務を代行する「訪問型アウトソーシング」を行っている点が挙げられます。スタッフが固定されるため、精度や習熟度の向上を集中的に行う事ができたり、何か突発的な事態があった場合でも、その場にスタッフがいるので素早く対応することができます。訪問型だけではなく、データを送るだけの「センター型アウトソーシング」も提供しており、企業のニーズに合わせて柔軟に方法を選ぶことが可能です。

まとめ

経理をはじめとするアウトソーシングの活用は、企業が抱える構造的な問題の解決、個々の課題克服、さらには業務そのもののスリム化に繋がる有用性があります。ただし、メリットだけでなくリスクやデメリットも考慮して、導入に向けて検討を重ねることが大切です。

さらに、外注化による効果をより大きなものにするためには、自社の現状や課題を細かく分析し、アウトソーシングの目的を明確にすることが重要になります。

自社の課題をしっかり認識し、ニーズに合わせたアウトソーシングの活用に舵を切ってはいかがでしょうか。