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経費精算システムで経理を効率化!長時間労働を改善するカギに

2020年9月27日 15:00 カテゴリー : BPO Times

経費精算業務は、どの企業でも日常的に行われている業務の一つです。社員数や立替払いが増えるほど、経費精算や会計業務は増えていきます。特に、承認作業が集中する月末月初において、経理担当者の負担はますます大きなものとなり、経理部門の就労状況に頭を悩ませている人もいるでしょう。

しかし、経費精算業務はシステム導入やアウトソーシングの活用などで、比較的業務の効率化が行いやすく、業務量の8割減が可能だと言われている業務です。経費精算業務の効率化のポイントや経費精算システムの選び方、システム導入のメリットについて理解を深め、前向きにシステムの導入や外注化を検討しましょう。

経費精算の効率化で働き方改革!

経費精算は、経理担当者を含めた全社員が関わる業務です。効率化しやすい業務でもあるため、就労状況改善が課題の一つである働き方改革の手始めにも適しているでしょう。働き方改革の概要に触れ、経費精算の実情と効率化の可能性について紹介します。

働き方改革とは

日本の労働人口の減少、勤労者の過重労働などの問題を解決すべく打ち出された「一億総活躍社会を実現するための改革」です。この改革の具体的な課題として、長時間労働の解消、非正規雇用者の格差是正、働き方の多様化による労働人口の確保などが挙げられます。そして、それらを解決する方法として注目されているのが生産性の向上です。労働者一人ひとりの能力や生産性をあげ、業務効率化や働き方の多様化を行い、事情を抱える労働者も活躍できる場を設け、持続可能な日本社会を創出することが「働き方改革」の大きな目的となります。

経費精算業務と実情

経費精算とは、社員が一次的に立て替えた会社の経費を精算することで、会社によって精算の申請方法や適用される経費は異なります。

一般的な申請の流れは、立替払いの発生日、金額、内訳、目的などを経費精算書に記入し、その裏付けとなる領収書やレシートを添えて、上長の承認を得た後、経理担当者に提出・確認・承認を受けて完了です。しかし、申請書作成には時間や手間がかかり、内容不備や金額の相違などによる申請の差し戻しもあります。株式会社マネーフォワードの調べによると、実に73%の社員が経費精算をわずらわしいものと感じています。さらに、勤務先の経費精算の方法は、手書きや表計算ソフトを使用し、領収書を台帳に貼って提出する方法が最も多く、いまだ経費精算システムを導入していない企業の多さがうかがえるでしょう。

【参考】「【経費精算に関するアンケート調査を実施】|株式会社マネーフォワード」

経費精算業務の効率化で生産性をアップ

アンケート結果でもわかる通り、現状として経費精算を紙を媒体としたアナログ形式で行っている企業が多数を占めます。そのため、経理部門は申請処理が集中する月末月初に業務負担がふくれあがります。申請者は、経費精算業務に月あたり平均48分ほど時間を取られており、その申請の対応を一手に受ける経理部門の負担は非常に大きいものでしょう。

煩雑な経費精算業務は、業務フローや規定の整備、経費精算システムの導入やアウトソーシング活用などの効率化を図ることで、業務の実に8割を削減できると言われています。システムによる自動入力や仕分け、交通費の自動計算などの機能は、経理部門はもちろん、社員全員の負担軽減も期待できます。また、アウトソーシングの活用は、月初月末に集中する経理部門の過重労働を抑えることが可能です。経費精算業務は、システムやアウトソーシングなどのサービスも充実しており、業務の効率化が比較的行いやすいため、社員全体にかかる働き方改革、過重労働の抑制の即効性のある助けとなるでしょう。

経費精算を効率化するポイント

経費精算の効率化には、業務フローや規定の整備、経費精算システムによる手作業の自動化、アウトソーシングを活用した業務の委託など大きく分けて3つのポイントがあります。それぞれのポイントについて見ていきましょう。

経費精算業務のフローや規定を整備する

システム導入やアウトソーシングを検討する前に、経費精算規定や業務フローの見直しを行いましょう。経費精算の目的や適用範囲、自己決済の禁止、精算日の期日、領収書がない場合の対応や交通費の算出方法などを明確にし、社内に周知する必要があります。社内の経費精算規定への認識が揃うことで、経理への問合せや申請書の差し戻しを減らすことが可能です。また、営業などで出張が多い場合は、仮払い規約を定めることで、社員の負担感を減らすことができます。

こうした 業務フローを社内に徹底させることは難しいため、紙媒体での管理を続ける予定なら必要記載事項や注意事項が一目でわかるような申請書のテンプレートを用意すると良いでしょう。

経費精算システムを導入する

経費精算業務を抜本的に効率化したいのであれば、積極的に経費精算システムの導入を検討していきましょう。というのも、経費精算システムには、自動入力や自動差し戻し機能、領収書の読み込み機能や交通費の自動計算、会計ソフトと連動したデータの書き出しなど様々な機能があり、業務を飛躍的に効率化できるからです。また、システム上でワークフローの管理を行えるため、承認手順の徹底や内部統制の強化も行うことができ、不正が起こりにくくなります。

導入には、システムの選定や導入費用、社員に対する操作方法の教育などが課題となるため、導入に不安を感じるなら、一度トライアルサービスを利用して実際にシステムに触れてみると良いでしょう。

経費精算業務をアウトソーシングに

経費精算業務そのものを外注化するのも業務効率化につながります。経費精算をアウトソーシングすれば、繁忙期の経理部門の負担を減らすことができ、会社としても繁忙期の人員の確保や就労状況について悩む必要がありません。また、経理の専門知識を持つ企業に一任することで、業務品質の向上も期待できるだけでなく、経理業務のための人員の確保や教育が最低限で済みます。むしろ、業務のアウトソーシング化は、社内で行うための人件費と比較して、コストを格段に抑えられる可能性もあるでしょう。

自社にあった経費精算システムの選び方

経費精算システムを選定する際は、機能や料金、サポートサービスなど自社の要望に合ったシステムを選ぶ必要があります。経費精算システムの選び方についてのポイントをあげていきましょう。

必要とされる機能を備えているか

経費精算ソフトには、業務を効率化するための様々な機能が備えられており、導入の際は自社の要望に合った機能の確認が必要です。サービスによって利用できない機能もありますが、経費精算システムが持つ機能の一例を紹介します。

■領収書の読み込み・タイムスタンプ機能
スマートフォンから撮影した領収書を読み込み、そのまま申請データに反映させることができます。また、タイムスタンプの付与機能があれば電子帳簿保存法に対応可能です。

■自動差し戻し機能
申請内容に不備があれば即座に申請者に差し戻す機能です。必要項目の未入力や予め設定された規定にそぐわない申請を、その場でシステムが判断し差し戻しを行います。

■交通費の自動計算
内蔵された乗換案内アプリで経路を選択するだけで運賃が自動入力されたり、Suicaなどの交通系ICカード情報を取り込む機能など、交通費の算出に役立つ機能が追加されているものもあります。社員の出張が多い企業は、このような交通費の自動算出ができる機能は押さえておくと良いでしょう。

■会計ソフトなどとの連動性
経費精算システムを導入するなら、自社に既にある会計ソフトと連動できるシステムを選べば、さらなる業務効率化が期待できます。 

■スマートフォンやタブレットからの操作
スマートフォンやタブレットからも操作できるシステムであれば、経費精算の申請や承認がより手軽に行えます。

機能と料金のバランスが自社に則しているか

経費精算システムの料金体系は、大きく分けて料金がユーザー数に比例するプランと、領収書の数に比例するプランがあります。

ユーザー数に応じて料金が変わるシステムには、1ユーザーごとに料金が加算されるプランと、50ユーザーまで月額30,000円など、まとめて料金が加算されるプランがあるため、会社の利用者数に合ったシステムを選ぶ必要があります。また、サービスによって初期費用が必要であったり、最低利用料金や月額基本料金が定められていたりと条件が異なるため注意が必要です。

一方、ユーザー数無制限で、申請された領収書数で料金が決まるタイプもあります。人数に対して申請が少ない場合や、社員の入れ替えが多くユーザーを限定したくない場合などは、こちらの料金体系も検討してみましょう。

この他にも、使える機能に応じて料金が変わるプランを用意しているシステムや、勤怠管理システムなどと連携して利便性を高めているシステムなどサービス内容や料金体系は多種多様です。既存システムへの連携性や必要な機能と、料金のバランスが取れるようなシステムを選択しましょう。

セキュリティ対策などサービスに対する信頼性

経費精算システムは、主にオンプレミス型やクラウド型があり、システムを構築する場所が社内かクラウド上かで区別されます。現在の経費精算システムの主流はクラウド型となり、インターネット経由での利用になるため、セキュリティ対策にも気を配る必要があります。プライバシーマークやISMS(ISO/IEC 27001)を取得しているかどうか、提供されるサービスに厳格なセキュリティ対策の規定が定められているかどうかが判断基準の一つです。

また、導入実績や導入シェア率、SaaS AWARDなどが行うサービスに対する評価などは、サービス全体の信頼性を図るための指針となりますので、必ず目を通しておきましょう。

業務負担を大幅軽減!システム導入の魅力

経費精算システム導入によって経費精算業務の8割を削減可能とも言われているように、システムが有する様々な機能は業務効率化に大いに役立ちます。システムによって機能の差はありますが、これらの機能によって、申請者や経理担当者の業務負担がどの様に軽減されるか紹介します。

申請者の業務軽減①自動入力で申請が簡単に

領収書の読み取り機能や交通費の自動計算機能、ICカードやクレジットカードによる連携を利用することで、申請書への入力や交通費の計算など手間を大幅に減らすことができます。また、手作業による転記ミスも減らすことができるうえ、申請内容に不備があった際も、すぐに差し戻しが行われるため修正が容易です。

申請者の業務軽減②アプリ利用でいつでもどこからでも申請ができる

パソコン以外の端末から申請が可能となり、スマートフォンなどから時間や場所を問わず、立替が発生した際や空き時間に迅速に申請作業が行えます。また、電子帳簿保存法に対応しているシステムなら、領収書の添付も不要となりオンラインで全ての申請を完結できるのも魅力です。

経理担当者の業務軽減①差し戻し対応業務が減る

単純な入力ミスや規定に沿わない申請の差し戻しが、システムによって自動的に行われるため、経理担当者が行わなければならない差し戻し対応を大幅に削減するとができます。また、データでのやり取りとなるため、時間と手間がかかる紙媒体の申請書の差し戻しや管理もする必要がなくなるでしょう。また、自社の経費精算規定に則した対応がシステムによって行われるため、ルールの遵守や不正の抑制が可能です。

経理担当者の業務軽減②確認業務の負担が軽減される

システムを導入していない場合、申請書の内容確認は一つひとつ手作業で行わなければなりません。領収書との突合や交通費の再計算、申請内容が規定に則っているかどうか、上長による承認を受けているかどうかなど様々な確認が必要です。

システムを導入すれば大部分を自動入力、データ化できるため、こうした確認作業を大幅に減らすことができるでしょう。

経理担当者の業務軽減③会計ソフトへの転記をデータで

自社の会計ソフトに対応しているシステムを選定すれば、申請書の内容をデータ出力し、会計ソフトへデータ取り込みを行うことで一括で記帳することができます。転記によるミスや手間を減らしたり、よく使う勘定項目の自動入力を行うなど、業務の品質向上を図りながら経理担当者の負担も減らすことが可能です。

経費精算の改善は働き方改革の第一歩!

経費精算は、経理業務の中でも効率化の成果が実感しやすい業務です。特に申請書のやり取り、経費精算規定への理解度が低い社員へのフォロー対応などの、時間や手間のかかる業務を経費精算システムによって自動化することで、大幅な業務負担の軽減が期待できます。自社に適した機能や料金体系、サービスへの信頼性など、システム導入の際には気を付けるべき点もありますが、メリットも大きいため積極的に導入していきましょう。

システム導入で経費精算業務の8割減が期待できるうえ、アウトソーシングも活用すれば、もっと経理担当者の負担も減らすことができます。経費精算業務や会計業務の効率化を行い、長時間労働を是正し、働き方改革の第一歩を踏み出しましょう。

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