近年、幅広い年齢層へのインターネット普及に伴い、検索エンジンは、ショッピング、各種サービスの申し込みや情報の収集などの窓口として、欠かせないものとなりました。企業にとっても、検索エンジンは広告掲載場所としては大変魅力的な媒体でしょう。
検索エンジン上での広告の露出は、不特定多数に打ち出すテレビCMやラジオ広告とは違い、インターネットユーザー自らが目的のために入力した検索キーワードにより、潜在顧客のみにターゲットを絞った効率の良い広告宣伝、および自社サイトへの誘導が可能です。
費用を抑えた適切な運用を心掛ければ、非常に大きな効果をもたらします。
そこで気になるのは、広告費用ですね。
現在では、Webマーケティングとしてインターネットを利用した集客や広告宣伝の方法に多数の種類が存在し、費用も様々です。今回はそのうちの一つ、比較的低予算から始めることが可能な、リスティング広告についてご紹介します。
リスティング広告とは
リスティング広告とは、検索キーワードに対してヒットした検索結果の上に表示される広告を指し、検索連動型広告とも呼ばれています。
利用できる検索エンジン
現在、リスティング広告と定義される手法をとっている検索エンジンは、大手ではGoogle広告(旧Google AdWords)とYahoo!プロモーション広告の二社で、リスティング広告を開始する際は、各社の検索ワードの審査を通過する必要があります。
料金体系
ユーザーがクリックするごとに課金されるPay Per Click (PPC)システムです。
広告の内容に興味を持ったユーザーを誘導するのに向いたシステムで、検索連動型広告とコンテンツ連動型広告は、殆どこのシステムを採用しています。
クリック単価 は、 コストをクリック数で割り、1クリックあたりにかかる平均のクリック単価で算出されます。
リスティング広告とSEO対策との相違点
リスティング広告とSEO対策は、どちらも検索エンジンを介して、ユーザーをキーワードに関連するWebサイトへ誘導する点は全く同じですが、二者の検索順位の評価は全く違う観点から行われています。
リスティング広告は、主にキーワードの入札価格や広告としての品質によって順位付けられ、検索結果が表示される広告枠です。
一方で、SEO対策は、検索エンジンのランキングアルゴリズムによる順位付けから表示される検索結果の上位を狙うのが目的です。
リスティング広告のメリットとデメリット
リスティング広告は、上手に活用した場合、大変便利で収穫の多い方法ですが、目的に合わせた利用をすることが肝心です。 この広告の特徴を、メリット・デメリット別に見ていきましょう。
リスティング広告のメリット
メリットは何といっても、希望するユーザー層に効率よくターゲティングできる事でしょう。キーワードをもとにターゲットを絞ることで、自社のサービスに対して興味や関心の高いユーザーに広告を露出することが可能です。
また、申請から露出開始までが短時間で、早い成果獲得が期待できます。
コスト面においては透明性が高く、クリック課金システムを採用しているため、掲載した広告がクリックされない限り広告費がかかりません。
予算や目標に合わせて、ユーザーをサイトに誘導することが可能です。
リスティング広告のデメリット
ユーザーに指定のキーワードを検索してもらえなければ、広告を表示させることはできません。検索キーワードによって市場規模には限界があり、検索ボリュームを増やすことは難しく、それを超える規模へのアプローチは困難です。
また、キーワードによる検索は、こちらが意図していないユーザーへ配信がされ無駄にクリックされることで、余計なコストがかかってしまうこともあります。
少額の費用からでも踏み切れるのがリスティング広告のメリットでもありますが、常に最新の状態にするなど、細かな修正や改善などの運用が必要です。
さらに、商材によってはクリック単価が大変高騰しており、ある程度の予算を組まなければ、表示すらされないというリスクも避けられません。
リスティング広告運用コスト
リスティング広告運用を代理店に外注した際のコスト感や、効果的な予算決定基準について説明します。
外注を利用した場合の運用コスト
代理店に運用を依頼する場合では、運用費や手数料が発生し、業種や商材によって費用は異なりますが、1か月30万円~50万円が一般的な目安です。
また、手数料は、広告費用の2割程度を設定している代理店が多いでしょう。
手数料には、リスティング広告を始める際のアカウント構築、キャンペーンの設定、キーワード選定、広告文の作成、入稿作業など、配信の準備作業が含まれるのが一般的です。
契約期間に関しては、各代理店により設定が異なりますが、1か月、3か月、半年、という区切りを設けているところが多いでしょう。
単価の上下に影響する要因として挙げられるのは、業界、商材、知名度・認知度、露出時期、配信媒体の違いです。
【業界】
業界が違えばユーザー1人を獲得できる金額が変わります。
B to Bビジネスで一件あたりの売り上げが大きい業界や、コスメ業界、健康食品業界ではキーワードが一般的で競合が多く、クリック単価が高い傾向があります。
【商材】
同じ業界でも、商材が違うと使用場面、時期、ターゲット市場などによってクリック単価に影響があります。例えば基礎化粧品の場合、季節ごとの肌トラブルに対応する商品、美白ケア用品、アンチエイジング用品などの違いです。
【知名度・認知度】
企業や商品の知名度・認知度が高い場合、広告へのクリックは集まりやすくなり、単価を下げることが可能です。
知名度が低い企業が、高い企業と競合する際には、クリック単価は高くなる傾向があります。
【時期】
繁忙期や閑散期がある業界の商材は、季節によってクリック率が大きく変動します。
ハロウィンやクリスマスなどのイベント用商品がわかり易い例でしょう。
また、商品がメディアに取り上げられブームになる、ブームが過ぎるなどもクリック単価に影響します。
【配信媒体】
同じキーワードでも、Google広告とYahoo!プロモーションでは、配信方法や結果表示位置に違いがあるため、クリック単価は変化します。
媒体によってユーザー層が異なるという理由もあるでしょう。
予算決定方法
効果的な予算の決定には、5つの方法があります。
売上の目標額をベースに予算を算出する「売り上げベース」、メインとなるキーワードの平均クリック単価を算出し、予算を決める「キーワード単価ベース」、CPA(販売コスト)が損益分岐点を超えないように設定し、予算を算出する「損益分岐点ベース」、※LTV(ライフタイムバリュー)を使って予算を決定する「LTVベース」、現在の総売り上げをベースに、予算を算出する「総売上ベース」です。
※LTV(ライフタイムバリュー):顧客生涯価値。長期的に一人の顧客から得られる利益を指標化したもの。生涯価値、寿命価値ともよばれる。
リスティング広告運用のポイント
リスティング広告実施中は、どんな点に注意するべきか、また、広告の効果を上げるために何をすべきか、ポイントをみていきましょう。
レポートのレビュー
リスティング広告を利用するうえで重要なのは、効果検証と改善を繰り返し継続していくことです。そのため、最低でも1ヵ月に1回は現状を振り返り課題点と改善案を出していく必要があります。 外注する場合、代理店のレポートに頼ることになりますが、レポートの提出頻度やレビュー目的のミーティングスケジュールなど予め決定しておきましょう。
また、レポートの数字を追うのみではなく、その数字を的確に評価し、課題や問題に対する改善策の仮説を立て、それを実行していくことが重要です。
迅速な対応
リスティング広告では、キャンペーンや広告文の変更や修正が必要になることもあります。 様々な広告文やキーワードで検証された効果を、速やかに広告へ反映させることが、売上や集客力のアップにつながります。
自社商材の見直し
リスティング広告の成果が思うように上がらない理由で意外と多いのが、自社のサービスや商品そのもの改善することが望ましいといったケースです。
魅力の足りないサービスや商品は消費者の関心を得られず、売る機会を逃しています。これはマーケティング手法の問題ではありませんので、一度自社のサービスや商品のピアレビューをお勧めします。
リスティング広告を外注する際のポイント
リスティング広告運用には、Webマーケティングやミクロ・マクロ経済、データ解析などの知識が必要なため、一般企業での自社運用にはあまり向きません。
そのため、殆どの企業が、代理店に運用を委託しています。
それでは、リスティング広告を外注する際の、代理店選定のポイントをみていきましょう。
技術力とわかりやすさ
担当者が、専門性の高い解析を、クライアント視点で分かりやすく具体的に共有してくれているかは重要なポイントです。 技術の高い代理店は、広告対象となっている商材についてしっかりとリサーチしているため、分析結果の報告はもちろんのこと解析までを行い、運用説明の具体例やアドバイスなど、クライアント視点に合わせわかりやすく提供してくれます。
レポート分析と改善案
レポート提出は、最低でも月に一回行われますが、その際、数字の報告のみではなく、数字の分析、改善策の立案・提案などを積極的に行っているか確認しましょう。 質の良い解析を行っている代理店であれば、売上効果が期待できる改善案を提示してくれます。
対応範囲と方針
リスティング広告は、さらに別の広告手法を併用することで相乗効果が期待できます。併用する手法としては、リターゲティング広告、ディスプレイ広告、LP(Landing Page: ランディングページ)の改善、除外キーワード登録などです。
これらの手法は別料金となるケースが多いので、代理店に対応の可否を確認しておくのが得策です。
認可の有無
リスティング広告のプラットフォームを提供しているGoogleとYahoo!では、各社が定める基準をクリアしている代理店に認可を付与しています。
認定されている代理店は優良企業である可能性が高いので、こちらも確認しましょう。
外部委託は運用型広告のスペシャリストへ!
リスティング広告の運用には、ネットユーザーの動向を分析する能力や、データ解析能力、情報収集能力などの高度な専門知識が不可欠です。
そのため、外部委託を検討している場合は、Webマーケティングでも特に運用型広告全般に強い代理店をお勧めします。
Mamasan&Company
主に子育て中のママさんが在籍する、在宅ワーク専門のスペシャリスト集団です。
主婦ならではの細やかかつ鋭い感性で、顧客視点の高品質なサービスを実現します。高度なセキュリティ環境下で業務の可視化とマニュアル化を徹底おり、運用型広告において豊富な実績を持つITママさん達がスペシャリストとして活躍しています。
広告運用・管理のみならず、一消費者としての視点で様々な提案・企画を行うことが可能です。
https://mama-sun.com/jp/
ANAGRAMS
固定概念に縛られず、柔軟な発想を持った運用型広告のプロフェッショナルチームです。リスティング広告運用のほか、SNS運用代行、運用型広告コンサルティング・セミナーなどを行っています。
GoogleおよびYahoo!の正規代理店で、特定非営利活動法人がWebサイトの宣伝目的で利用することができるGoogle AdWordsプログラムの運用代行を社会貢献活動の一環として請け負っています。
ADDDESIGN
主な事業内容として、Webサイト制作、Webコンサルティング、Webマーケティング、クラウドサービスなどを提供しています。
優れた分析力と提案力による高品質なWeb戦略サポートで「戦略的かつシンプルに」をモットーに、クライアントのビジネス目的をWebサイトなどを通じて実現するためのサポートが充実しています。企画から集客・運用までワンストップのサービスが可能です。
まとめ
リスティング広告は、適切な予算と期間で行った場合、短期間で大きな収穫が得られるWebマーケティング手法です。
キャンペーン期間中の活性剤として、総売上額達成の手段として、潜在顧客の認知度上昇目的としてなど、様々な用途があります。
リスティング広告実施の際には優良代理店を選び、スペシャリストの適切なアドバイスと、目的達成に対する最大の効果を得たいものです。
自社の商材の見直しや改善を続けつつ、必要に応じて相乗効果が期待できる他のマーケティング手法とも組み合わせ、効果的に利用していきたいですね。
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