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実はカンタン!業務フロー図の書き方とポイント

2022年1月30日 16:38 カテゴリー : BPO Times

日常の業務に対し効率が悪いと感じることがあれば、それは業務プロセスが最適化されていないことが原因かもしれません。仕事の進め方が昔のままだったり、属人化していたりすると非効率が生まれることもあります。

業務フローを改善すれば生産性が向上したり、売上がアップする可能性もあります。そのためにはわかりやすい業務フロー図を作成し、仕事の全体像を可視化することが大切です。

ここでは業務フロー図の基本と見やすくなる書き方を解説するとともに、業務フロー図作成そのものを業務プロセス可視化のプロに委託する方法を紹介します。

業務フロー図は何のために必要なのか?

業務フロー図は「仕事の内容や手順を図で表したもの」です。業務を図で表現することで、文章だけで表現するよりもわかりやすく、イメージしやすいと言えます。
業務フロー図作成の目的をいくつかあげてみましょう。

可視化・標準化

どんな業務にも、効率よく進めるための最適な流れが存在します。それを俯瞰的に図解し、シンプルに表現したものが業務フロー図です。フロー図で可視化することで全体の流れがイメージでき、自分の作業や前後との関わりを理解しやすくなります。

また、最適な作業の流れを業務フロー図として可視化しておけば、担当者が変わっても業務のやり方にばらつきが出ず、標準化することができるでしょう。

共有・教育・報告

わかりやすい図解があれば、その業務を担当していない人が見ても一連の流れを客観的に理解でき、共通認識を持つことができます。

新人に業務を教える際も、業務フロー図を見せることで、その作業が全体のどの部分にあたるのか伝えやすくなるでしょう。

さらに、業務フロー図は上場企業における内部統制の証拠書類としても有効です。

問題発見

業務フロー図を作成し、業務を可視化することで、無駄な作業や省略できるプロセスを発見できることがあります。課題や改善点なども見えやすくなるでしょう。

そして、関係者間でフロー図を共有することで何が問題なのか、どうすれば改善できるかを伝えやすくなり、共通の認識を持つことが可能になります。

種類別業務フロー図の特徴

フローチャートには目的・用途に応じて様々な作図方式が存在しますが、それらには共通ルールはありません。業務フロー図を作成する際に使用される代表的な5種類について、それぞれの特徴を紹介します。

日本産業規格(JIS X 0121)

JISで定められた「情報処理用流れ図」です。制定は1970年と古く、現在でもアルゴリズムの代表的な記法として広く普及しています。もともと情報の流れを追うチャートですが、図形の用いかたなどは業務フロー図として流用することができます。

【参考】JIS(X 0121)規格(情報処理用流れ図・プログラム網図・システム資源図記号)

BPMN

BPMNとは、ビジネスプロセス・モデルと表記法(Business Process Model and Notation)の略で、OMG(Object Management group)によって維持されている国際標準(ISO19510)です。BPMNで正しく書かれた業務フロー図は、誰が読んでも同じ意味として伝わるため、共通言語として使用できます。

【参考】「BPMN 2.0」OMGが採択。ベンダ間の共通フォーマットも
【参考】公益社団法人企業情報化協会

データフロー図(DFD)

システムにおけるデータの流れを表した図です。データを処理するプロセスを丸(バブル)で表すため、バブルチャートとも呼ばれています。コンピュータ上のシステム設計に使えるのはもちろん、業務フロー分析にも使うことができます。

システムの入力と出力がどんな情報なのか、データがどこから来てどこに行くのか、どこに格納されるのかを示すものであって処理の順序・タイミングを示すものではありません。

NOMA方式フローチャート

元日本経営協会(NOMA)理事の三枝氏が、工場の工程分析表をもとにまとめたとされる作図方式です。縦書きで、工程を上から下の流れで表現します。記号の種類が少なく、説明文が必要になりますが、その分誰にでも読みやすいと言えるでしょう。

産能大式

日本で一番歴史があり、一番有名とも言える業務フローの作図方式です。2008年以前は、上場申請書類の業務フロー図を作成するために欠かせない作図方式であり、現在でも幅広い目的で活用されています。粒度の細かい作業や手続きを表すのに適していると言えるでしょう。

良いフロー図と悪いフロー図はどこが違う?

全く同じ業務を表していても、わかりやすいフロー図とそうでないフロ―図があります。業務を正確に表現したつもりでも、他の人から見ると分かりにくいものになってしまう可能性があるのです。

なぜわかりにくくなってしまうのか、その原因は大きく分けて以下の3つです。

始まりがわからない

フロー図がどこから始まっているのかわからないと、どこから見始めて良いのかがわからず、スムーズに読み進めることができません。開始場所が誰から見てもすぐわかることで、「読んでもらえる」フロー図になります。

時系列がわからない

接続線が複数交差していると、追っていくのが困難になります。また、どこからどの方向に作業が流れているのかがわからないと、どこまでに何をすればいいのか伝わりづらくなります。時系列の関係性がはっきり分かるように見やすく整理して書くことが大切です。

図形が多すぎる

図形の数が多かったり、様々な種類の図形を用いてしまうと、全体の流れが複雑に見えてフローを把握しづらくなります。使用する図形の種類はできるだけ少なく、シンプルに表現するよう心がけましょう。

フロー図作成前に押さえておくべき点

業務フロー図を何のために作成するかという認識が曖昧なままでは、良いフロー図は書けません。業務フロー図を作成する前に、下記の手順でしっかり準備することが、効率的なフロー図作成への近道となるでしょう。

作成する目的を決める

まず、誰に示すための業務フロー図なのかを明確にしましょう。

自分の覚書として使うのか、引継ぎ用のマニュアルに加えるのか、あるいはクライアントに業務を説明するためなど、様々な目的が考えられます。

また、現在の業務をそのまま図式化するのか、あるいは業務改善のために理想とするフローを書くのかなど、作成する目的を明確にしましょう。それによってどのくらい詳細なフロー図が必要かを正しく判断できるでしょう。

担当者や部署を洗い出す

その業務に関わる担当者や部署、クライアントなど全ての関係者を洗い出します。ここで洗い出した関係者は、必要に応じて業務フロー図に加え、今どの部署が担当しているのか、誰が作業しているのかがわかるようにしましょう。

タスクを洗い出し、並べる

上記で出た関係者にヒアリングを行い、その業務の手順やタスクを洗い出します。開始・終了のタイミング、判断が必要な場合の情報など、すべてのタスクを細かくリストアップしましょう。そして、それらのタスクが業務フローに記載する必要があるかないかを判断し、業務の流れと照らし合わせて時系列に並びかえます。

実際に業務フロー図を書いてみよう

業務フロー図は「いつ、何をきっかけに始まるか」「誰が作業するのか」「どんな作業か」「どういう場合に分岐するのか」を漏れなく簡潔に書き表している必要があります。

これら4つの要素は業務を把握する上で最も重要なものです。具体的な作成方法を見ていきましょう。

スイムレーンを作成する

「誰が」は、部門ごとのスイムレーンを使って表現します。階層表現も用いながら、会社、部門、チーム、役職など、作業者や責任の所在を視覚的に表現します。

図形を配置していく

「いつ、何をきっかけに」「どんな作業を」「どういう場合に分岐するのか」は、図形を用いて表現します。業務フローを書く為に必要な図形は、最低でもこの3種類があれば良いことになります。

・開始/終了図形(楕円形など※JIS規格の場合)
プロセスの開始と終了を表します。「端子」とも呼ばれます。
開始図形には、業務を始めるきっかけ(トリガー)となるものを記述します。

・処理図形(四角形など)
一般的な処理、フローチャートの一つのステップやプロセスを表現します。図形には、作業の内容を簡潔に記述します。

・判断図形(ひし形など)
一般に「Yes/No」あるいは「真/偽」が答えとなる判断を表します。
ひとつの図形から2つの矢印が出て行くことになり、どちらがどんな場合なのか意味を示す必要があります。

矢印でつなげる

タスクの流れを確認しながら、矢印記号を正しい方向へ配置します。条件分岐がある場合はYesやNoなどの適切なラベルを追加します。

クオリティの高い業務フロー図を作成するポイント

業務フロー図は誰が見てもわかりやすい、見やすいフロー図を心がけます。質の高いフロー図を作成することで、業務の標準化や効率化を促すことができるでしょう。良い業務フロー図のポイントは以下です。

開始と終了を明確にし、時系列に沿って正しく配置する

業務フローはある1つの作業から始まるので、その始まりが分かりやすいことが大切です。

複数の作業を同時進行で進める業務フローであっても、それぞれの業務が何をきっかけに開始されるのかをはっきりさせておきましょう。定期的に行なう作業であれば日時であったり、クライアントや前作業者からの連絡が来ることなどです

1つのシートに図形は15個まで

業務フロー図が長くなると記号の数が多くなり、全体の流れが複雑に見えてフローを把握しづらくなります。このような場合は接続図形等を使用し、必要に応じて別紙を参照させることでフローをスッキリ見せることができ、全体像がわかりやすくなります。

目安として1枚のシートに図形記号が15個程度までなら、すっきりして見やすい業務フロー図になります。

フロー図も可視化のプロMamasan&Companyにお任せ!

Mamasan&Company株式会社は、子育てなどで働く時間が限られたママさん達が作業を分担し、誰でも効率的にクオリティの高い業務ができるように、フローチャートとマニュアルの作成を徹底しています。業務プロセス可視化の実績があるBPOに可視化を委託するのもおすすめです。

業務プロセスの可視化

Mamasan&Companyではまず、担当コンサルタントが業務のヒアリングを行い、現在の手順やツール、業務フローを明確にします。

そして、フロー図を作成します。業務全体を俯瞰することで担当者の作業や責任の範囲をはっきりさせると同時に、無駄なコストや問題点、課題などを発見することができます。

精密なマニュアルで業務を標準化

適切なマニュアルの設置をすることで業務を標準化でき、誰でも同じクオリティで作業にあたることが可能になります。フローチャートやマニュアルが完成した後は、最新ファイルの共有・管理までお任せすることができます。

業務フロー図を活用して生産性アップ!

業務フロー図作成の目的は、業務の流れを関係者間で共有できるようにすることです。

それだけでなく、業務フロー図を使用して課題や改善案についてのディスカッションが可能となるでしょう。業務改善を進めるうえで、業務フロー図は非常に重要です。

業務フロー図の作成には手間と時間がかかると思う担当者もいるかもしれませんが、関係者とのやり取りにかかる工数を考えると、フロー図を作成したほうが効率的でしょう。あるいは業務プロセス可視化を委託できるプロに任せるのも一案です。

自社の仕事の流れを可視化し、業務改善や生産性のアップを目指しましょう。

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