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【業務改善の進め方】可視化や分析の手法、改善方法まで徹底解説!

2021年4月30日 09:00 カテゴリー : BPO Times

企業が発展するために、業務改善は重要な鍵を握っています。さらに、働き方改革の推進によって「作業効率をアップしていきたい」「社員が働きやすい会社を目指したい」と願う企業経営者は多いのではないでしょうか。

業務改善を行う目的は、企業によって様々ですが、まずは業務プロセスを可視化することから始めてみましょう。業務のつながりや手順を全て見える化することで、改善すべき課題が見えてくるからです。

この記事では、業務プロセスを可視化するまでの手順、業務分析の手法や各種ツールの活用方法、業務改善の実行方法まで幅広く紹介します。

業務改善する目的は何か?

業務内容を明確化し、課題を抽出して改善策を実行する「業務改善」は、様々な目的で実施されます。主な6つの目的について確認しましょう。

コスト削減の可能性

企業のコスト削減を検討する場合、身近な経費や人件費の削減などマイナスなイメージを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。業務改善における「コスト削減」とは、業務品質や利益の担保を前提とした会社全体にかかるコストの削減のことを指します。
例えば、業務フローを見直した上で洗い出された不要な作業工程を排除したり、業務の一部をシステム化やアウトソーシングすることでコスト削減を目指します。

業務効率化への期待

業務の効率化は、社員のモチベーションアップや企業の生産性向上につながる重要な業務改善の目的といえます。業務プロセスを可視化することで、二度手間な作業やコミュニケーション不足によるタイムロスなど、見直すべき作業工程が見つかる可能性があります。
業務に支障のない無駄な作業は排除したり、社員間で行う情報共有の方法を改善することで、業務の効率化が期待できるでしょう。

リスクマネジメントの必要性

昨今のIT化やグローバル化により、企業が懸念すべきリスクも多様化しています。業務プロセスを可視化することで、企業に重大な影響を与え得る様々な「リスク」を想定することが可能となるでしょう。
リスクに備えた対策を考え実行することが、業務改善につながります。

リソースの特定と最適化

業務改善によって効率的に業務を進行できるようになると、結果としてリソースを最適な配分にすることへとつながります。それにより、社員はそれぞれが持つコア業務に集中することができるなど、様々なメリットをもたらします。

コミュニケーション機能や労働環境の改善

業務改善は、人の行動を変化させる目的としても活用されます。例えば、会社のコミュニケーションを活性化させることで、社員のエンゲージメントアップや業務の効率化が期待できます。
また、労働環境を改善することにより、属人的な作業の廃止、作業の質やコストのムラを防ぐことにつながるでしょう。

業務プロセス可視化の手順

業務プロセスの可視化とは、業務と業務のつながりを目に見えるよう、図やリストなどを用いて見える化することです。業務改善においては、まずは業務プロセスを洗い出し、作業の手順や内容を可視化した上で課題を検討します。

手順① 分析項目の可視化

業務プロセス可視化における最初のステップは、業務分析する項目を見える化することです。具体的には、業務を細分化し表や図を使って表します。それにより、業務を遂行するために最適な人数や作業時間などを検討することにつながるでしょう。

手順② 分担表の作成

分析項目を洗い出したら、各業務に関わる人数や役割などを表で作成します。さらに、担当者の名前も加えて記載することで、社員自身がやるべき業務への自覚を持ちやすくなったり、作業の漏れを防ぐことにつながるでしょう。

手順③ フロー図の作成

業務フロー図を作成することで、図や矢印を使って業務の流れが可視化され、業務の全体像を掴みやすくなるメリットがあります。誰が見ても理解できるよう、手順1と2で明確化した業務や担当者を表記します。さらに、業務フロー図が完成したら、実際の作業とズレがないか検証してみると良いでしょう。

手順④ 業務体系・内容のリスト

業務体系とその内容を、目的別に大分類・中分類・小分類など大まかに分けてリスト化します。業務体系表を作成することで、業務ごとの作業範囲を把握しやすくなると同時に、社員間の認識違いがあれば正すことも可能となるでしょう。

手順⑤ 業務量の調査

業務の流れや手順が明確化されると、その結果に基づいて業務量を調査することができます。業務量の測定方法としては、実測法、実績記入法、推定比率法、合成法の4種類が代表的な手段です。職種や目的によって測定方法を選択すると良いでしょう。

分析の手法

業務改善を実施する上で、業務内容を分析することは大切なプロセスです。日常的に当たり前に行っている業務を分析することで、新たな課題を発見することにもつながるでしょう。

社内データの解析

業務を分析するため、社内に蓄積されている様々なデータを改めて収集してみましょう。データの種類としては、顧客情報やクレームの履歴などが挙げられます。例えば、クレームの原因を追究することで、会社の課題を発見できる可能性もあるでしょう。

業務日報の適用

業務日報は、日々現場で発生する出来事や社員の行動を把握し分析できる重要なツールといえます。例えば、業務日報から洗い出された作業時間やタスクの消化率をデータ化することで、生産性の高い社員の行動パターンを可視化することにもつながるでしょう。

現場へのヒアリング

業務内容のリスト作成、業務量の調査では数字を元に分析しますが、定性的なデータを分析することも大切です。現場で働く社員に向けてヒアリングやアンケート調査を行うことで、データ化された情報では見つからない課題を発見できる可能性があります。

業界の動向から比較

同業種の動向をリサーチすることで、優良企業の経営手法を参考にしたり、自社の強みや弱みを客観的に分析することができます。リサーチの方法としては、ビジネス誌や新聞などのメディア、インターネット上に公開されている統計データが参考となるでしょう。

ツールを使った可視化と分析

業務プロセスの可視化と分析を実行する方法として、様々なツールがあります。また、自社での活用が難しい場合は、アウトソーシングする手段も検討してみてはいかがでしょうか。

世界標準(ISO19510)のBPMNについて

BPMNは、世界基準として認められたビジネスプロセスのモデル表記であるため、業務プロセスを可視化する場合に活用できる確かなツールといえます。イベントの開始や終了、タスクの種類などが100以上の図形で表され、矢印を使って各業務をつないで使用します。

PDCA(計画、実行、確認、課題の改善)サイクルの採用

PDCAサイクルでは、可視化された業務における課題の改善策を計画(P)します。次に、改善策を実行に移し(D)、計画と実行した結果の比較を行い、改善策の有効性を確かめます(C)。さらに、確認して得られた反省点を振り返り、効果のない策は捨て、望ましい結果が出た策を継続します(A)。PDCAを何度も繰り返すことで、より理想に近い業務プロセスへ近づけることが期待できるでしょう。

KPIを活用

KPIは、目標を達成するための各プロセスを数値化し、進捗状況を把握するための指標です。KPIのプロセスを進めることで目標達成につながっていくため、社員は成功につながる行動を明確化することができ、管理者は適切な評価がしやすくなるでしょう。また、プロセスを完了するまでに発生した課題をチーム内で共有し、改善点を検討することで、目標達成への効率化も期待できます。

外部への委託

自社で業務プロセスの可視化・分析が困難である企業は、アウトソーシングを活用してみてはいかがでしょうか。Mamasan&Campany株式会社の「業務プロセス可視化サービス」では、フローチャートや業務マニュアルの作成から、業務の検証も行います。隠れたコストを見つけ出し、より生産性の高いサービスの部門へ配分するきっかけ作りが可能です。

【 Mamasan&Campany株式会社】業務プロセス可視化サービス

改善のための6つの基準

業務改善を実行する場合、主に6つの基準があります。改善すべき業務の性質に合う方法を選定しましょう。

編成・廃止する

業務プロセスを可視化することで、各業務の目的を明確にすることができ、日々行っているルーチンワークの中で「この業務は本当に必要なのか?」と考え直すきっかけになるでしょう。不要な業務を廃止または編成することで、作業効率のアップにつながります。

簡素化する

廃止することが不可能な業務においても、業務プロセスを簡素化することで、業務の効率化につなげることが可能となるでしょう。例えば、社員ごとの報告業務を担当者が取りまとめて上司に報告するプロセスがある場合、報告の方法を工夫することで、担当者がまとめる業務を簡素化することができます。

システム導入・仕組化する

手作業をシステム化・仕組化することで、業務の効率化や生産性の向上が期待できます。業務プロセスの可視化によって、システムに置き換えられる部分も検討しやすくなるでしょう。例えば、社内のマニュアルに「よくある質問」を追加したり、ヘルプデスクにおいて自動的にコミュニケーションが取れるチャットボットの導入によって、同じ質問に答える社員の手間を省略することができます。

集約・分散する

業務の特性によって集約または分散することで、改善前と比べて作業効率の向上が期待できます。例えば、同一の社員がまとめて行った方が早い業務は集約して行い、分散した方が効率的な業務は複数の社員で進めていくと良いでしょう。

パターン化する

業務が属人化されていると、人によって作業時間や質が異なり、顧客からも「前の担当者はここまでやってくれたのに、あなたはしてくれないの?」といったクレームにつながりかねません。誰もが同じ質で作業ができるよう、業務マニュアルの活用や属人化された業務を廃止しパターン化させます。担当者が急に退職になった場合も、パターン化されていれば業務の引き継ぎが容易になるでしょう。

委託する

自社で業務改善を行うことが難しい場合は、BPOサービスを利用する方法もあります。アウトソーシングする業務を選定し、必要なときだけ他社へ委託することで、社員を雇用する場合と比較して採用や教育のコスト削減が期待できるでしょう。

改善策の実行方法

業務改善へのポイントを押さえたところで、改善策を実行するための方法を説明します。

優先順位を明確にする

改善策を洗い出したら、率先して取り組むべき改善業務を決定するため、業務ごとに優先順位を付けます。優先順位を円滑に進めるためには、業務フロー図や業務体系リストに沿って決めると良いでしょう。優先順位が明確化されたら、業務ごとに改善案を検討していきます。

改善業務のマニュアル化

改善した業務をマニュアル化することで、属人化の廃止や業務品質の安定につながります。マニュアルを作成する場合は、知識だけを詰め込むのではなく、新入社員や部署を異動してきた社員など、業務に精通していない人物でも理解できるよう工夫して作成しましょう。

アウトソーシングを検討する

業務内容によっては、アウトソーシングを活用して改善できるケースもあるでしょう。例えば、受電業務や経費精算業務などの間接業務をアウトソーシングした場合、自社の社員は空いた時間をコア業務への充てることが可能になります。また、専門的な業務を外部に委託することで、採用や教育に時間をかけることなく、有能な人材の確保も期待できるでしょう。

まとめ

企業における業務改善は、コスト削減や作業効率のアップなど様々な効果が期待できます。業務改善を実行する場合は、改善したい目的を明確にしたうえで業務プロセスの可視化を行うことが大切です。

各業務を細分化し分析することで、様々な切り口から課題を検討することが可能となります。

改善策としては、アウトソーシングの活用をはじめ、マニュアル化し社内へ浸透させたり、PDCAサイクルを繰り返すことで継続的な効果が期待できるでしょう。

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