現在、日本は超売り手市場です。
多くの企業から人手不足の声が聞こえてきますが、中でも慢性的に人材が不足しているひとつがIT業界です。
IT業界の従事者自体は多いのですが、技術者やSEの人数が需要の拡大に追いつかず、近年は常に人手が足りない状態に陥っています。
今後もIT業界の需要は拡大することが予想されていますが、企業は一体どのように対策をすれば良いのでしょうか。
問題解決のひとつとして提案したいのが「アウトソーシング」です。
外部に仕事を任せることに不安をもつ方もいるでしょう。
しかし、昨今のアウトソーシングは非常にレベルが高い上に、コストや納期の面でも思う以上にメリットが多くあるのです。
今回はSEの人手不足を助けるITアウトソーシングについて、メリット・デメリットから活用法まで詳しくご紹介します。
SEが不足している現状
SEはどの程度不足しているのでしょうか。
経済産業省の資料によると「T企業及びユーザ企業情報システム部門に所属する人材は、現在の人材数は約90万人。不足数は約17万人」という推計が出ています。 (経済産業省 IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果の取りまとめ)
どうして不足するようになったのか
SEが不足するようになった原因は、給与の安さや、基幹系システムを担っていた技術者の高齢化・定年退職など様々です。
しかし一番の理由は、SEが増える以上に、情報セキュリティや新しいシステムの必要性により、ITの需要が急速に拡大していることでしょう。 社会で拡大し続ける市場に、SEの人数が追いつかないのです。
今後はどうなる?
経済産業省の「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査の概要」による調査結果を見てみると、IT人材の不足は2020年に約37万人、2030年には約79万人に及ぶという予測が出ています。 これから10年~20年で、人手不足はより深刻になっていくことが伺えます。
(参照:経済産業省 IT人材の最新動向と将来推計に関する調査の概要)
SEに求められるものは
今の時代、SEに求められているものとはいったい何でしょうか。
近年のIT技術者に求められる傾向
今までは、問題が発生した際に、それを解決するための技術が広く必要とされていました。
しかしここ近年は、新しいシステムや発想を生み出すスキルを求める傾向が拡大しつつあります。
(参照:IPA独立行政法人 情報処理推進機構 IT技術者人材白書2018)
SEに求められている能力とは?
SEに対しても技術だけでなく、コミュニケーション能力や、構築・運営・マネジメントスキルなど、幅広い能力が必要とされるようになってきました。 人手不足の上に、SEにも総合的な高いスキルが求められているということです。
新たに社員を採用したとしても、これでは育成にも時間がかかることでしょう。
ITアウトソーシング増加とその背景
SEが不足していても、IT業界のニーズや業務が減るわけではありません。しかも、企業は質の高さを求める傾向にあります。
そこで近年ITアウトソーシングを請け負う企業が続々と増え、人手が足りない穴を埋めるようになりました。
ITアウトソーシング企業が増えた理由
ITアウトソーシング企業が増えているのは、いったいなぜでしょう。
ニーズがあるからというのは勿論ですが、他の理由のひとつが、働き方の多様性です。アウトソーシング企業は、多くが在宅勤務を取り入れています。そのことにより、今までさまざまな事情で正社員としての時間の確保ができず、埋もれていた貴重な人材を労働力として活用する環境が確立してきたのです。
アウトソーシングを選ぶ企業が増えた背景
ITアウトソーシング企業は業界経験者で構成され、人数も多く、充分なスキルを持っています。
社員を育成する手間や時間がいらず、非常にクオリティの高い仕事を期待できるため、足りないリソースを補う手段としてアウトソーシングは非常に有効なのです。
その上、依頼する業務量や内容を調節することでコストの調整もしやすく、利用する企業が増えているのも頷けますね。
ITアウトソーシングの活用
ITアウトソーシングには、ホスティングやキッティング、アプリ開発や保守など、実に幅広い業務を委託することができます。
活用方法は様々なのですが、その中から代表的な方法を3つご紹介しましょう。
フルアウトソーシング
フルアウトソーシングとは、要件定義から企画・開発、運営まですべてをアウトソーシングすることです。
会社の負担が大きく減るので、リソースを他へ回すことができます。
システム運用・保守
システムは自社で用意し、運用や保守のみ任せる方法です。
365日24時間対応している企業も多く、システムツールで自動化など、効果的かつ効率的に監視を行ってくれます。
長期的であればあるほど人材の運用コストを削減することができます。
ヘルプデスク・ユーザーサポート
企業や顧客からの問合せに対し、電話やメールでの技術的なサポートのみを委託する方法です。
アウトソーシング企業は高い専門知識を持っているため、効果的なサポートが期待できます。
こちらも365日24時間、多言語にも対応している企業もあります。
ITアウトソーシングのメリット・デメリット
ITアウトソーシングをより効果的に活用するためには、メリットとデメリットの両方について把握している必要があります。
代表的なメリット・デメリットをピックアップしてみましょう。
ITアウトソーシングのメリット
・コスト削減 社員の給与や派遣の業務委託費に比べ、人件費がかからないのでかなりのコスト削減が期待できます。また、人員を直接雇わないため育成費も不要です。
・完了時の状態と納期が見えやすい 契約締結時に、締切や業務の内容についてしっかりと取り決めを行うため、納期と完了時の状態が最初からクリアになっているという利点があります。
そのため、IT部門社員の業務以外にも、進捗管理などマネジメント部分での負担も間接的にぐっと減るでしょう。
・高クオリティなサービス ITアウトソーシング会社はIT専門の会社ですから、当然作業に従事するメンバーも経験豊富な人材が揃っています。 自社の社員を育てる手間をかけることなく、高クオリティなサービスを利用することが可能です。
ITアウトソーシングのデメリット
・密な連絡と打ち合わせが必要 依頼側と請負側で齟齬がないよう、しっかりと打ち合わせを行い認識をすり合わせておく必要があります。 同じ現場で顔を合わせて作業をしない分、チャットや通話等でのミーティングを行うと良いでしょう。
・情報漏えいのリスク増 セキュリティには重々注意をしている企業がほとんどですが、社外の人間が多く関わり、情報も持ち出して作業をすることから、その分情報漏えいのリスクが増加します。 機密性の高い業務を委託する際には、事前に情報に関する契約書を交わす、プライバシーポリシーのしっかりしている企業に依頼する等の対策が必要です。
・ノウハウが社内に残らない アウトソーシングで委託してしまうと、社内にそのプロセスやノウハウが残りません。
長期的な業務であれば、社内で対応できる人材がいないと支障をきたすケースもあるため、アウトソーシングする部分をしっかり精査しましょう。
アウトソーシングおすすめ企業
Mamasan&Company株式会社
日本のみならず、海外からも多くのクラウドワーカーが参加している会社です。
様々な経歴を持つメンバーが揃っているため、企業側のニーズにきめ細やかに対応することができます。
また、予算に合わせたプランニングの相談にも丁寧に応じてくれます。
https://mama-sun.com/jp/
株式会社アウトソーシングテクノロジー
IT専門のアウトソーシング企業です。
専門だけあって、ITスキルの高さもさることながら、外部委託から常駐・紹介予定派遣まで、業務に合わせてあらゆる体制で対応できる幅広いサービスを提供しています。
https://www.ostechnology.co.jp/
NTT-ME
NTTグループが運営する、ネットワーク専門の業務委託会社です。
大企業が母体になっているため、ネットワーク系のノウハウや情報に強く、安心して委託できます。
また、企業向けの通信サービスや、情報漏えい管理などのサービス提供も行っています。
https://www.ntt-me.co.jp/
まとめ
いかがでしたでしょうか。
これからますます加速すると言われているIT業界の人手不足ですが、「不足している労働力を補うこと」と「社内人員の負担軽減と育成により質を高める」という、ふたつの面から問題に対峙していくことが重要です。
業務を効率化して、よい人材を社内に増やしていくことができればベストですが、それも今後は厳しくなっていくことが予想されます。
その際には、ぜひITアウトソーシングをはじめとする外部リソースを上手く活用しましょう。
外部リソースをノンコア業務に割り当て、社内リソースはコア業務や人材育成に注ぎ込むことで、企業が人手不足を乗り切る糸口が見えるはずです。
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