チラシ、パンフレット、名刺といった印刷物は、会社にとって第一印象を左右する大切な「出版物」です。印刷物制作する業務をDTP(DeskTop Publishing=デスクトップパブリッシング)と呼び、全ての製作工程をパソコン上で処理できるため、少人数であっても一連の作業を担うことができるようになりました。しかし、自社のブランディングにもかかわる制作を任せられる、高いスキルを持った人材を見つけるのは容易ではありません。
そこで、DTP業務を外注化するのも選択肢のひとつでしょう。
今回は、DTP業務の重要性を紐解きながら、外注のメリットや費用相場、おすすめのアウトソーシング企業を紹介します。
チラシ・パンフレット・名刺…デザイン性を高めて企業イメージアップ!
昨今はデジタル化に伴うペーパーレス時代と言われていますが、それでも広報や営業活動など顧客獲得に向けたフェーズでは、チラシ、パンフレット、名刺などの紙媒体の存在は欠かせません。そのデザインのブランディング化が企業イメージを大きく変える可能性もあります。
意外と見られているDTPのデザイン
チラシ・パンフレット・名刺などの紙媒体は、手軽に手にすることができる反面、WEB上のデータよりも更新や交換の工数がかかるため、頻繁な入れ替えがしにくいというデメリットがあります。そのため、気が付いたら5年以上前のデザインのままだったということも少なくありません。反対にころころと内容を変えすぎれば、企業のイメージが定着しなくなってしまうというデメリットにもつながります。
ビジネスにおける制作物においても、ファッションと同様に流行があります。流行をある程度抑えつつも、企業としてのイメージを定着化させる、ブランディングしたデザインというのが理想的です。ここでは、ブランディングの特長を4つ見ていきましょう。
ブランディングの特長①:イメージの定着
「このロゴはこの企業」「この色の組み合わせはこの企業」などといったように、デザインと企業のイメージを紐づけて制作物を作成することで、企業イメージを定着させることができます。DTPだけでなくWEB媒体とも連動して同じテーマデザインを採用するなどで、定着化を加速し、より統一感のあるイメージを浸透させることが可能です。
ブランディングの特長②:他社との差別化
差別化とは、他企業との明確な違いをアピールすることです。例えば品質や機能、デザインなどの要素で違いを明確にすると「これを買う時はこの企業で購入する」というような浸透を図ることができます。特に価格で左右されず、自社の強みで勝負することで、他社よりも価格を下げなくても、顧客に選ばれやすい環境を整えるられるでしょう。
ブランディングの特長③:ロイヤル化
ロイヤル化とは、ブランディングを通して「付加価値」を感じる顧客を増やすことです。つまり、価格のみの判断で競合他社に流れないような価値をブランディングを通して創出し、自社の良さや強みを理解しているファンを増やすことを示します。ロイヤル化の実現には、既存顧客が求める「付加価値」を提供することが大切です。
ブランディングの特長④:知名度の向上
知名度とは、会社名や商品名などが消費者に知られている度合いを指します。ブランディングを通して企業情報を発信していくことで、企業の特徴を分かりやすく世間に浸透させることに成功すれば、企業名の拡散と知名度の向上に繋がるでしょう。
制作業務を依頼したい!外注するメリット
DTPをはじめとする制作業務に対応できる社員を自社内で確保したり育成するのではなく、プロに外注する選択もできます。
DTP制作業務を外注するメリットを見ていきましょう。
コア業務に集中できる
DTP業務は、パソコン1台でデザインから印刷までの行程をひとりで行うことができるため、専任の社員を雇うのではなく、他の業務をこなしながら必要な時にDTP業務にあたることが多いです。しかし、DTP業務が本来行っている業務と重なってしまうこともあります。
一方、外注化することで、本来集中して行いたいコア業務を邪魔することなく、DTPによる制作を並行して進めることが可能です。
クオリティの向上
片手間としてDTPを行うよりも、DTPを生業とするプロに任せることで、より質の高い成果物を得ることができます。また、社外の視点が入ることで、よりブランディングを客観的に意識したデザインや成果物イメージが形となる可能性も高まるでしょう。
急なニーズにも対応できる
DTP業務は急に発生することも少なくありません。例えば、急遽辞令が出たので新しい名刺が必要である、部署名が変わったので印刷されている媒体をすべて差し替えなければならないといったケースです。スピード感を重視しすぎると、クオリティの低い代替物で乗り切ることにもなりかねませんが、DTPサービスを取り扱う企業の多くは、そのような場合にも迅速かつ高い質の制作物を納品できる力があります。
DTPの外注はいくらかかる?依頼内容ごとの費用相場
DTP業務を外注する場合、どれくらいの費用がかかるかは、外注先の企業規模によって差があります。依頼先の規模と依頼内容を照らし合わせて確認していきましょう。
個人事業主
ランサーズなどを通して個人事業主、いわゆるフリーランスに依頼するのがもっとも費用が安く済む依頼先です。ただし、デザインのクオリティが個人のスキルによる部分がかなり大きく、時間的な融通や連絡の取りやすさも個人の都合によります。また、フリーランスがいつの間にか廃業していて、追加発注の際に連絡が取れないなどのケースも考えられます。
価格としては、チラシであれば2万~4万円程度、カタログ作成であれば16万~30万円程度が相場です。
中小企業
中小規模の企業の場合、企業を通す安心感や信頼度が上がります。企業ごとにスキルの基準を設けるなど、一定以上のクオリティが担保されていることも珍しくありません。ただし、部署が複数あったり様々な人員を抱えているので、個人事業主よりも料金が割高になりがちです。また、一定以上のクオリティであっても、並行して進む案件数が多いことも珍しくないため、担当デザイナーのセンスや相性による差もあります。
価格としては、チラシであれば6万~12万円程度、カタログ作成であれば30万~70万円程度が相場です。
それ以上の企業
それ以上の大企業となると、雑誌や書籍の印刷も扱う印刷会社の一部門であったり、広告代理店に部類されることがあります。制作だけでなくブランディングやマーケティングサービスを一括にて請け負うことも多く、信頼感とクオリティは断トツですが、金額もかなりの高額となります。
チラシレベルの依頼は受託さえしてもらえず、カタログ作成で100万円程度まで見積もりが出ることもあるでしょう。
個人事業主へのおすすめ①ランサーズ利用
個人事業主がDTP業務を外注する場合、同じ立場である個人事業主に依頼することも少なくありません。個人でDTP業務を請け負っている人材を探す際に、個人同士の請負業務の仲介をしているランサーズサービスを活用するのもひとつの方法としておすすめです。
実績が見える
登録されている個人事業主ごとの実績が可視化されているので、これまで手掛けてきた制作物や受注してきた業務を具体的に見ることができます。
また、使用ソフトや納品形式といった細かな設定で検索することができるので、よりミスマッチングが少ない環境が整っていると言えます。
専門アドバイザーに相談可能
日本最大級のクラウドソーシングサービスとして、会員登録後、発注について無料で相談する窓口が整っているのも特徴の一つといえるでしょう。電話での相談だけでなく、チャットやメールでも相談を受け付けており、外注する時の疑問点をクリアにしてから発注に移ることができます。
ランサーズ _ 日本最大級のクラウドソーシング仕事依頼サイト
個人事業主へのおすすめ②AISOHO企業組合
山形県にあるAISOHO企業組合は、組合に登録した在宅ワーカー、SOHO事業者が業務にあたるスタイルでDTP業務を請け負っています。登録しているSOHOワーカーのスキルチェックを行う事でクオリティを確保し、2015年には「がんばる中小企業・小規模事業者300 社」として経済産業省より表彰されたこともある企業です。
比較的低価格での受注
例えば、A4までのチラシであれば片面25,000円、両面40,000円とかなり安価での実績を発表しています。個人事業主への依頼には抵抗があるが、あまりコストをかけたくないという考えの個人事業主のニーズに合致するでしょう。
印刷まで対応可能
チラシやパンフレットのデザインや冊子制作、名刺作成など、規模の大小に関わらず印刷物の製作全般を受注しており、幅広い実績もあります。
SOHOでよくあるデータのみの引き渡しだけでなく、要望に応じて印刷物の完成まで依頼することも可能です。
中小企業へのおすすめ①株式会社ルナテック
ルナテックはDTP業務という考え方が始まった頃から、豊富な経験と知識でサービスを展開してきた企業です。 デザイン、組版、スキャニング、画像処理などによる制作業務を行う他、印刷品質に特に重きを置いているのが特徴です。
メディア展開も見据えた提案
営業担当者が、経験に基づいた豊富な知識とノウハウで、クライアント側の希望を実現した製品を完成させるための提案を行います。問題解決だけでなく、印刷物のメディア展開方法についても検討し、提示することもあるでしょう。
高品質低価格の実現
工程管理をしっかりと行うことで無駄な経費を削減し、さらにクライアントに素早く対応することで、納期の短縮も同時に実現します。
さらに、最新技術を積極的な導入で高品質な成果物の納品を行っています。
中小企業へのおすすめ②株式会社ビット・エイ
販促物全般のDTP業務を手掛けているビット・エイは、株式会社コメリのグループ企業です。名刺やチラシだけでなく、書籍やタペストリーなどの大型販促物に至るまで、あらゆるDTP業務をカバーしている企業です。クライアントの要望に沿って臨機応変に、幅広い制作物を手掛けているのが大きな特徴です。
各地域で印刷対応が可能
チラシ制作の場合に、PDFを使うなどの方法で全国どこでもやりとりを行なうことができるだけでなく、さらに、日本全国どの地域でも印刷納品が可能です。大部数チラシを各地の折込として入れたいなどの要望にも、土地ごとに印刷することで配送コスト削減を実現しました。
大手なのに低価格
例えば、チラシのデータ製作費であれば概算で3万円台から、印刷済みであっても1000枚で4万円台からとかなり安価な価格設定です。DTPを手掛ける企業の中では大手の企業でありながらも、中小企業が発注しやすい現実的なコスト感でサービスを展開しています。
株式会社ビット・エイ|チラシ・パンフレット等印刷物作成|DTP制作
それ以上の企業へのおすすめ…Mamasan&Company
質を確保しながら大量のDTP業務が必要な規模の企業におすすめなのが、Mamasan&Companyのデザインサービスです。Web制作、DTP、映像制作、ライティングなど、それぞれのチームが連携することで統一感のある制作を実現しています。また、各国のネイティブスタッフが所属しているため、多言語での制作物にも対応が可能です。
質の高さ
各分野の経験豊富なメンバーが連携しながら、総合クリエイティブサービスを提供しているのが特徴です。DTP業務においても、高いクオリティでの制作を行っています。また、紙媒体の制作だからと言って軽んじず、多様化するプロモーションの形の中で、総合的な戦略を踏まえたサービスを目指しています。
セキュリティの高さ
Mamasan&Companyは在宅ワーカーが活躍している企業です。情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認証も取得するなど、認証基準に基づくセキュリティマネジメントシステムの継続的な運用に取り組んでいます。具体的には、リモートデスクトップを利用した非常にセキュアな環境下での業務遂行を大前提としています。
大量発注も可能
Mamasan&Companyは多くの在宅ワーカーが在籍していて、各工程を細かく分けたり一斉処理するなど、分散して業務にあたるのが特徴です。そのため、例えばトリミングなど大量の画像加工を短期間で行うといった業務への対応も可能にしています。
まとめ
ペーパーレス時代においても、広報や営業活動など顧客獲得に向けたフェーズでは、チラシ、パンフレット、名刺などのDTP業務から生まれる印刷物の存在はこれからも欠かせないツールであり続けるでしょう。DTP業務とブランディング化がうまく合致すれば、企業イメージを高められる可能性もあります。
たかがDTP業務と軽視せず、自社のニーズと規模を鑑みながら様々な条件を比較し、DTP業務の外注化に向けて舵を切ってはいかがでしょうか。
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