プロジェクトが決まったと喜ぶのもつかの間、フロー作成や管理業務など、業務は待ってくれません。しかし、プロジェクトマネージャー(以下PM)やリーダーなど優秀な人材は常に不足しており、頭を抱える企業が多いのが実情です。そのため、BPOや派遣などを利用し、優秀な人材を外部調達することで、リソース不足を解消している企業が増えています。
豊富な知識と経験を持つPMやエンジニアなど、専門職としてキャリアを重ねた人材の多くは、福利厚生の整った大手企業や東京都などの首都圏、関東エリアに集中しています。一方、地方都市へ行くほど勤務希望者が減るため、人材不足は顕著です。
BPOや派遣の活用は、人材不足の解消やプロジェクトの成功、コストカット実現など、多くのメリットがあります。
今回は、BPOと派遣の違いや活用するメリットについて詳しくみていきましょう。
BPOとは?
BPOとは、ビジネス・プロセス・アウトソーシングの略で、自社の業務プロセスを外部の企業に委託するアウトソーシングの一つの形です。近年、中小企業をはじめ多くの企業で取り入れられています。
BPOで期待できること
昨今、労働力不足が大きな課題となり、新卒採用であっても新たな人材が確保できないことや、退職・人事異動による引継ぎ時の負担が大きくなっています。
営業、経理、人事、事務など会社には必要不可欠な部門がたくさんありますが、どの部署も常に働き手が足りず、スムーズな業務をおこなえているわけではありません。
BPOを活用し業務を委託することで、業務にかかる時間やコストの削減ができ、従業員はコア業務に時間を割くことが可能となるため、収益の向上が期待できます。
PMはBPOで効率アップ
PMは、プロジェクト全体の管理を行うため、プロジェクトに関連する一連の業務に精通している必要があります。PM業務のBPOを請け負う企業では、さまざまなプロジェクトを経験してきたスキルやノウハウが蓄積されています。そのため、自社でPMを育成するよりも効率良いプロジェクトの運用が期待できるでしょう。
活躍の場が増えるPM
プロジェクトには目標と期限があり、一定の期間にチームのメンバーが協力し仕事を仕上げる必要があります。ルーティン業務をはじめ、どんな業務でも管理が必要となり、業種を問わずPMの活躍の場は増加していると言えるでしょう。
PMの基本となる業務には、クライアントとのやり取り、品質管理、納期・進捗のスケジュール管理、コスト管理などがあり、コミュニケーション能力はもちろん、イレギュラーなトラブルへの対応力、マネジメントスキルなども必要となります。
BPOと派遣それぞれの特徴とは?
BPOと派遣は外部の会社にお仕事を依頼するという点では同じですが、その内容は全く違うものです。BPOと派遣のサービス内容を比較すると、BPOは「業務完了、成果物の提供」なのに対し、派遣では「業務を行う人材の提供」という点で大きく異なっています。
それぞれの特徴を把握し、自社に合った委託方法を検討する必要があるでしょう。
BPOの特徴
BPOは、業務の一部をまるごと外部にアウトソーシングするのが特徴です。
BPOは業務代行するだけではなく、経営戦略の一環として効率化や標準化など課題解決にも取り組むことで、円滑な経営を行うことを目的としています。
一定の能力がある人材の確保が見込まれるため、人材不足に左右されず安定して業務を委ねることが出来るでしょう。
派遣の特徴
繁忙期や欠員が出た際など、必要としたときに人員の補充ができます。
就業期間に定めがあるので、派遣期間終了後に同等の能力がある人材が見つからないといった可能性もあり、コア業務には向かない傾向があります。また、即戦力として活躍できる人材を確保するには、求人から人材確保までの時間と費用を要することもあるでしょう。派遣は業務内容や勤務時間、労働条件などをしっかりと定め派遣されるため、事前に派遣会社との擦り合わせや認識の共有、詳細の確認が必要です。イレギュラーな業務への対応が難しい場合があることも、理解しておくことが得策です。
どちらを活用すべきかの判断は?
外部の労力を借りるという目的は同じでも、社外に業務プロセスを委託するBPOと社内で業務を管理・完結する派遣とでは大きく異なります。
業務改善を図るならBPO
BPOは単なる業務の代行だけではなく、経営という広い視野での課題解決を目的としているため、単純な作業だけではなくさまざまな業務にも柔軟に対応することが可能でしょう。
また、BPOでは業務を取り仕切るPMや、実務担当者、マニュアル作成などたくさんの人が関わります。日々の業務や引継ぎに関する資料が充実しており、後任の人材も委託先で調整することになるため、業務が滞るリスクが低いと言えるでしょう。
人手が必要なら派遣
業務プロセスが一定の業務に人手を補充したいのであれば、人材派遣が適しているでしょう。時期によって業務量が異なる場合、人手不足になる繁忙期にのみ仕事を頼むこともできます。産休や長期休業中の社員の代理など期間限定での雇用も有効です。
入力作業やルーティンの書類作成など、時間がかかる事務的な業務が多いようであれば、人手不足は派遣社員を雇用することで改善できます。その場合、委託導入時の社員の負担は比較的少なく済むでしょう。
自社雇用の大変さ
PMという職種に限らず、さまざまな業界で人手不足が深刻化していると言えます。特にキャリア形成された優秀な人材の確保は難しく、給与や休日といった待遇面などに不満があればすぐにでも転職先を探すでしょう。そうでなくても病気や介護などで転職・退職を余儀なくされる人もいます。そのため、未経験者を一から育成しPMの資格を取得させたり、完全週休2日制や各種手当の支給など雇用条件を改善したり、転職サイトへの求人情報の掲載や定年退職したスタッフを再雇用したりと、人材確保のためのさまざまな手当が必要です。
将来のPM候補となる人材を確保するために、多数ある求人の中から自社に興味を持ってもらい、まずは応募と面接に繋ぐことが求められます。また、募集要項を見直したり、積極的にスカウトメールでアプローチしていくことも大切でしょう。
BPOを活用する
導入する企業が増えるBPOですが、どのような判断で業務を外部へ委託すべきなのでしょうか。くわしく見ていきましょう。
BPOする業務を決める
まずは問題になっている業務を明確にする必要があります。
ル-ティン業務からイレギュラー対応など、自社のコア業務を圧迫している業務についてを洗い出しましょう。
また、圧迫している業務にかかる人件費や管理費などのコストが、BPOを導入することでどのように変化するかも重要です。外部へ委託することで費用がかかることもありますが、コストダウンが見込める場合もあるでしょう。さらに、コア業務へ集中することで、売上や効率のアップなど、企業全体での大きな効果も期待できます。
ルーティン化されていない業務にBPOを取り入れる
イレギュラーが多い業務への対応には、時間と労力が必要です。BPOを請け負う企業では、経験とノウハウを生かしさまざまな手法で改善策やルーティン化が期待できます。
また、安定的な稼働が出来ていない業務は、ツールの見直しや新たな手法を取り入れるなど、業務の効率化も相談できるでしょう。
業務を丸ごと移管し、社員がコア業務に専念できる環境をつくり出すことが可能となります。
PM業務を委託することのメリット
PMは、プロジェクトの運営や品質、納期などに責任を持ち、円滑に業務を進める役割を果たす管理者です。PM業務を委託するということは、外部の労力を使う、特定の業務を委託するというだけではなく、業務の進め方や使用ツール、その業務に関わる人材育成といったことまでを外部企業に委託できることになります。
また、安定して能力のある人材に業務を遂行してもらえるため、プロジェクト期間中は高いパフォーマンスを継続的に発揮することができ、プロジェクトが円滑に進むだけではなく、業務の抜本的な見直しやチームの活性化などの効果も期待できるでしょう。
まとめ
人材不足や安定的な業務の遂行を目的に、BPOや派遣を導入する企業が増えています。
リソース不足など、自社での人員確保や業務の効率化を検討した際、どちらを活用すべきか悩む企業も多いでしょう。
BPOの導入か派遣の受け入れか、選定で失敗しないためには、まず現状の問題点を把握すること、そして新しい考え方の導入が重要です。
現在多くなっているPMの外部委託は、プロジェクトが円滑に進むだけではなく、業務の抜本的な見直しやチームの活性化・目的意識向上などさまざまな効果が期待できます。
効率的に外部のノウハウを導入し自社に根付かせ、企業収益を上げるためPMのBPOを検討してみてはいかがでしょうか。
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