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PMは外注する時代!?アウトソーシングで属人化するPM問題を解決

2021年4月6日 10:00 カテゴリー : BPO Times

近年、総務省は深刻化しているIT業界の人材不足のなかでも、高度なスキルと専門性を要するPM(プロジェクトマネージャー)不足解消に力を注いでいます。
PMが携わる開発プロジェクトのマネジメント業務は、多数の関係者うや関連部署との調整能力、管理能力が求められ、それらの仕事を社内の人材でまかなおうとすると、長時間労働が避けられないのが現状です。
また、業務内容も高度であることから、一部の人間しか作業ができないという「PMの属人化」が起こっているため、外注が得策ともいわれています。
今回の記事では、「属人化」の基本的な定義をはじめ、そのデメリットや解消方法、おすすめの外注企業を紹介しましょう。

【参考】「総務省|高度情報通信人材を育成する実践的なプログラム教材の開発」

属人化とは

ビジネス全般で「属人化」ということばを耳にする機会もあるのではないでしょうか。

まずはじめに、「属人化」がどのような意味で使われているのかを説明します。

属人化の意味

属人化とは、企業などにおいて、ある業務を特定の人が担当し、その人にしかやり方が分からない状態になることを意味する表現です。

批判的に用いられることが多く、誰にでも分かるようにマニュアルの作成など標準化するべきとされています。

なかには企画や設計、PM、開発業務など、属人化されているのが一般的といわれる業務もあります。

属人化と俗人化の違い

同じ読み方でも異なる意味で「俗人化」とういうことばがあります。

「属人化」は業務の特殊化を表すのに対し、俗人化は『ヒトの一般化』を表しています。

このことば自体は、一般的にあまり馴染みのない表現かもしれません。

しかし、「俗」を用いたことばで「世俗(的)」や「俗世界」ということばは聞いたことがあるのではないでしょうか。

俗人化は皮肉的に使用される場合が多く、ここでいう『ヒトの一般化』の例を挙げると、たとえば多くの日本人が「すみません」という謝罪のことばを頻繁に口にしたり、公共交通機関内では静かにするなど、大半の人々のとる行動や思考が一定であることをさします。

PM属人化の背景

そもそもPMが属人化されてしまう背景には、どのような理由があるのでしょうか。
具体的にみていきましょう。

高度な業務のため対応可能な人材が限定される

PMには高度なコミュニケーションスキルや、コストマネジメントスキルなどが必要です。司令塔としての全体的な管理をはじめ、クレーム対応や緊急メンテナンスなどには、迅速な対応が求められるため、「分かる人」が対応せざるを得ないことがあります。
その都度、情報を蓄積できればある程度までは対応できますが、内容がテンプレート化できないような特殊な条件や高度な知識を必要とする場合、やむを得ず属人化してしまうのです。

属人化によって自らの地位を守る

PMが己の業務をあえて属人化させることで、現時点の立場・地位・報酬を守ろうとするという場合もあります。
このようなケースが一般化してしている企業では、PMを中心に非効率な環境が生まれてしまいます。新しい社員を育てることも難しく、もし出来ても優秀な社員は、働きやすい職場を求めて離れていってしまうでしょう。
PMが属人化しているためにミスも見えづらく、評価が下がりにくいという理由から、担当者自身が属人化を改善しようとはしない悪循環に陥ります。

多忙のためレビューができない

PMには開発終了後にプロジェクトのレビューをおこない、今回の開発における問題点や改善点などを洗い出すという業務があります。
しかし、自身が多忙であるため、結果として属人化しているという背景も考えられます。
時間があればマニュアル作成もできますが、全体的な業務量から考えてそこに時間を費やすよりも、結果的に自分でやったほうが早いと判断する傾向になりがちです。

PM属人化のデメリット(問題)

PMが属人化すると、その業務に関する情報やスキルを一部の担当者だけが持っていることになるため、さまざまな問題が発生します。PMが属人化する背景を踏まえて、引き起こされるデメリットにはどのようなものがあるのか、確認していきましょう。

業務の効率が低下する

属人化した業務において、担当者が不在の場合は「分かる人がいない」ため、すべてストップしてしまいます。
業務が進まなくなることはもちろん、その担当者が急に退職してしまったりすると、対応可能な人材がほかにいないので対処することができません。

品質管理が困難になる

属人化している業務内容については、他の社員には共有されていないため、担当者以外の人間が詳しい状況を把握できません。
そのため、業務評価を下す管理職や、同じプロジェクトを連携してサポートする社員が業務の品質を確認することが難しくなります。

社内コミュニケーションが悪化する

PMが属人化してしまっている場合、それに対する不満があっても業務が分からないため、伝えることが困難です。
結果的に部署全体の風通しが悪くなってしまうケースがあるので、管理職や直属の上司にとってあまり良い状態とはいえなくなるでしょう。

PM属人化の解消方法

PMの属人化は、開発業務全体に影響を及ぼしてしまうこともあるでしょう。
前述の問題に対する解消方法をご説明します。

PM業務を外注する

PMはフリーランスとして、ひとつのプロジェクト単位で企業間を動くケースもあります。社内に常駐する人材が担当すると、どうしても属人化が避けらない場合、「第三者の視点」を求め、PM業務を外注することも有効的です。
特に必要とされるスキルや専門性が高度であるため、さまざまな案件に携わった経験豊富なPMへアウトソーシングすることで、前述の問題も発生しにくくなるでしょう。

責任を分散する

PMが属人化してしまう理由として、権限が集中しているために、当事者しか業務がおこなえないということがあります。言い換えると、「権限がない社員が改善に乗り出さない」という意味です。
業務の責任を分担して半強制的に改善に乗り出したり、プロジェクトに関わるメンバー全員でレビュー(振り返り)を行うことも有効です。
振り返りをおこなうことで、権限が集中している部分が見えてくるため、議題は自ずと属人的な業務に関する内容となるでしょう。

業務フローを可視化する

業務に属人的な部分がある場合、詳細が不明瞭なことが多くなります。
まずは全体の業務フローを洗い出して、どの部分がブラックボックス化しているかを確認しましょう。
業務別にフローチャートを作成した「見える化」も有効的な解決策です。

採用年齢を引き上げる

IT業界では深刻化するPMやエンジニアの人材不足に対して、採用年齢の上限を引き上げる措置をおこなう会社も増えてきています。
これまで35歳以上の採用を見送ってきた企業も、年齢相応のスキルや経歴がある人材であれば40歳以上のベテランでも採用するといったケースなど、年齢制限をなくす傾向にあります。
年下のPMが年上のPMに指示が出しにくい、年齢のわりにはスキルが足りていない、能力不足であるといった課題を回避するのには効果的です。

PM外注のおすすめ企業

PMの属人化を解消する方法として、外注が有効的であるとご説明しました。
以下ではおすすめの外注先企業をご紹介します。

Mamasan&Company株式会社

システム開発をはじめ、営業事務やコール業務まで幅広い分野を請け負う企業です。
クラウドワーカーが世界中で活動し、女性だけでなく、PM経験者やシニア層も多く活躍しています。
開発分野においては、保守運用までトータルでサポートしており、テスト・マニュアル作成のみといった部分的な外注も可能です。世界中のワーカーが密に連絡を取り合い、チーム力によるスピーディかつハイクオリティな開発業務が特徴です。

アデコ株式会社

人材派遣、人材紹介、アウトソーシングなど、コンサルテーションをベースとしたハイブリッド型の総合人材サービスを展開しています。
PM業務においても、即戦力となる専門性の高い優秀な人材を、タイムリーに効率よく採用することが可能です。専任のコンサルタントが要望にあった候補者を紹介してくれるため、定着率が悪いといった問題を解決し、高いパフォーマンスが期待できます。

株式会社パソナ

人材派遣を中心に、各分野に精通したグループ企業との総合力で、多彩な人材ニーズにマッチしたソリューションを提供しています。人材、業務の側面から最適なインフラを提案し、課題解決や人事戦略のサポート依頼も可能です。
PMとして必要なビジネススキル(積算表の作り方、業務工数管理、ロジカルシンキングなど)についても、定期的なフォローアップ研修があるため、質の良い採用活動に心強い企業といえます。

PMの悩みはアウトソーシングで解決

今回の記事では、PMが属人化する背景と問題点、解消方法などについてご説明しました。PMは、個人が持つ技術や経験が重要な職種であることは事実です。
技術の進歩や移り変わりが早い業界だからこそ、常に市場のニーズをキャッチし、スキルを高め続ける必要がある特性から、昨今では社内での人材育成は難しくなってきています。
属人化を解消するために業務をフローチャートで見える化し、属人化しているものを洗い出すという手法もご紹介しました。社員教育の重要性について認識してはいるものの、どのように取り組んでいいのか分からない方もいるでしょう。

この機会に、PMの外注も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

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