日本では1990年ごろから現在に至るまで、少子高齢化という社会問題が大きく取り上げられてきました。若い世代が減っているということは、それに比例し働き手、つまり労働力も下降しているということです。
IT業界も例外ではなく、「作業が多すぎて終わらず、社員がオーバーワークをしている」「もう少し人手があったら楽になるのに…」という企業も多いのではないでしょうか?
そのような仕事環境を改善する1つの手段として、社内業務の一部をアウトソーシングする、という方法が挙げられます。
そこで今回注目するのは、システム開発の業務です。システム開発系は扱っている企業も多く、アウトソーシングしやすいことが特徴です。
一般的なイメージでは大企業の方がアウトソーシングをより多く利用している印象があるかもしれません。しかし、じつは企業の規模に関係なく、自社のニーズに合ったサービスを受けられるのがアウトソーシングの魅力です。
それでは、システム開発の外注先としておすすめの企業や注意点について詳しく見ていきましょう。
IT業界の人手不足
人手不足はどの業界でも直面している、早急な解決が必要とされる問題です。IT業界も他業種と同様で、IT業界離れが大きな課題となっています。IT人材白書2018によると、人手不足を感じているIT企業は全体の66.5%にも及びます。さらに、一部で不足をしているという回答を含むと、全体の90.9%の回答者が人手不足だと感じていることが分かります。
では、慢性的な人手不足が続くIT業界の現状についてご説明します。
参考:IT人材白書2018 IT人材動向調査 https://www.ipa.go.jp/jinzai/jigyou/back.html
過酷な労働環境
「きつい・帰れない・給料が安い・規則が厳しい・休暇がとれない・化粧がのらない・結婚できない」という「7K」のイメージを持たれています。そのくらい一時期は労働環境が過酷だったのです。今は大分改善されてきたとはいえ、労働改革やライフ・ワーク・バランスの重要性が叫ばれている昨今では、そのようなイメージの環境で働こうという人は少ないでしょう。
新卒就職者の減少
新卒者は給料や待遇が良く、ネームバリューがある企業や他の業種に流れる傾向が強いです。また大学の情報系学部・学科や情報系専門学校の人気も低迷しています。
転職によるIT業界離れも進む
IT業界から離れる現象は新卒者だけではなく、転職者にも同じことが言えるでしょう。業界外への転職理由として、給与と労働時間が大きな原因として挙げられます。また30代以降の人の中には、出産・育児・介護などと仕事の両立が難しいというケースも見受けられます。
アウトソーシングの増加
総務省の統計では、2017年時点でアウトソーシングを導入している企業の割合は13.9%でしたが、対して2018年には19%まで伸びました。政府主導のアウトソーシング導入推奨の動きもあり、世間での認識率も近年高くなっています。
参考:総務省 通信利用動向調査よりhttp://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/190531_1.pdf
アウトソーシングのこれまでの推移
アウトソーシングの始まりは1970年代のアメリカです。日本では1980年代に実験的に開始され、その後、通信網や通信機器の普及とともに徐々に成長してきました。
少子高齢化に伴う労働力を補う役割
アウトソーシングは、少子高齢化にともなう若い労働力の減少にも一石を投じる役割があると期待されています。また一部の業務を外部に委託することでリソースを確保することができ、社内ではよりコアな業務に集中するための環境を作る助けとなります。
IT業界でのアウトソーシングの増加
IT業界でも、アウトソーシングを活用する動きが近年見られるようになってきました。多様な業務の中から必要なものをピックアップして外部に委託をするのです。それにより人材不足の解消や生産性の向上、また外部のスキルによる業務クオリティの向上などが期待できます。また近年は国内外、複数の国へアウトソーシングを出すことも増えてきました。
【関連記事】「開発人材不足の救世主!ママIT人材外注のススメ」
https://mama-sun.com/jp/bpotimes/1015/
アウトソーシングの注意点
メリットがあると同時に、アウトソーシングには注意しなければならない点もあります。委託する際には、あらかじめ全てをクリアにしておくと良いでしょう。では、注意点について詳しくご説明します。
ニーズに合致する委託先を探す
ニーズに合った技術力や管理能力を持った理想の発注先を選定するのは、簡単ではありません。また、アウトソーシング会社それぞれに得意分野があり、設定金額や提供されるサービス内容も多岐にわたります。そのため、業務内容や金額などを精査することが必須です。
緊急時の対応
コミュニケーションは主にオンライン上や電話でします。同じオフィス内で働くのとは違い、何か緊急の事態が起こっても対応が遅れる場合があるということを理解しておかなければなりません。
情報漏えいのリスク
社内の人間に加え社外の人間が多く関わり、情報を持ち出して作業をすることで、情報漏えいのリスクは確実に上がります。事前に情報に関する契約書を交わしたり、プライバシーポリシーのしっかりしている企業に依頼するなどの対策が必要です。
おすすめ企業
システム開発のアウトソーシングを提供する会社は全国に数千社あります。その大量の選択肢の中から自社のニーズにマッチした会社を探すのは大変です。今回は、近年注目されている5社をご紹介します。
Mamasan&Company株式会社
2006年に設立されたさまざまなアウトソーシングサービスを提供している企業です。日本国内外のエンジニアが安心・安定のサービスを迅速かつ確実にお届けします。大きな開発から、ちょっとした代行業務まで、幅広い開発を依頼することが可能です。丁寧なヒアリングでプランを作ってくれることも魅力です。
主な開発実績は下記のとおりです。
・Webアプリケーション開発
・スマートフォン用のアプリケーション開発 など
東京システム開発株式会社
1987年に設立した東京都港区に本社を置くシステム開発会社です。Webアプリや組み込み系のソフトウェアの開発を得意とし、幅広い領域でシステム開発を手がけています。ある1つの分野だけに特化することなく、幅広いニーズに対応できるのもこの企業の強みです。
主な開発実績は下記のとおりです。
・電子文書管理システムや資格審査システム
・メガバンクの業務システムの開発
・人事・給与システムの開発 など
株式会社テイジイエル
1984年に大阪府大阪市にて設立されたシステム開発会社です。主な事業内容は、システム開発・ソフトウェア開発で、ITアウトソーシングやコンサルティングなどのシステム関連サービスを展開しています。業務システムから組み込み系・制御系システムまで幅広い分野の開発をおこなっています。
主な開発実績は下記のとおりです。
・高速道路料金所遠隔監視システム
・環境ガス分析装置
・オーダー受付サイト など
株式会社 報徳情報技術
2006年に設立された比較的新しい愛知県名古屋市にあるシステム開発会社です。主に、ソフトウェア・パッケージの開発、スマートフォン・タブレット向けアプリの開発などをしています。地元愛知県の企業との実績が豊富です。コミュニケーションの課題にもしっかりと対応してくれるので、信頼度は高いです。
主な開発実績は下記のとおりです。
・WEB・スマホアプリの開発
・WEBページ作成
アイテレス株式会社
福岡県福岡市にて2007年に設立されたシステム開発会社です。システム・アプリ開発やITコンサルティングをおこなっています。また、子ども向けプログラミングスクールも運営している会社です。長く付き合ってくれる中小企業に初期費用無料プランを用意するなど、地元密着型で良心的な企業だと言えるでしょう。
主な開発実績は下記のとおりです。
・福岡試写会情報サイト
・広告管理システム
・着荷確認ツール
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今後IT業界の人手不足はますます加速すると予想されています。労働力の確保や、社内人員の負担軽減をすることは、早急に取り組むべき課題だと言えるでしょう。
その際の1つの手段として、アウトソーシングなど外部からのリソースを上手に活用するのがおすすめの方法です。委託内容や金額などを精査し、ぜひ自社にマッチするアウトソーシングサービスを提供する会社を探してみてください。
この記事は役に立ちましたか?
ご不明点がございましたら、
以下のフォームにてお気軽にお問合せください!
記事についてのご質問
この記事について、あなたの「もっと知りたい!」にお答えします