「働き方改革」の施行に伴い、厚生労働省は柔軟な働き方の実現に向けてテレワーク導入に対する様々な取組みを実施しています。
ライフ・ワーク・バランスを整えることによるメリットが重要視され、より個人が自分らしく働く環境を整えるための支援の充実が進められているでしょう。
テレワークを気にしてはいるけれど「そのうち考えればいいか」と思っている企業も、なぜ厚生労働省がテレワークを勧めるのか、その理由と具体的な施策、そして既に多くのテレワーク導入実績を持つ企業の例をご紹介します。
なぜ厚生労働省はテレワークを勧めるのか
「働き方改革関連法」が、2019年4月から順次施行されています。
いわゆる「働き方改革」は、多様な働き方を可能にする社会を目指して、政府の重要政策のひとつに位置づけられています。
ではなぜ、多様な働き方を可能にしていく必要性があるのでしょう。
避けられない労働力不足問題
2008年をピークに減少し続けている日本の人口は、将来的に労働人口が減ることを意味し、労働力不足が避けられないことを意味しています。
労働力不足を解消するため、出生率の上昇を目指し「働き方改革」で働き手を増すことが、働き方改革実現のために厚生労働省がテレワークを勧めている1つの要因と言えるでしょう。社会的な背景をさらにひも解いていくことで、なぜテレワークが勧められているのかが見えてきます。
【参考】
「内閣府‐人口・経済・地域社会の将来像」
「ワークライフ憲章」
優秀な人材の採用と確保
仕事と育児や介護との両立等、多様化している働く人のニーズに応えることで労働人口を確保するという大きな目標を実現するための有効なツールとして、国を挙げてテレワークが勧められています。
たとえ能力の高い人であっても、出産や介護で今まで退職を余儀なくされていました。テレワークの導入は、働く時間や場所を限定しないことで、環境などに捉われず多くの人材が労働力として見込めることでしょう。
貴重な働き手を活躍する環境を企業が整えることは、これからますます重要になります。
一極集中のリスクを分散させる
例えば自然災害が発生し、台風や大雨など危機的状況の中で、社員が出社できないことがあったり、帰宅困難になる可能性を想定しておくことも大切です。
自宅のほか、そのときに居る場所からPC・タブレット等でインターネットを活用しながら、社員同士で連絡を取ることができれば、安否確認できるうえ、どのような状況であっても可能な限り業務を遂行することが可能になります。
ワーク・ライフ・バランスの実現
厚生労働省がテレワークを勧める理由の重要なカギである「ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の実現」について考えてみましょう。
ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)とは
仕事は暮らしを支えるという大きな目的があり、生きがいや喜びをもたらします。しかし同時に、家事や育児、地域の中での付き合いなど個人の生活も欠かすことのできない要素であり、生活そのものが豊かで満ち足りてこそ、生きがいや喜びは何倍にも増えていきます。
しかし現実は、そもそも安定した仕事に就けず経済的に自立することができない、または、仕事に追われて心身疲労から健康を害しかねない、さらには仕事と育児や介護との両立に悩む等、仕事と生活の間で問題を抱える人が少なくありません。
このような問題は、働く人々の将来への不安や豊かさを実感できない要因となっていると考えられ、少子化や人口減少の要因のひとつに繋がっていると考えられています。
ワーク・ライフ・バランスの実現は、これらを解決する取り組みなのです。
ワーク・ライフ・バランス実現の3つの柱
ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の実現には、大きく3つの柱を理解することが重要です。
■「就労による経済的自立」
経済的自立を必要とする人、とりわけ若者がイキイキと働くことができて経済的に自立可能な働き方ができると、結婚や子育てに対して希望を見出すことができ、暮らしの経済的基盤が確保できます。
■「健康で豊かな生活」
長時間労働を改善し、働く人の健康が保たれることが必要です。すると、家族や友人との充実した時間や、自己啓発、地域活動への参加が可能となり豊かな生活を送ることができます。
■「多様な働き方・生き方の選択」
年齢や性別に関わらず、どのような人でも意欲的に様々な働き方や生き方に挑戦できる機会が提供されることです。育児や介護が必要な時期など、個人の置かれたそれぞれの状況に応じて多様で柔軟な働き方を選択することができ、公正な処遇の確保が必須といえます。
【参考】「内閣府_仕事と生活の調和推進室」
社会全体でワーク・ライフ・バランス推進するために
社会全体で推進するためには、国や地方自治体、経済界、労働界等が力を合わせ、それぞれの役割を果たすことが重要です。
経済界、労働界、地方自治体、有識者、関係閣僚による「仕事と生活の調和推進官民トップ会議」が設置され「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」及び「仕事と生活の調和推進のための行動指針」を策定し、各主体が連携して推進する体制が整えられています。
「雇用」「労働」に関する行政機関である厚生労働省では、柔軟な働き方がしやすい環境整備としてテレワークの普及促進のための施策を行っています。
テレワーク普及促進のための厚生労働省施策
ICT(情報通信技術)を活用して、時間や場所にとらわれず柔軟に働く方法として有効なテレワークについて、厚生労働省で行われている施策を見ていきましょう。
ガイドラインの策定
厚生労働省では、企業に雇用される労働者が行う「雇用型テレワーク」について、適正な労務管理下で良質なテレワークを普及促進するためにガイドラインを示しています。
ガイドラインでは、労働基準関係法令の適用に関する留意点や、テレワークにおける労務管理の留意点が明示されています。
特に、長時間労働を防ぐ手法や「モバイル・サテライト(企業が本社から離れた場所に設置するオフィス等)」といった在宅勤務以外の形態にも対応している点がポイントです。
【参考】「情報通信技術を利用した事業場外勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン」
テレワーク相談センターの設置
厚生労働省の委託事業として、テレワーク相談センターが東京都内に設置されています。
テレワークの導入や実施時の労務管理における課題等についての質問に応じてくれるばかりでなく、テレワーク導入を検討する企業に対して、訪問によるコンサルティングも実施しています。
テレワーク相談センターのサイトでは、導入の大まかな流れや導入事例によくある質問等、検討中の企業にとって参考になる情報が多く載っています。
【参考】「テレワーク相談センター」
助成金について
厚生労働省は、テレワークに取り組む中小企業事業主に対して、実施に要した費用の一部を助成しています。
時間外労働等改善助成金(テレワークコース)
労働時間や有給休暇等の規定をより良いものにしていくこと、並びに仕事と生活の調和を推進するため、テレワークに取り組む中小企業事業主に対して、実施に要した費用の一部が助成されます。
テレワーク導入・実施に関して規定の取組みを実施し、成果目標の達成状況に応じて最大補助率4分の3が支給されます。
対象となる中小事業主にとって、テレワーク導入の一歩を後押ししてくれる大きなサポートと言えます。
【参考】「厚生労働省_時間外労働等改善助成金(テレワークコース)」
テレワークを導入している企業から学ぶ
実際にテレワークを導入するにあたり、ノウハウを持つ企業から学ぶことは非常に有効です。既に多くの実績を持ち、確実に成果を挙げている企業をご紹介いたします。
10年以上の実績を持つMamasan&Company株式会社
Mamasan&Company株式会社は、妊娠・出産や育児、介護に家族の転勤等々、これまでのキャリアを中断せざるを得ない事情を持つ国内外のテレワーカーが在籍しています。
経理、採用代行、データ入力といったバックオフィス系業務や、受発注業務にコールセンター業務、システム開発や保守・運用やWebサイト管理・DTP等のクリエイティブ業務をBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)で請け負っています。
遠隔でパソコンを共有できるツールやオンライン通話ツールを使って行う業務ヒアリングを元に業務分析され、各企業に最適な業務の進め方の提案も可能にしている点が特徴です。
膨大な実績によるノウハウでテレワーク導入を徹底支援
組織化されたテレワーカーが業務対応し、多種多様な業種を超えて人手不足の解消だけでなく「売上と人件費のバランス」の改善をサポートとしてきたMamasan&Companyは、テレワーク導入のノウハウがない企業であっても、確実に導入・実施し結果を出す支援を行っています。
また、労働環境の整備だけでなく働き方に変化が及ぶ従業員のコーチングも得意としているため、スムーズなテレワークへ導入を可能にしています。
テレワークを検討している企業向けセミナーを積極的に開催
インターネット上で得られる情報だけではわからないテレワーク導入のリアルな実情は、現場をよく知る人から直接見聞きすることがいちばんです。
Mamasan&Companyは、各分野の専門家によるセミナーを定期的に開催しています。
具体的な導入例や最新情報を得られる貴重な機会へ足を運ぶことで、テレワーク導入がスムーズに実現し、生産性の向上に繋がるでしょう。
まとめ
人生を充実させるためには、仕事だけでなく個々人の生活がより良いものでなければなりません。日本の高齢化社会、少子化に伴う労働人口の減少が避けらない今、そこで働くひとりひとりのワークライフバランスを整える環境整備に国が大々的に取り組んでいます。
この機会に企業も今後の在り方を見直し、既に大きな実績を持つ企業や助成金を大いに活用して個人にも企業にも最適な働き方の手段であるテレワークを実践していきましょう。
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