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優秀な正社員を守る!テレワークでキャリアをつなぐ方法とは?

2019年12月25日 18:27 カテゴリー : BPO Times

通信環境の向上とともに、よりテレワークは身近なものとなりつつあります。少子化が進み働き手が減るであろうことに加え、働き盛り世代が育児や親の介護、自身の怪我や病気で第一線から退くといったことも珍しいことではありません。

こうした、さまざまな事情を抱える正社員をすくい上げ、業務を続けて貰うことを可能にするのがテレワークという働き方です。

テレワークは通勤や移動時間の削減はもちろん、業務の効率化や、個人の事情に合わせたフレキシブルな勤務形態も可能となります。今いる正社員を囲い込み、また、家庭に埋もれた人材の発掘を行うため、テレワークのおさえるべき課題を踏まえながら導入について前向きに検討していきましょう。

雇用か委託か?テレワークが繋ぐ企業と個人

テレワークの雇用形態には大きく分類して、雇用型と業務委託型に分けられます。つまり、テレワークを行う就労者を、自社の従業員として抱えるか、外部委託者として対等な立場で契約するかに分けられると言ってもよいでしょう。

雇用型テレワーク

事業者と雇用契約を結んだ労働者が自宅など、会社以外で働くテレワークを「雇用型テレワーク」といいます。雇用型テレワークには大きく分類して、自宅でのテレワークを行う「在宅勤務型」、営業業務など、外出先でスマホやタブレット、ノートPCなどを利用して行う「モバイルワーク型」、サテライトオフィスなどを利用したテレワーク「施設利用勤務型」などがあります。

業務委託型テレワーク

業務委託という形で社外に外注するテレワークを「業務委託型テレワーク」といいます。成果に対して報酬を支払うので、雇用型テレワークと異なり労務管理などの煩わしさはありません。しかし、本来の業務委託は、業務する時間を指定できないため、自社で社員を抱えるほうが就業時間内に合わせた臨機応変な対応が可能になることもあります。

テレワーク雇用の現状

日本のテレワーク導入率は、平成29年では13.9%と欧米と比較してかなり低い水準で推移しています。導入が進まない理由には、セキュリティへの不安、業務のコミュニケーション不足への懸念、不透明になる労務管理、業務分担の難しさなどさまざまな理由があります。

しかし、少子高齢化に歯止めがかからない今、子育てや介護、病気や定年などで休職、退職を余儀なくされた人材を再びすくい上げ、労働力とする必要があります。その一助となるのがテレワークという働き方なのです。

【出典】総務省「平成29年通信利用動向調査の結果」

雇用型テレワークの働き方

前述したように雇用型テレワークは在宅勤務型、モバイルワーク型、施設利用型勤務型の3つに大別できます。いずれの形態も、通勤や移動時間を減らせ、個人の働き方に合わせて就業時間を調節ができ、より効率的に業務を行うことが可能です。

また、プライベートと仕事の両立がしやすくなるので、何らかの事情を抱えている人が退職、休職せずにすみ離職率の軽減も期待できます。

業務委託型テレワークの働き方

労働者としての雇用契約ではなく、企業と対等な立場の取引先として働く自営業の働き方です。企業の業務を「請け負う」という形なので、労働時間ではなく請け負った仕事の完了件数などの「成果」で報酬が発生してきます。

雇用されているわけではないので、時間を拘束されない代わりに、各種社会保障などは個人で用意する必要があります。現在、在宅型のテレワークというと雇用型より業務委託型のものが多いのが現状です。

テレワークの導入の課題

テレワークには利点も数多くありますが、課題も残ります。雇用型のテレワークは姿の見えないリモート社員がきちんと業務を行っているかの労務管理が必要となります。

また、通勤している社員が不公平感を感じない適正な人事評価ができるか、社内コミュニケーションは取れるのか、などなど、さまざまな課題をクリアしていかなければなりません。

成果型の業務委託型のテレワークにおいても、コミュニケーションの充実や成果物に対しての評価などの課題があります。

正社員を囲い込むテレワークという手法

正社員でのテレワークは、徐々に認知度を高め、実際に導入する企業も増えつつあります。テレワークを取り巻く環境や背景を踏まえ、テレワーク化がより顕著な職種やテレワークにおける課題に触れていきましょう。

社員のテレワーク化が求められる背景

正社員のテレワーク化を進めるにあたって、一番のメリットは離職率を下げられることでしょう。昨今は、少子高齢化による一人っ子世帯が増え核家族化がすすみ、育児や介護の負担が働き盛りの従業員に重くのしかかるようになりました。

また、怪我や病気による離職や休職も起こりえます。そのような時、テレワークという時間や場所を問わないフレキシブルな働き方が、社員の離職を防ぐ大きな役割を担うようになっているのです。

テレワーク化が進む職種や業務

基本的にテレワークは、常態的に顧客の対応が求められる店舗型の接客業、現場での作業が必要な工場や建設現場の作業員などを除けば、多くの職種に対して導入が可能だとされています。その中でも、特にテレワーク化が進んでいる職種に対してスポットをあてていきましょう。

■営業業務
顧客先を直接訪問し商談を行う営業業務は割と早くからテレワークが進んでおり、顧客先への直行直帰を認めている会社も数多くあります。移動の多い営業職は、商談の合間の隙間時間にリモートで、報告書の作成などの事務業務を行うことでより効率よく業務を進めることができます。

■ライティング、デザイン、システムエンジニアなどの専門業務
基本的に1人で作業することが多い専門業務は、作業時に雑事が入らないリモート環境のほうが業務効率が上がることもあります。

■定型業務
帳簿記帳や給与計算などルールに則って行う業務は、在宅で行いやすい業務となります。
営業サポートである発注書や見積もりの作成、人事業務の勤怠管理なども定型業務に分類されます。

テレワーク化に向けた課題

テレワーク化にはいくつかクリアすべき課題があります。ポイントは、管理とコミュニケーションです。これらを解決しておかないとテレワークはうまく機能しませんので、導入時には慎重な検討が必要です。

■勤怠管理・人事評価方法の策定
営業業務の社員は、商談内容の報告書が業務内容として確認ができますが、事務や総務などのデスクワークでのリモート業務は労務管理が難しいとされています。実際に仕事をしているかどうか直接確認ができないからです。

労務管理用のツールも多く提供されていますが、運用する労働者による自己申告になるため、管理を含めた人事評定を明確にする必要があります。会社によっては、テレワークが認められるのはセルフコントロールができる社員のみとなっているところもあります。

■業務連絡等のコミュニケーション方法の確立
同じ社内で業務を行う場合に比べて、テレワーカーは情報共有をするために積極的な働きかけが必要となります。しかし今は、メールや電話でのコミュニケーションが主流だったころに比べ、グループチャットやテレビ会議などといったネット上でのミーティングや情報共有するためのツールも充実しています。

テレビ電話を利用し、常にモニターで互いの姿が見えるよう環境を整えている企業もあります。この方法は、会社からはテレワーカーが何をしているか確認でき、テレワーカーも孤立感を軽減できる良い方法ではないでしょうか。

就労者のより良い人生のために企業ができること

テレワークは、個々人の人生のステージに合わせた働き方を支援できる一つの方法だといえるでしょう。人口の増加が期待できない日本の現状においては、就労人口の確保のためにも働ける人はできるだけ働くことが必要になります。「働き方改革」の目的の一つである、労働者の持続的で健康的な就労を目指すためにも、テレワークに期待される今後の役割は大きいものです。

長時間労働の是正

長時間労働が続くと労働者の健康リスクがあがり、心身の病気やひどいときには過労死を引き起こしかねません。テレワークを利用することで通勤や移動の時間を減らせ、実質の拘束時間を減らすことが期待できます。

業務の分担・効率化

長時間労働を是正すると、今度は業務で人手不足が起こります。長時間労働を是正しようとするならば、同時にアウトソーシングも視野に入れた業務の分担や業務の統廃合を行い無駄をなくす必要が出てきます。

柔軟な働き方

育児、介護、闘病など人生にはさまざまなステージがあります。そのたびに、退職を繰り返さなくてはならないのは、労働者にとっても大きな負担になりますし、キャリアをそこで閉ざされることにもなります。会社としても、有用な人材、育成した人材をみすみす埋もれさすのも避けたいところです。そうした両者をつなぐのが、テレワークという働き方なのです。

まとめ

会社が正社員のテレワーク導入を検討する動機として、人材の採用・確保・流出防止、社員のワーク・ライフ・バランス実現、社内事務の迅速化、通勤・移動時間の短縮などが考えられます。導入動機のメリットを充分に活かすために、会社はテレワークのデメリットである労務管理や社内コミュニケーションなどの課題を充分に検討しなくてはなりません。

テレワークを実現させるにあたって、現在はさまざまなツールやサービスが数多く存在します。こうしたツールやサービスを有効に活用し自社の内情に適したテレワークを前向きに進めましょう。

正社員をテレワークさせることによって、社員の人生に寄り添った働き方を提案することが可能になります。テレワークは社員と会社を末永くつなぐ有効なツールとなりえるのです。