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テレワーク制度の有無は採用にも影響あり!近年のワーカー動向

2022年7月13日 12:00 カテゴリー : BPO Times

社会と新型コロナウイルスの共存が求められるようになり、緊急措置的な「外出自粛要請によるテレワーク」は終わりつつあります。しかし、コロナ禍の影響とはいえ、一度制度として導入されたテレワーク制度をそのまま継続する企業も少なくありません。また、度重なる外出制限や経済不安などから、ワーカーの仕事に対する認識にも様々な変化が現れました。この変化は、企業がどのようなスタイルで事業を継続させるかを占う上でも見逃せないものとなっています。

今やテレワーク制度の有無は、求職者にとっても重要視する大きな要素の一つです。近年の求職者の認識やテレワークが企業にもたらす採用面でのメリットについて見ていきましょう。

コロナ禍で広がったテレワーク!ワーカーの評価は

新型コロナウイルスが流行したことでテレワークは急激に広がりました。そのままテレワークを継続するかどうかは各企業の判断によって異なるものの、一度テレワークやコロナ禍を体験した多くのワーカーは、働き方に対する認識が変化しています。

コロナ禍で変化したテレワークへの認識

リクルート調べによるとコロナ禍の影響でテレワークを経験した被雇用者は東京都で71.1%、大阪府で64.0%、神奈川県で63.8%、それ以外の都道府県では38.5%と、都心部と地方で開きはあるものの今までにはないほどテレワークが浸透しました。

テレワークには様々なメリットがあります。通勤時間の削減や家庭事情に合わせた就業時間または業務量の調整、さらに業務そのものの効率化が可能です。雑務や会議も必要最低限に絞られ、一人ひとりの時間が有効活用されるようになったでしょう。

テレワークを経験した人は、こうしたメリットを実体験として理解したはずです。そして、テレワークでも問題ない業務が意外に多いことが分かったのではないでしょうか。実際に緊急事態宣言解除後も自由にテレワークを選択できるようになった66.1%の人が良かったと回答しています。

【参考】株式会社リクルート「新型コロナウイルス禍での仕事に関するアンケート」

テレワークが抱える課題

もちろんテレワークにデメリットがないわけではありません。コミュニケーション量の減少によって行き違いが生じたり、業務やスキルの継承がうまくいかなかったり、ワーカーのメンタルに不調をきたすなど、トラブルが起こることもあります。また、在宅勤務の生産性に対する不信感から、電気自動車大手であるテスラ社のようにテレワークを一切禁止する企業もあるほどです。製造業であるテスラ社が業種的にテレワークに向いていないということもありますが、このニュースに対する反応からも多くの経営者がテレワークについて懐疑的なことが伺えます。

テレワーク制度の有無は採用活動にも影響あり

しかし、テレワーク制度が浸透し経験したことで、転職希望者がテレワークの有無を重視するようになりました。新卒求職者もリモート授業で慣れているため、テレワークへの忌避感は少ないでしょう。企業におけるテレワーク制度の導入動向と求職者が重視する項目の変化を見ていきます。

テレワーク制度を引き続き実施する企業が増加中!

外出自粛などの制限がなくなり、必ずしも業務をテレワークで行う必要はなくなりました。しかし、半ば強制的とは言えテレワークが浸透したことで、制度として運用していく下地ができたとも言えます。内閣府の調査では、テレワーク実施している企業が全国平均でコロナ禍前の10.3%から2021年9月の32.2%に増加していることからも、テレワーク導入の流れは続いていることがわかります。

【参照】第4回 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査

変わる転職希望者の重要項目

仕事選びの重視項目もコロナ禍前と後では大きく変化しています。その中でも、コロナ禍前と比較して急上昇している項目は、「給料の高さ」15.0%増の47.4%、「テレワークが認められている」14.4%増の21.9%、「副業が認められている」10.8%増の18.3%の3つです。これは新型コロナウイルスが及ぼした雇用への不安感から、一人ひとりが自立した働き方やプライベートを重視した、より柔軟な働き方を求めるようになったことの表れだと考えられます。企業は雇用の確保や有事の際に人材シェアリングとワークシェアリングで雇用を守るという観点からも、ワーカーのこうした要望に応えていく必要があるでしょう。

新卒求職者もテレワーク制度を重視!

コロナ禍の中で学生時代を過ごした新卒求職者のおよそ6割が、会社を選ぶ際にテレワーク制度の有無を重視しています。しかし、完全なテレワークを望むというよりは、外出制限時や交通機関が止まった時はテレワークで、重要なミーティングや研修などの場合は出勤するなど、状況によって働き方を選択できるハイブリッドなスタイルが人気のようです。

【参考】就活で「テレワーク」重視は6割 入社後の人間関係構築には不安も

テレワーク制度は企業の雇用確保にもメリットが

テレワーク導入のメリットはワーカーに限ったことではありません。人事採用に有利に働くことはもちろんですが、人材確保や業務の継続という観点からも大きなメリットが考えられます。

転職・退職を防ぎ雇用の維持が可能に

コストをかけ採用し育成した人材が定年まで働いてくれるとは限りません。結婚や出産、親の介護や自身の病気、配偶者の転勤など会社を辞めざるを得ない状況はいくらでもあります。テレワークは、事情を抱えた優秀な人材を自社にとどめるための手段の一つです。一から新人を教育するより、業務量を落としてでも雇用をつなげたほうが企業としても望ましいこともあります。

業務の効率化にもつながる

リモートワークが浸透することで様々な業務がオンラインで完結できるようになりました。
勤怠管理システムや経費精算システムなどの様々なクラウド型サービスの活用で、バックオフィス業務にかかる工数も減っています。また、リモートワークが進むことで過剰な会議やそのためのプレゼン資料作成の見直しも進み、より生産性の高い業務に注力することも可能です。

災害時のBCP対策の一つとしての役割

新型コロナウイルスが流行したことで、改めてBCP対策の重要性が再認識されました。災害などの緊急事態に強い環境を作るため、作業環境の分散化は大いに役立ちます。電気とネットワークさえ無事なら、外出自粛や交通網の断絶などの際も業務を問題なく進めることが可能です。例え、一部の地域で業務ができなくなっても、そこ以外の場所から作業を行うことができます。

自由な働き方が求められる時代に

テレワークの生産性を疑問視する声はありますが、多くの働き手が柔軟な働き方を望んでいます。テレワークの是非はともかく、求職者がテレワーク制度を重要視するようになった今、企業としてもテレワーク体制を整えておく必要があるでしょう。いつでもできるという体制と実績を作っておくことで、いざという時の大きな助けになります。求職者のニーズに応え長く自社で活躍できる人材を確保するため、選択肢の一つとしてテレワークを選べる体制作りをしていきましょう。

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