2018年の「モデル就業規則」改定、2019年の「働き方改革法」施行などにより、多様な働き方への関心が高まってきています。それに伴いここ数年で、テレワークに関心を持つ企業や実際に導入している企業が増えてきました。
テレワークの導入にもメリット、デメリットはありますが、導入した企業では、業務の効率化や可視化が大幅に進み、業務改善に大きな成果をあげています。
そのようなテレワークの動向のなか関心を持ちながらも、テレワークの導入に不安を抱えている企業もたくさん存在することでしょう。
ここからは、実際のテレワークの動向と一般的な導入手順を交えて、導入推進にお悩みの企業向けに、【テレワーク導入支援サービス】による問題解決についてご紹介します。
テレワーク導入推進の背景
テレワークの導入が推進される背景には、IT技術の進歩や、人手不足からくる就労形態の変化が大きく影響しています。
政府の計画では、2020年までに、
① テレワーク導入企業数:2012年対比3倍:2012 年 11.5% ⇒ 2020年 34.5%
② テレワーク制度などに基づく雇用型テレワーカーの割合:全労働者数の10%以上
を目指しています。
では、具体的にテレワーク導入を推進するためにどのような動きがあるのでしょうか?
【参考】「世界最先端IT国家創造宣言」
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/pdf/20130614/siryou1.pdf
多様な職場環境の実現
テレワークは、以前は雇用の福利厚生としての見方が非常に強い傾向にありました。
しかし、最近では、多様な働き方による選択肢のひとつとして、人手不足解消、業務効率化の手段として大きく認識が変わってきています。
デジタル技術の活用
紙の媒体による書類管理からペーパーレス化に移行してきており、最近ではクラウドでの契約書管理や請求書などの経理伝票の保管も認められてます。
また、プレゼンス機能(働いている状態を表示する機能)を標準搭載したチャットツールやTV電話アプリ、WEB会議サービスなども世の中には出回っており、スマートフォンの普及に伴い、テレワークでも十分にコミュニケーションをとることが可能になりました。
組織体制の変化
テレワーカーの過重労働対策として、パソコンのログオン・ログオフ時間がログ監視ソフトに記録され、労働基準監督署の監査に使われるなど法整備も進んでます。
また、トップダウンの縦社会の組織構造から、チーム制による横の繋がりやボトムアップ型のマネージメント体制を採用する企業もでてきました。
【関連記事】「テレワーク導入による経験豊かな人材の外注」
https://mama-sun.com/jp/bpotimes/239/
【参考】「日本テレワーク協会の7つの提言」
テレワーク導入のメリットとデメリット
テレワークでの働き方には、デジタルツールを利用した生産性の向上や無駄な移動時間などを削減することによる業務投入時間の向上などたくさんの効果が派生します。
ここでは、従業員、企業のそれぞれの立場を踏まえてメリット・デメリットをみてみましょう!
テレワーク導入のメリット
従業員の立場からは、
・通勤ラッシュのストレスから解放される
・子育てや介護などの時間を確保しながら仕事ができる
・自分のペースで仕事ができる
企業から立場からは、
・BCP(事業継続計画)対策によるリスク回避の実現できる
・優秀な人材の確保が維持できる
・アナログ的な業務からデジタル化による業務効率化が図れる
・スピーディーな情報連携による生産性向上が見込める
などがあります。
その他、人材採用の面でも「在宅勤務制度あり」と募集要項に記載したことにより、新入社員の応募率が上昇した、有能な社員の離職が低減したなどの効果も検証されています。
テレワーク導入のデメリット
従業員の立場から、
・がんばっても努力している状況が見え辛く評価されにくいことがある
・自己管理が必要で一人作業が多く孤独を感じることがある
企業の立場からは、
・リモート環境の維持コストが発生する
・勤務状況が見えず労働時間などの管理がしにくい
・ネットワーク環境に接続するために情報漏えいなどのセキュリティーリスクが伴う
などがあります。
しかし、徐々にテレワークの就業モデルや安価なクラウド環境も出始めていますので、今後、このようなデメリットも改善に向かうことでしょう。
テレワーク導入の流れ
2016年に「情報システム担当者のための テレワーク導入手順書」が総務省から刊行されています。
ここでは、手順書を元にポイントを絞ってテレワーク導入の流れについて解説します。
【テレワーク導入手順書 – 総務省】
テレワークの導入目的を明確化する
テレワークを導入する目的には、
・業務効率化による生産性向上
・優秀な人材の確保と人手不足解消
・BCP(事業継続計画)対策
・属人化した業務の可視化
などさまざまですが、目的を絞らずに全ての面を網羅した導入計画を立てると、本当に必要とする事象が見えなくなってしまいます。導入を検討する際には、導入効果と実現する意義のバランスがとれた検討が必要です。
対象範囲の選別と導入計画
導入にあたっては、 業務の可視化、効率化の効果が大きいものから優先的に対応していく必要があります。
紙などのアナログ媒体を電子化し集計業務などの自動化を図る、業務をシステムで共有するなど、導入を機会に業務効率化すべきところも見えてくるでしょう。
ただし、現行のルールを大きく変更するのではなく、業務の効率化が可能なところから、試験的に導入を開始することをおすすめします。
就業規則などの改定
テレワークを導入するためには、就業規則などの社内ルールの見直しが必要です。
一般的には、次の3つを就業規則に盛り込む必要があります。
・テレワーク業務の定義と対象範囲
・労働時間の取り扱いに関すること
・通信費などの作業環境に関わる費用の取り扱い
また、情報漏えい防止のためのセキュリティー関連の整備も必要です。
【参考】テレワークモデル就業規則
https://www.tw-sodan.jp/dl_pdf/16.pdf
インフラ環境の整備
テレワークを開始するためには、以下のようなインフラ環境の整備も必要になります。
・セキュリティー対策が施されたリモート環境
・パソコン及びコミュニケーションツール
・TV会議、勤怠管理などの業務支援システム
・スプレッドシート、業務支援ソフト
運用開始の準備
テレワークは、スモールスタートから始めて、段階的に規模を大きくしていくことが軌道に乗せるためのカギになります。
はじめの段階では、出勤している社員とのコミュニケーション不足といった様々な問題が浮上してきます。少しずつはじめて、実施後にアンケートなどによって評価や課題の抽出を行い、改善と効率化を図りましょう。
また、テレワークの導入支援サービスを取り扱う企業の導入支援を受けて、早期に安定稼働に持ち込むことも、ひとつの選択肢です。
テレワークを活用している企業の紹介
テレワークをうまく活用している企業のひとつに、Mamasan&Company株式会社があります。
Mamasan&Company株式会社は、子育てで社会復帰がなかなかできていないママさんの埋もれているスキルを世の中に役立たせることを目的に創業した企業です。
在宅ワークのクラウドワーカーが多く所属しており、テレワークにも非常に強い企業です。
積み上げられたテレワークの実績
10年以上の歳月を通して、多くのテレワーカーを管理し、テレワークによるBPOサービスを提供してきた実績があります。ICT技術の向上や人手不足の懸念からテレワークに関心が持たれ始めた時期の創業ですので、十分なノウハウが蓄積されています。
組織化・ルール化されたテレワークの環境
Mamasan&Company株式会社は、自社のテレワーカーを、マネジメントチーム、オペレーションチームの2つのチーム体制で組織化しています。
マネジメントチームによりトップダウンによる組織階層の連携、オペレーションチームでは業務の案件や属性に応じた実務メインの編成を実現しています。
セキュリティー対策された仮想環境と支援ツール
シンクライアントによるセキュリティ体制が整った作業環境で業務を行い、セキュリティ意識の教育も徹底しています。
また、ママポータルなどの管理ツールも充実しており、日々、運用体制も改善中です。
たくさんの在宅ワーカーが在籍
経理や総務の事務職からデザインやプログラミングなど、有能なスキルを持ったママさんがたくさん活躍中です。
さらに今では、退職されたシニアの活用から副業に関心のあるエンジニアまで数多い人材が所属しています。
テレワーク導入支援サービスとは
テレワーク導入に関心があるにも関わらず、導入方法にお悩みを抱えている企業向けに【テレワーク導入支援サービス】による解決方法を紹介します。
クラウドワーク環境の構築
実際に導入して運用しているノウハウを元に、企業様向けにセキュアな業務環境をクラウド上に構築し、運用を支援するサービスを提供しています。
オリジナルのテレワーク管理システム「ママポータル」の提供も可能です。
専門家による労働環境の整備
社会保険労務士と連携した就業管理のサポート、労働環境の整備に対するアドバイス、テレワーカーの管理方法、就業規則や社内規定の整備を支援するサービスを提供しています。
スタッフコーチング
テレワークで稼働経験のある各分野のスタッフが担当業務のテレワークによる働き方のコーチングや、実際に稼働環境を体験してもらうサービスを提供しています。
フリーランスワーカーをリソースとして活用
対象企業様向けの専任テレワーカーを募集して採用するまでの採用代行から、専属のテレワーカーのアサイン、担当者の育成などのサービスも提供可能です。
まとめ
世の中は大きく変化していますが、テレワークもまた多くの変革のなかのひとつです。
2020年のオリンピック開催に向けた「テレワーク・デイズ」の呼びかけなど、テレワーク導入の関心は高まってきました。
テレワークの導入にあわせて多くの企業では、業務効率化、可視化が急速に進んでいます。
しかしながら、テレワークに関心を持ちながらも、導入に不安を抱えている企業もまた多く存在していることでしょう。
そのような場合は、テレワーク導入支援サービスを利用するのもひとつの解決策です。
テレワークは、業務効率化による生産性向上の可能性を秘めており、テレワーク導入支援サービスを展開している企業も世の中にたくさんあります。
よく吟味して最適な支援サービスを選択し、テレワークによる業務効率化を図ってみてはいかがでしょうか?
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