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コールセンターのテレワーク化とアウトソーシングのすすめ

2020年12月16日 17:00 カテゴリー : BPO Times

コールセンターというと、大勢の社員が机を並べて電話対応をする光景を思い浮かべることが多いでしょう。拠点でコールセンターを運営する場合、オフィスや電話などを保持する設備費や、従業員に支払う人件費などのコストが負担になることも考えられます。

しかし、昨今はコールセンター業務をテレワーク化しているケースも少なくありません。テレワーク化を進めることで、諸経費の大幅な削減が見込めるだけでなく、オリンピックや新型コロナウイルスの影響で出勤が困難な状況下でも、滞りなく業務を進めることが可能です。また、コールセンター業務をテレワークの仕組み化が既に完成している企業にアウトソーシングすることもできます。

今回は、現在増加するコールセンター業務のテレワーク化について、その方法と導入のメリット、注意点について見ていくとともに、アウトソーシングについてもあわせて紹介します。

コールセンターはテレワーク化できる

昨今、オリンピック開催期間中の通勤混雑緩和や新型コロナウイルス流行の対策などの一環として、各企業や自治体で業務のテレワーク化への機運が高まっています。

テレワーク化が可能な業務にはある程度の条件がありますが、コールセンター業務もテレワーク化できます。コールセンターのテレワーク化を実現する方法について、見ていきましょう。

環境の構築

■クラウドPBXの活用

コールセンター業務を行う上で、システムの要といえるのがPBX(構内交換機)です。PBXをインターネット上のクラウドで利用すると、物理的な設置工事が必要ないため、一拠点に集まらずにコールセンター業務を分散することができます。

■CTIの活用

CTI(Computer Telephony Integration)とは、コンピューターと電話を統合した技術やその技術を使ったシステムのことです。音声自動応答装置や着信自動振り分け、通話録音などの機能を搭載しており、最近ではクラウド上でCTIの機能を提供するサービスもあります。使い方によっては、利用中のビジネスフォンやPBXの利用を継続しながら、CTI機能を併用することも可能です。

■ソフトフォンの活用

ソフトフォンとは、ソフトウェア型の電話機のことを示し、基本的にパソコン内で動作させることができます。インターネット回線とつないだパソコンでコールセンター業務を行えるので、コール業務用の専用電話機の設置が不要です。

オペレーター管理

クラウド型のコールセンターシステムの場合、各テレワーカーの対応状況をリアルタイムで確認することもできます。あわせて、オペレーター個人のパフォーマンスについても、受電・架電件数や通話時間などが確認できるため、きめ細やかな運用が可能です。

テレワーク化のメリットは多種多様

コールセンター業務をテレワーク化することで、時間や場所の制約といった一般的なテレワークのメリット以外にも、コール業務特有の様々な利点が生じます。具体的に見ていきましょう。

時間や場所の制約を受けない

一般的なテレワークと同様に拠点に出社するスタイルでの業務ではないため、通勤の必要がありません。現在では、様々なシステムやコミュニケーションツールなどが展開されているため、コール業務が可能な環境さえ整っていれば、世界中でコールセンター業務を行うことができます。

オペレーターの離職を改善

育児や介護などで離職せざるを得ないという人たちでも、テレワーク化によって働ける可能性が高まります。家庭の事情などから通勤することが困難な状況の人材でも、在宅などで業務可能な環境が整っていれば、オペレーターの離職を防ぐことにつながります。

災害時やパンデミック時にも業務を止めない対策ができる

災害やテロ、パンデミックなどの緊急事態のBCP(事業継続)対策は重要視されますが、コール業務のテレワーク化も有効とされています。例えば、拠点の分散化によりライフラインが止まった際にも業務継続ができたり、パンデミックなどで外出制限がかかっても、出社せず通勤なしで仕事をすることが可能です。

コスト削減が叶う

オンプレミス型のシステムの利用をしている場合に比べて、クラウド上のBPXの方がコスト削減が可能です。また、閑散期だとしてもコールセンターは一定の人員を常駐させる必要がありますが、テレワークであれば必要な時に必要な人数のみを割り当てやすく、無駄な人件費の発生を防ぐことができます。

テレワーク化に必要な環境構築フロー

実際に社内のコールセンター業務をテレワーク化する際には、より適切な環境構築を行うことが重要ですが、自社内で全て完結させるには煩雑な場合もあります。具体的にテレワーク化したコールセンターの環境を構築するフローを、順を追って確認しましょう。

■システム構築

必要なインフラを選定し、ネットワークセキュリティにも留意しながら設定を行います。
例えば、クラウド化されたPBXやCTIの導入と設定、運用するネットワークやテレワーク化した各地のオペレーターに共通する業務フローの設計、管理用のフラグのセットアップなどが必要です。ただし、元々の組織体制によっては、管理者とオペレーターそれぞれの権限設定が困難であったり、既存システムとのつなぎこみや動作確認に時間がかかる可能性があります。

■業務運用構築

テレワーク化した業務プロセスに必要なマニュアルの作成を行います。例えば、オペレーター用の手順書とトークスクリプトや、管理者のエスカレーション対応の手順書、各権限別のシステム操作手順書などが必要です。
また、管理者側のマニュアルとして、オペレーターのテレワーク用シフトの確定方法の決定、変更や出欠の勤怠管理手順書、シフトマネジメント手順書、人材育成などの管理項目別の運用手順を確定させなければいけません。

■スタッフ採用・研修

人材要件や役割分担などに合わせ、オペレーターの募集や採用を行います。
また、業務プロセスを実施するために必要な研修カリキュラムを設計し、必要な補助資料や講師用マニュアルの整備、各研修やコーチングカリキュラムごとのテストなどを作成します。
特にテレワーク化後の研修では、情報セキュリティ・コンプライアンスのコーチングを専門性のあるスタッフが担当することが望ましいでしょう。他にも、応対研修、OJT、見極めテスト、管理者向けのテレワーク用研修などが必要です。

コール業務をテレワーク化する注意点

コール業務をテレワーク化する場合には、自社構築の煩雑さを踏まえた上でさらに注意すべき点があります。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

■応対品質の確保

テレワークのコールセンター業務では、管理者がオペレーターをコーチングしたり勤務態度を確認するために、テレワークの特性を理解した上での迅速なフォローや指導方法を確立しておく必要があります。もしテレワーク用のスタッフフォロー体制が整っていなければ、応対品質の低下につながることも否めません。一拠点に集まっていない中でもリアルタイムでコミュニケーションを取ったり、フォローする方法の確立と浸透が必須です。

■セキュリティ対策の必要性

コールセンター業務では、顧客情報などの個人情報を取り扱うため、より綿密なセキュリティ対策が必須となります。また、テレワークのオペレーターごとの通信セキュリティの整備、情報管理教育の徹底や、内容がしっかりと固まっている契約の確実な締結といった取り組みが不可欠です。

コール業務の外部委託も増えている

自社内でコールセンターのテレワーク化を行いたくても、フローの煩雑さや専門性の高さに諦めてしまうケースも少なくないでしょう。しかし、コールセンターそのものを外注することでテレワーク化を実現する方法もあり、実際にその市場は拡大傾向にあります。

様々なクライアントのコールセンター業務を受託して運営する企業の売り上げは近年右肩上がりであり、コールセンター需要が拡大していることがわかります。また、コール業務をアウトソーシングする企業数も増加傾向にあるでしょう。

【出典】「2019年度コールセンター企業実態調査(CCAJ)」

アウトソーシング増加の背景

コールセンター業務の外注増加の背景として、専門的な知識やノウハウが不要であること、人手の確保、運用管理が簡単であり自社内の業務効率化にもつながることなどがあげられます。また、システム導入に必要なイニシャルコストもかかりません。

さらに、専門知識を持つスタッフを育てる時間と手間をかけず、最初から優秀な人材のいる業者に依頼することで、結果的に業務の品質や専門性の向上に繋がることが期待されます。

コール業務代行サービスおすすめ2選

コールセンター業務のアウトソーシングを請け負っている企業の中から、おすすめの2社を紹介します。自社のニーズと照らし合わせ、多角的な視点で検討すると良いでしょう。

Mamasan&Company株式会社

世界中の在宅ワーカーを中心としたBPOサービスを中心とした企業で、コールセンター業務のアウトソーシングも行っています。

具体的には、日本国内の3つのオペレーションコールセンター(埼玉・熊本・沖縄)や海外のオペレーションチーム、各地のリモートワーカーのオペレーションを連携させて、コールセンターサービスを提供しています。また、フィリピンには英語対応専門のオペレーションチームもあるので、日本語だけでなく英語での対応も可能です。国内外問わず複数の拠点と在宅ワーカーが業務にあたっているため、非常時にも継続的にサービスを発注できることが強みです。

NTTコムチェオ

NTTコミュニケーショングループ子会社であり、一般的なカスタマーサービスから高度な技術知識が必要なテクニカルサポートまで、お客さまのサービスや業務に関する電話サポートを代行する企業です。業務の規模や条件に応じて、在宅型や常駐型、拠点型など複数の方法からサービス内容を提案します。また、インバウンド・アウトバウンド問わず顧客対応業務を代行することができ、電話業務はもちろんのことノンボイス業務にも対応しています。さらに、2018年にはコンタクトセンター業務の国際規格 「COPC(R)カスタマーエクスペリエンス規格」において認証を取得しており、クオリティの高さが伺えます。

まとめ

各方面でのテレワーク化が推進される時代、コールセンター業務も例外ではありません。ただ、クライアント様と電話でつながるという特殊な業務だからこそ、テレワーク化に際してより専門的な知識のもとでシステムやフローを構築する必要があります。

自社内での対応が難しい場合には、専門的な業者の導入支援やアウトソーシングサービスを利用し、テレワーク化を実現するのも一つの方法です。

自社内で何を優先してコールセンター業務を運営していくのかを明確にし、導入を検討してはいかがでしょうか。