
「人が足りないから外注する」「忙しい業務を丸投げしたい」そう考えてBPOを導入したものの、かえって管理工数が増えた、品質が安定しない、結局戻ってきた——
そんな声を、私たちは何度も現場で見てきました。原因は明確です。業務設計をせずにBPOを使っていること。
本記事では、在宅・非同期・業務分解を前提に、数百社以上の業務設計を実務で行ってきたMamasan&Companyの現場視点から、「BPOが機能する業務設計」と「失敗する業務設計」の違いを、具体例とともに解説します。
BPOが失敗する会社に共通する「業務設計されていない状態」
まず、BPOがうまくいかない会社の現場には、共通点があります。
・業務の全体像を誰も説明できない
・「いつものやり方」「担当者の頭の中」に業務がある
・イレギュラー対応の判断基準が存在しない
・業務のゴールが「終わらせること」になっている
この状態でBPOを導入すると、何が起きるか。
🌀外注先から質問が増える
🌀その都度、社内のベテランが捕まる
🌀結果、業務が減らない・むしろ増える
これは外注の問題ではなく、業務設計が存在しないまま、人を入れ替えただけだからです。
業務設計とは「仕事を分解し、再定義すること」
私たちが現場で行っている業務設計は、立派な業務改革論ではありません。
やっていることは、極めてシンプルです。
💡業務を作業単位まで分解する
💡「誰が・いつ・何を・どこまでやるか」を決める
💡判断が必要な箇所を明示する
💡判断が不要な作業は、迷いなく任せられる形にする
つまり、人に依存していた仕事を、構造に置き換える作業です。

現場事例①:経理BPOが回り始めた会社の業務設計
ある企業では、「経理を外注したい」という相談からスタートしました。
しかしヒアリングをすると、
📝月次業務の締切が曖昧
📝修正ルールが人によって違う
📝チェック基準が言語化されていない
この状態では、どんなBPOでも回りません。
そこで最初にやったのは、業務設計だけ。
⭐月次業務を「入力/チェック/判断」に分解
⭐判断が必要な箇所は社内に残す
⭐判断不要な作業は完全に切り出す
結果、外注先は迷わず作業でき、社内は「考える仕事」に集中できるようになりました。ポイントは、BPO導入前に、業務を再設計していることです。
業務設計があると「非同期」が武器になる
業務設計ができていると、非同期・在宅・分業は一気に強力になります。
✅同時に集まらなくていい
✅担当者が変わっても回る
✅時間帯が違っても進む
これは、「人が優秀だから」ではなく「業務が設計されているから」です。
逆に、業務設計がないまま非同期にすると、
❌認識ズレが増える
❌確認待ちが止まらない
❌属人化がさらに深まる
非同期は、業務設計があって初めて成立します。
AI活用も、業務設計がなければ失敗する
最近は「AIで効率化したい」という相談も増えています。しかし現場では、業務設計がないままAIを入れて失敗するケースがほとんどです。
・何をAIに任せるのか決まっていない
・正解基準が曖昧
・エラー時の対応フローがない
AIは魔法の道具ではありません。業務設計された仕事を、加速させる存在です。
だから私たちは、AI活用の前に、必ず業務設計から入ります。
業務設計ができると、BPOは「経営装置」になる
業務設計が整うと、BPOの役割は変わります。
⭐人手不足対策 → 仕事構造の最適化
⭐コスト削減 → 人材再配置
⭐作業外注 → 経営判断の余白創出
BPOは、単なる外注手段ではなく、企業の仕事構造を再設計する経営装置になります。
「まず何から始めればいいか」迷ったら
もし今、
🌀BPOがうまくいっていない
🌀業務が属人化している
🌀AI活用が進まない
そんな状態であれば、見直すべきは人ではなく、業務設計です。業務を一度、「分解し、構造として捉え直す」。それだけで、組織の回り方は大きく変わります。
まとめ
✅BPOの成否は業務設計で決まる
✅業務設計は仕事を構造に変える作業
✅非同期・在宅・AIは業務設計が前提
✅BPOは経営装置として機能させてこそ意味がある




