
BPO(業務アウトソーシング)は、「人手不足を補う手段」「コスト削減のための外注」として語られることが多い言葉です。しかし、ママさん総研がこれまで現場で向き合ってきた多くの企業では、BPOの成否を分けているのは外注の巧拙ではありません。
鍵になるのは、その会社の仕事の構造が、見えているかどうかです。
本記事では、Mamasan&Companyが在宅ワーク・業務設計・非同期運用・AI活用を実際に行ってきた立場から、BPOを「外注」ではなく経営装置として機能させるための考え方を、現場視点で解説します。
BPOを「人が足りないから導入する」とうまくいかない理由
現場でよく聞くBPO検討のきっかけは、次のようなものです。
・採用ができない
・管理部門が回らない
・現場が忙しすぎる
もちろん、これらは切実な問題です。
しかし実務の中で見えてきたのは、この理由だけでBPOを導入した企業ほど、つまずきやすいという事実です。なぜなら、「忙しい原因」が整理されないまま、業務だけを外に出してしまうからです。
結果として、
・外注先への説明・確認が増える
・判断を社内に戻す場面が多発する
・結局、管理負荷が下がらない
という状態に陥ります。BPOがうまくいかない原因は、外注先の能力不足ではありません。仕事の構造が整理されていないことにあります。
BPOの本質は「仕事を減らすこと」ではなく「仕事を仕分けること」
ママさん総研がBPO支援に入る際、最初に行うのは「外注範囲の検討」ではありません。仕事の仕分けです。企業の業務を分解すると、次のような仕事が混在しています。
・判断が必要な仕事
・判断基準が決まっていない仕事
・ルール化・標準化できる仕事
・実はやらなくても困らない仕事
この整理をせずにBPOを進めると、「判断が必要な仕事」まで外に出てしまい、必ず破綻します。BPOの本質は、人が集中すべき仕事を浮き彫りにすることです。
業務プロセスが見えないままのBPOは必ず属人化する
「この作業は簡単だから外に出せます」現場でよく聞く言葉ですが、実際にはそう単純ではありません。
詳しくヒアリングしていくと、
・判断基準が人によって違う
・例外対応が暗黙知になっている
・そもそも全体の流れを説明できる人がいない
というケースが非常に多く見られます。この状態でBPOを導入すると、業務は外に出たように見えて、判断は社内に残り続けます。
結果として、
・特定の人に問い合わせが集中する
・外注しているのに手離れしない
・「あの人がいないと回らない」状態が続く
これではBPOは機能しません。
ママさん総研が考える「BPOが機能する前提条件」
BPOを経営装置として機能させるために、ママさん総研が重視している前提条件は明確です。
業務プロセスが構造として共有されていること
✔誰が
✔いつ
✔何を見て
✔どこまで判断するのか
これがフローチャートやルールとして整理されていること。
判断と作業が切り分けられていること
判断は社内、作業は外部、という役割分担が構造として設計されていること。
個人ではなく「仕組み」で回ること
誰か一人の経験や勘に依存しない形で、業務が再現可能になっていること。これらが揃って初めて、BPOは安定します。
在宅ワーク・非同期運用だからこそ見えたBPOの落とし穴
Mamasan&Companyでは、在宅ワーク・非同期運用を前提に、数多くの業務を回してきました。その中で強く実感しているのは、構造が曖昧な業務ほど、非同期では破綻するということです。
・口頭説明に頼っている
・「その場で聞けば分かる」が前提
・判断基準が人に紐づいている
こうした業務は、在宅・非同期・BPOのどれとも相性がよくありません。逆に言えば、非同期で回る業務構造をつくること自体が、BPO設計そのものなのです。
BPOの成果はコスト削減ではなく「経営の視界が開けること」
正しく設計されたBPOの成果は、単なる人件費削減ではありません。
💡管理職が判断に集中できる
💡現場が改善に時間を使える
💡数字や状況が早く見える
💡次の一手を考える余白が生まれる
これは、仕事を減らしたからではなく、仕事の配置を変えた結果です。BPOは、企業に「考える時間」を取り戻すための仕組みです。
BPOを検討する前に、自社に問い直してほしいこと
BPOを検討する前に、ぜひ一度立ち止まって考えてみてください。
・自社の仕事の全体像を説明できますか
・判断基準は言語化されていますか
・例外対応が増えていませんか
・「この人がいないと困る」業務はありませんか
もし思い当たる点があれば、必要なのは外注先探しではなく、仕事の構造整理です。
ママさん総研が伝えたいBPOの本質
BPOは、外注手段ではありません。企業の仕事構造を再設計するための経営装置です。在宅ワーク・非同期・AI活用が進む今だからこそ、「誰が頑張るか」ではなく「どう設計するか」が問われています。ママさん総研は、現場で回してきた実務経験をもとに、机上の理論ではないBPO・業務設計をお伝えしていきます。




