テレワーカーという言葉をご存じですか?国土交通省のテレワーク月間のPR動画で、テレワークとは、「テレ:離れたところで」、「ワーク:働く」とPRされています。
テレワーカーとは、テレワークで働く人たちのことです。
働き方改革などの推進もあり、政府もさまざまな施策でテレワーカーを支援しようとしています。
テレワーカーは今まで、ICTを活用したIT系のフリーランスがほとんどでした。
しかし、2010年以降、リモートによる作業環境が急速に発展し、経理業務など以前までは会社内でしか勤務できなかった事務作業も、テレワークのひとつの働き方として導入されてきています。
必ずしも会社に通勤し、デスクワークとして業務にあたらなくても、経理などの専門的なスキルをテレワーカーとして活用することが可能です。
ここからは、テレワークの現状を交えながら、テレワーカーとして働く方法をご紹介いたします。
テレワークの増加について
パソコンやインターネット環境の普及に伴って、テレワークという働き方ができるようになってきました。
しかし、まだまだテレワーカーは多くありません。
テレワーカー増加傾向の統計データを国土交通省が2002年から実態調査していますので、参考にしながら状況を説明いたします。
【参考】国土交通省テレワーク人口実態調査 http://www.mlit.go.jp/crd/daisei/telework/p2.html
2002年の状況
2002年は、就業人口に対して、狭義のテレワーカー 6.1%です。
※狭義のテレワーカー:国土交通省の定義で「仕事でITを利用しており、勤務先以外でITを活用した仕事を1週間あたり8時間以上である人」
当時は、インターネットが電話回線の接続からADSLなどの高速ネットワークにシフトし始めた時期で、WEBサービスなども多くはありませんでした。
2008年の状況
2008年は、就業人口に対して、狭義のテレワーカー 15.6%です。
2002年と比べて、倍以上になりました。
当時、政府は「テレワーク人口倍増アクションプラン」を掲げ、残り2年で20%の割合までテレワーカーを増やす目標を掲げています。
2017年の状況
2017年の調査では、テレワーカーもさまざまなタイプに層別されています。
■在宅型:自宅でパソコンやインターネットを活用し仕事をする。
■サテライト型:勤務先以外のオフィスや共同利用スペースで仕事をする。
■モバイル型:外出先や顧客先など、移動中にパソコンや携帯電話を利用し仕事をする。
国土交通省の統計データの収集方法が変化していますので、2008年の統計データとは異なる収集方法になっています。
サンプル40,000人に対して、テレワークに関わっていると回答したのが6,180人です。
比率にすると、2008年からそれほど増えていません。多くの企業が副業のようなテレワークを認めていないこと、多くの人が雇用型の勤務形態であることだと予測されます。
しかし、2018年は、副業解禁元年です。政府のモデル就業規則にも「副業・兼業」に関する部分が改定され、多くの企業で副業が解禁になりつつあります。
在宅ワークを主体にする方以外にも、副業・兼業の解禁によって、これからはたくさんのテレワーカーが増えてくることでしょう。
テレワーク可能な職種(一般的)
主にテレワーカーの定義は、インターネットやコンピュータに関わる仕事が対象とされています。
以下は、代表的なテレワーカーの職種です。
WEBデザイナー
WEBのデザインを専門的に扱っている職業です。
WEBデザイナーには働き方によって、いろいろなタイプがあります。
・企業に所属し社内の自社WEBサイトをデザインする
・広告代理店や制作会社で働く
・フリーランスとして業務を請け負う
テレワーカーとして働くデザイナーは、フリーランスが多いでしょう。
WEBライター
WEBサイト上の文章を書くライターです。
ブログやニュースサイト、ネット広告の記事を書くのが主な仕事になります。
クラウドソーシングに登録し、初心者が少しずつ開始することも可能です。
しかし、生活が成り立つレベルまで到達するには、専門的な分野に詳しい魅力的な文章を他者に評価されるなど、かなりの熟練が必要になります。
また、サイトへのアクセスを向上させるためのSEOに関するスキルも必要になってくるでしょう。
プログラマ
プログラミング言語を使って、システムを構築する職業です。
プログラマの仕事には、パソコンやスマホで動作するWEBやゲームのアプリケーション開発があります。また、企業の業務システム、設備や基板を制御するファームウェアやOSなどのミドルウェアといった企業向けのソフトウェア開発のプログラミングもプログラマの仕事です。
コミュニケーションツールの発達に伴い、在宅でプログラミングのテレワークに従事するフリーランスも多くなってきています。
実はテレワーク可能なお仕事
最近は、RPAという事務のルーチンワークを自動化する仕組みも採用されています。
しかし、RPAは年間で数百万程度のランニングコストがかかるので、中小企業では、自社の管理業務をBPOという形でアウトソーシングする傾向が今後さらに強くなるでしょう。
BPOサービスを提供する会社では、テレワークを活用して低コストでのサービス提供を実現しています。そのため現在では、BPOのテレワーク導入も進んできています。
経理業務
・請求書の整理・集計
・経費の立替・精算
・集計業務
採用業務
・スカウトメール作成
・応募者選考の一次判断
・応募者への案内連絡
コール業務
・お客様窓口
・ヘルプデスク・運用デスク
・保守受付・故障受付など
経理の経験が役に立つ
BPOという形で管理業務のテレワーク化が進み、経理経験者がテレワーカーとして活躍できる場が増えています。
経理経験者が持つスキルを生かすことができるさまざまな経理業務をみてみましょう。
数字に強い
経理はお金を扱う業務であり、1円の誤差も許されません。
経理担当者は日々数字を扱うため、数値の間違いや消費税による誤差などのチェックも十分に経験しています。経理業務はもとより、データの入力結果をチェックするといった作業でも、精度の高いパフォーマンスを発揮できるでしょう。
何よりも経験が武器
経理業務では、多くの企業が専用の会計ソフトを用いて業務を管理しています。経理経験者は取扱いに長けていることから、スムーズに作業を行うことができ、即戦力になるでしょう。
さらに、経理の仕組みをしっかりと理解しているため、専門的な業務も任せられるなど、日々の経験から得られるスキルは大きな武器になります。
円滑なコミュニケーション力
経理業務では、請求書の精算やお金に関わることで、さまざまな部署の人材と関わり業務を行います。他部署の人材と業務を進めるためには円滑なコミュニケーション力が必要です。
テレワークでは、チャットツールやTV会議などを利用し限られた時間でコミュニケーションを図りるため、経理経験で培ったスキルは非常に重要な能力といえるでしょう。
テレワークのメリット・デメリット(在宅勤務側)
テレワーカーとして働くことを考えた場合、テレワークに対してまだよく理解できない部分を抱えている方もおられるでしょう。そのような方向けに、テレワークについてのメリット・デメリットをご説明します。
メリット
【通勤による移動がない】
満員電車や車の渋滞などによる通勤時間がかからなくなり、時間、気持ち、体力的に消耗しなくてすみます。通勤によるストレスを感じることなく、仕事にエネルギーを注ぐことができれば、集中して品質のよい仕事ができることでしょう。
【子育てや介護と両立できる】
子育てや介護をしながら外で働くことは、時間的にも精神的にもとても負担がかかります。
とくに育児では、急な発熱や体調不良のために、子供のそばについていなければならないことも多いでしょう。しかし、時間や環境に縛られない働き方は、日常生活でまとまった時間が取りにくい方でも十分に活躍することができます。
【場所に囚われない】
パートナーが転勤などで今の場所を離れなければならなくなった場合でも、テレワークであれば働く場所を選ばないため、働き続けることが可能になります。また、介護などの事情により故郷へ戻る場合でも同様です。いろいろなところに住処を変えながら、仕事と旅を一緒にすることさえできます。
デメリット
【自己管理が難しい】
テレワークは、外で働くことと違い時間の制約が無いため、休もうと思えばいくらでも休むことが可能です。また、自己管理ができないと働きすぎて体を壊したり、サボり癖がついたりといろいろな弊害がでてきます。
【報酬の設定が難しい】
テレワークの場合、実際の作業時間を管理することが難しいため、成果や作業の件数で報酬を決定することが多いでしょう。しかし、信用関係が構築できていない状況では、発注側もリスクを考え報酬を設定してきます。そのため、外勤などで発生する報酬より、少なくなる場合も多々あります。
テレワーカーが活躍する企業
Mamasan&Company株式会社
企業名の通り、子育て中のママさんがテレワーカーとして活躍しています。最近では、フリーランスや退職後のシニアの方も活躍する企業です。経理のような専門性の高い事務作業から、WEBデザインなどのクリエイティブな仕事まで幅広く展開しています。
全てのテレワーカーがセキュリティーの高い専用環境で作業を行うため、経理や採用など個人情報や機密情報を取り扱う業務も安心して依頼することが可能でしょう。
https://mama-sun.com/jp/mama_recruit/
株式会社キャスター
【労働革命で、人をもっと自由に】のビジョンで、ホラクラシー型(権限が個人に分散されている)組織運営をしている企業です。リモートワークという働き方により、ダイバーシティ(多様な人材の活用)を実現し、多くのテレワーカーを社員として登用しています。
完全実力主義の企業で、経理のような専門的スキルを生かして自分の能力を試してみたい方におすすめです。
さくら会計事務所
人手不足の解消と職員の定着のためにテレワークを活用してる会計事務所です。
とても有能な女性職員が子育てのためにフルタイム勤務が難しくなった際、仕事と育児を両立できる環境を提供できないかという課題を抱えていました。出勤を週1回にしぼり、テレワーカーとして働くことを可能にするなど、試行錯誤しながらテレワーク環境を実現しています。
https://www.sakura-accounting-office.com/
まとめ
テレワークは、政府も力を入れている働き方のひとつです。
2018年は、副業解禁元年とも呼ばれ、政府のモデル就業規則も「副業・兼業」に関する部分が改定されました。
モデル就業規則の改定により、多くの企業で副業が解禁になりつつあります。
これから多くのパラレルワークを行うテレワーカーが増えてくることでしょう。
今では、ICTに関わる仕事以外にも経理のような管理業務がBPOという形でテレワーク可能な時代になってきました。
テレワークのサービスを提供している会社もいろいろとあります。
テレワークのメリットやデメリット、考え方もそれぞれですが、時間や場所を問わない働き方も、これからはひとつの選択肢ではないでしょうか?
この記事は役に立ちましたか?
ご不明点がございましたら、
以下のフォームにてお気軽にお問合せください!
記事についてのご質問
この記事について、あなたの「もっと知りたい!」にお答えします