
経理業務改革というと、「DXを進める」「自動化する」「ツールを入れ替える」といった施策が真っ先に思い浮かぶかもしれません。
しかし、ママさん総研が在宅ワーク・非同期運用・BPO・AI活用を前提に、実際の経理業務を設計・運用してきた中で感じるのは、経理業務改革が止まる原因はツールではないという事実です。本当に改革が進まない理由は、経理業務が「作業」と「判断」が混ざったまま構造化されていないことにあります。
本記事では、Mamasan&Companyの実務経験をもとに、経理業務改革が失速する構造的な理由と、改革を前に進めるために必要な「仕事構造の再設計」について解説します。
経理業務改革は「忙しさ」を理由にすると失敗します
経理業務改革が検討される背景には、次のような声があります。
・月次が遅い
・担当者が忙しすぎる
・ミスが怖く、チェックに時間がかかる
しかし、この“忙しさ”を起点に改革を進めると、多くの場合、改革は途中で止まります。理由は単純です。忙しさは結果であり、原因ではないからです。経理業務が重くなっている原因は、業務量そのものではなく、判断が構造化されていないことにあります。
経理業務は「入力作業」ではなく判断業務です
経理業務は、数字を入力する仕事と思われがちです。しかし、実務の現場では、日々多くの判断が行われています。
🖋どの勘定科目に計上するか
🖋例外取引をどう扱うか
🖋どこまで確認するか
🖋異常値と判断する基準は何か
これらの判断が担当者の経験に依存している状態では、業務をいくら効率化しても改革は進みません。ママさん総研が見てきた現場でも、経理業務改革が止まっている会社ほど、
✅判断理由が言語化されていない
✅「前からこうしている」が多い
✅人が変わると処理が止まる
✅という構造的な課題を抱えていました。
経理業務改革の第一歩は業務の可視化ではありません
経理業務改革というと、「まずは業務フローを可視化しましょう」と言われがちです。しかし、実務では、フローを描いただけでは改革は進みません。重要なのは、どこに判断があり、どこまでを標準化するのかを決めることです。
・すべてを標準化しようとすると現場が止まる
・標準化が甘いと属人化が残る
このバランスを取ることこそが、経理業務改革の核心です。
在宅・非同期環境では経理業務の構造不備が顕在化します
Mamasan&Companyでは、在宅ワーク・非同期を前提に経理業務を運用しています。
この環境では、
🔹その場で聞けば分かる
🔹空気で判断する
🔹経験者が補正する
といった運用は成立しません。
そのため、
☑️判断基準
☑️例外対応
☑️エスカレーションルール
を誰が見ても分かる形で構造化します。これは在宅ワークのためではなく、経理業務を安定させるために不可欠な設計です。
経理業務改革とBPOを混同すると失敗します
経理業務改革の文脈で、BPOが検討されることも増えています。しかし、BPOを「人手不足の解消策」「作業の外注」として使うと、改革は失敗します。正しいBPOは、経理業務を構造として整理し、判断と作業を切り分けるための手段です。
構造整理をせずに外に出すと、
🌀確認が増える
🌀判断が遅れる
🌀現場が余計に忙しくなる
という結果になります。
経理業務改革が進んでいる会社の共通点
経理業務改革が進んでいる会社には、共通する特徴があります。
✔判断基準が言語化されている
✔例外対応の扱いが決まっている
✔人が変わっても月次が回る
✔改革が属人化していない
これは、経理業務が「人」ではなく「構造」で回っている状態です。
経理業務改革の先で得られる本当の成果
仕事構造を再設計した経理業務改革の成果は、単なる効率化ではありません。
💡月次が安定する
💡判断が前倒しになる
💡経営に使える数字が増える
💡改善が継続する
これは、経理業務が「処理部門」から経営を支える機能に戻った結果です。
まとめ:経理業務改革は仕事構造を取り戻す取り組みです
経理業務改革は、ツール導入や効率化だけでは完結しません。経理業務を仕事構造として再設計することが、改革を前に進める唯一の方法です。ママさん総研では、在宅・非同期・BPO・AI活用の実務経験をもとに、止まらない経理業務改革の考え方を発信しています。




