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どうやって探す?失敗しない税理士探しとIPO支援について

2020年10月29日 10:00 カテゴリー : BPO Times

IPOを希望するスタートアップ企業は、大きな会社と違い、限られた人員で煩雑な申請手続きを行わなければなりません。

厳格な審査を通るために必要な書類を作成するには、やはり専門家を頼るのが一番です。

特に税理士は決算や税務に精通しており、相談することにより上場について有益な情報を得ることができるでしょう。

IPOの支援サービスも増えてきましたが、IPO実務に精通した税理士を選ぶことが上場へのひとつの近道です。

税理士の役割とIPO支援サービスの選び方について紹介します。

IPO支援とは

IPOはInitial Public Offering(イニシャル・パブリック・オファリング)の略称で、新規上場株式、新規公開株を意味します。

つまり、IPO支援とは、新規上場株式を支援するという意味です。

株式上場することにより資金調達が容易になるだけではなく、企業の知名度の向上や信頼性がより高まるといったメリットがある反面、企業経営の透明化による管理コストが上がる、経営者の責任が増加するといったデメリットもあります。

そういったメリット・デメリットを踏まえたうえで上場をするのが得策か検討し、上場の手助けをしてくれるサービスがIPO支援です。

IPO支援とはどのような内容なのかを紹介します。

プロフェッショナルによるIPO支援

IPO申請には、申請書類作成、社内外の管理・開示体制の整備、IR活動(投資家向けに財務状況などを発信する活動)など煩雑な作業が伴います。

さらに、厳正な審査があるため、申請したからといって簡単に上場できるわけでもありません。審査に通らなければ、膨大な準備が無駄になってしまいます。そのようなことを未然に防いでくれるのが、外部の専門家によるIPO支援です。

IPOの審査においては、特に収益性や財務についてを厳しく見られます。そのため、IPO支援は財務のプロフェッショナルである税理士や会計士にお願いするのが一般的です。

最近では、IPO支援をサービスの一環として取り入れる税理士事務所や、会計事務所も増えてきました。

書類作成に精通した税理士にIPO支援をお願いすれば、審査前に書類の欠点を見つけ出し、修正することができるでしょう。

IPO支援の主な内容

IPO支援の主な内容として、ショートレビューや書類作成があります。

ショートレビューとは短期調査・予備調査のことで、株式上場のための課題をプロの目線から洗い出し、社内管理体制を整えるものです。企業がIPO申請を行うと考えたときにとても重要な役割を果たします。また、そのショートレビューに基づいて、上場において重要視される経営の管理体制、利益管理体制についてのアドバイスももらえるでしょう。

書類作成としては、上場のための書類準備が挙げられます。株式上場のためには、2年以上の準備期間が必要です。

さらに、上場してからのIR広報活動や各種開示のサポートを行ってくれる企業もあるので、自社に必要なサポートを検討するのが得策です。

知っておきたい税理士の職務内容とは?

税理士という職業名は知っていても、具体的な職務内容まで想像できない方は少なくありません。税理士にIPO支援を依頼する前に、税理士の具体的な職務内容を知っておく必要があります。

税理士の主な職務内容を紹介します。

税理士の独占的業務

税理士の独占的業務は、税務代行、税務書類の作成、税務相談があります。

確定申告や税務調査の立ち合いを代行する業務を税務代行、税務書類の作成をすることを申告書類の作成代行といいます。

そして税務相談は、納税額の計算や節税額の算出など、税に関する相談を受け付ける業務を言います。

非独占的業務

税理士の非独占的業務として主にあげられるものに、会計業務やコンサルティング業務があります。財務諸表の作成や記帳代行、経営へのアドバイスなどが具体的な内容です。また、

ベンチャー企業開業のための資金集めや書類の作成といった業務を請け負っている税理士も多くいます。

決算に精通した税理士だからこそ、数字に密接した分野で的確な業務遂行を期待できるでしょう。

IPOにおける税理士の役割

独占的業務・非独占的業務どちらの面から見ても、税理士はIPOのアドバイザーとして最適です。

審査には、正確な決算書類と明確な経営ビジョンが必要とされています。申告書類を作成したり税金を計算する権限を有し、かつ、経営コンサルタントとしての活躍の場も増えている税理士にお願いすることで、より早くIPOを実現できるでしょう。

IPOを支援できる税理士の存在価値とは

IPOを考える際、把握しておきたい税理士の職務内容は前述のとおりです。では、税理士に相談するメリットはどこにあるのでしょうか。

IPOにおける税理士の存在価値について紹介していきます。

IPO支援に強みのある税理士

収益基盤が弱かったり粉飾決算が発覚すれば、株価が大きく下落し、投資家に大きな損害を与える可能性があります。投資家を保護する意味でも、IPOの審査は非常に厳しいのです。

監査法人や証券会社の厳しいチェックを通すためにも、プロである税理士に支援をお願いするのは有効な方法と言えるでしょう。

税理士は、決算や財務に精通したプロフェッショナルでもあります。税務だけではなく、IPO申請に欠かせない財務諸表作成や帳簿管理についても、良いアドバイスをもらうことができるでしょう。

税理士を活用する

IPO申請を考えている場合、財務に精通した最高責任者を置くことが理想です。とはいえ、上場を考え始めたばかりのスタートアップ企業では、人件費の面でプロを常駐させることが難しい場合も多いでしょう。

IPO支援サービスを行ってる税理士に必要な業務だけをお願いする形式ならば、人件費を比較的安価に抑えられるというメリットがあります。

上場には財務状況の洗い出しや、正確な税務申告書の作成が必須です。税務のプロである税理士にお願いすることで間違いなく書類を作成することができるほか、その書類の信用性も高めることができます。

さらに、上場の申請業務に精通した税理士に相談することで、効率よく申請の作業構築が行えるでしょう。

税理士を探す基本的な考え方

税理士を探すといっても、漠然としすぎて何から着手したら良いかわからない方も多いでしょう。

相性のいい税理士を見つけるために必要な考え方のポイントをいくつか紹介しましょう。

コミュニケーションが取りやすいかどうか

税理士を選ぶ際に非常に重要なのが、コミュニケーションの取りやすさです。

会社の根幹にかかわる経営や財務の相談をするのに、説明がわかりにくかったり質問がしにくい相手を選んでしまっては、不安が出てしまいます。

こちらの希望をしっかり理解してくれるか、業務遂行のために積極的な提案をしてくれるか、人柄が信頼できるかなど、コミュニケーションを取りやすい相手か考えながら選ぶことが重要です。

その分野に強い税理士を選ぶ

税理士と一口に言っても、得意分野は様々です。特にスタートアップ企業のIPOは近年伸びてきている分野のため、精通している税理士もあまり多くないのが現状です。

年々移り変わるスタートアップ企業の事情や法整備に対応するためには、日々新しいことに対応できる能力が必要です。

ただ依頼された業務をこなすだけではなく、必要な情報を発信してくれるか、柔軟な対応をしてくれるかを見極める必要があります。

レスポンスが早いかどうか

いくら希望通りに業務を行ってくれる税理士でも、レスポンスが遅い場合は気を付けなければなりません。

問い合わせへの回答に時間を要することで書類の準備が滞ったり、急な業務指示に自社が対応できないといったことも懸念されます。

返答がスムーズだったり、トラブルにもすぐに対応してくれるなど、柔軟に即時対応が可能な税理士にお願いするのがおすすめです。

また、レスポンスが早いということは、それだけ真摯に業務に打ち込んでくれているという期待がもてます。特に日々流動的に数字が変わっていく税務の世界では、早め早めに対応してくれる税理士は非常に信頼度が高いと言えるでしょう。

コスト面も留意する

上場前のスタートアップ企業では、税理士関係のコストも思いのほかと大きな負担です。

高い依頼料を払っても、サービス内容が希望に沿っていなければお金を無駄にしているようなものです。

まず自社が必要としている業務を洗い出すこと、その業務を遂行してくれる税理士を探し、依頼する業務の範囲を絞ることが大切です。

たとえば決算業務だけで充分なのか、記帳代行など細かなこともお願いするかによって業務報酬も変わります。

料金の高い税理士事務所が優れているかというと、必ずしもそうとは限りません。

ですが、格安サービスを安易に利用することも注意が必要です。

プロフェッショナルにお願いするのだということを充分留意し、無駄を省きながら適正なコストをかけていくようにしましょう。

よい税理士を探す3つの方法

いざ税理士にIPO支援をお願いしようとしても、付き合いのある税理士がいなかったり、お願いしている税理士さんがIPOに詳しくない場合も多くあります。

そういった場合、どのような方法で選べば良いのでしょうか。おすすめの方法を3つ紹介します。

昔ながらの方法で探す

まず最初に紹介するのは、自力で探す方法です。電話帳で調べる、近所の税理士事務所に飛び込みで相談に行くなどの方法が挙げられます。

インターネットがまだ普及していなかった十数年前までは主流の方法でしたし、地域に根差した事務所にお願いしたい場合は今でも有効な方法と言えるでしょう。

メリットは近所で見つけられること、実際に足を運んで事務所の雰囲気や税理士の人柄を見極められることです。デメリットとしては手間がかかること、他の会計事務所との比較がしづらいところが挙げられます。

インターネットで探す

昨今で一番主流の方法がインターネットで探す方法です。「税理士 ○○(地名)」で検索することで、現地に足を運ぶことなく希望の地域の税理士を探すことができます。

また、今は様々な紹介サイトもあるため、そういったものも活用できるでしょう。

メリットは思いついた時に手軽に探せる、金額や事務所の方針などの情報が簡単に得られる、比較が容易にできるなどです。

デメリットは実際の雰囲気がわからないこと、サイトに載っているデータが信頼できるかがわからないことなどが挙げられます。

紹介会社にお願いする

最後におすすめするのは、税理士の紹介会社を使用する方法です。目的や予算に合わせて希望に合った税理士を紹介してもらうことができます。昨今では紹介会社も増えており、選択肢のひとつとして検討できるでしょう。

自分で探す手間が省けたり、沢山の税理士の中から自分の希望に合った方を紹介してもらえるメリットがあります。

デメリットは、実際会うまでどのような人物か分からない、場合によっては手数料などのコストがかかることなどでしょう。

IPO支援に強い税理士をお探しならこちら

IPO支援を選ぶ際は、実績やサービス内容をしっかり比較し、自社に合った税理士を見つけることが大切です。

IPO支援の利用を検討しているけれど、どこを選んだら良いのか分からないという方に、具体的なサービスの例を紹介します。

日本クレアス税理士法人

準備スケジュールの提案、月次決算の適正化などの準備段階から申請書類の作成代行・審査対応までIPO業務全般をフルサポートしてくれます。

中堅・中小企業のサポートを主にしている事務所で、IPO支援の実績も数多くあるのが特徴です。

税理士法人グランサーズ

上場準備はもちろん、上場後のサポートも行っている事務所です。依頼者に寄り添うパートナーとして、税務のみではなく具体的な経営方針などへのアドバイスも行っています。

30代が中心の若い事務所で、柔軟でフットワークの軽いサポートが期待できるでしょう。

Mamasan&Company

記帳や給与計算といった日常の経理業務から、決算に必要な財務諸表の作成まで、トータルで委託ができます。一部の業務だけの委託も可能なので、予算に合わせて組み合わせも自在です。

公認会計士と業務提携しているため、事務的なサポートを受けられるだけではなく、経営に関する相談もできます。

シンクライアント環境とオンラインサポートのノウハウを持っているので、地域を選ばずサポートが受けられるのも特徴です。

まとめ

ここまで見てきたように、IPOの準備を始める際に税理士の力を借りるのは非常に有効な手段です。

上場の準備は時間も手間もかかりますが、審査を無事通過するためには健全な財務状況をきちんと記録しておかなければなりません。

日常の業務を行いながら必要な書類を揃えるだけでも大きな負担となり、さらに上場後の経営の透明化など課題は山積みです。

その負担を少しでも減らし、上場という結果を得るために、IPO支援のプロフェッショナルである税理士の力を借りることを検討してみてはいかがでしょうか。

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