日本が、本格的に少子高齢化時代を迎えたのは1994年です。日本の生産年齢人口は、1995年がピークでしたが、それ以降は減少の一途をたどっています。生産年齢人口の減少に伴い、「女性の復職」や「シニア層の再就職」、「外国人労働者の受け入れ」などが取り組まれてきました。
政府の重要政策のひとつである「働き方改革」は、まったなしとなった日本経済の再生の、そして企業にとって優秀な人材確保の砦となっていくでしょう。
そんな働き方改革をスムーズに進める手段としておすすめしたいのが、テレワークです。テレワークは多様な働き方を可能にするだけでなく、正社員以外の新たな労働者の獲得にも繋がるからです。
今回は「働き方改革」と今注目されるテレワークについて、歓迎される点や懸念すべき点、そして導入支援サービスについてご説明します。
「働き方改革」は日本にとって最大のチャレンジ
「働き方改革」は、一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジと言われています。
なぜなら、「働き方」は人にとって「暮らし方」そのものとも言え、日本の企業文化や私たちのライフスタイル、働くことに対する考え方自体に手を入れていく抜本的な改革だからです。
「働き方改革」の目指すもの
少子高齢化に伴う生産年齢人口は減少を続けています。現在の合計特殊出生率から、生産年齢人口が増加に転じることはまずあり得ません。
そこで、育児や介護との両立など、働く人々のニーズの多様化を受け止め、活用することで離職者を減らし就業者を確保、継続することが狙いです。
中小企業・小規模事業者に必要
中小企業・小規模事業者は日本の雇用の7割を担っています。現在、人手不足感を強く感じているのも中小企業・小規模事業者と言われています。職場環境を改善することで生産性を上げ、人手不足解消をすることが必要です。
働き方改革の具体的な取り組みとは
「働き方改革」とは具体的にどのような取り組みが必要なのでしょうか。具体的な策を見ていきましょう。
長時間労働を減らそう
これまでの日本の企業文化では、労働生産性よりも長時間労働を重視する風土が強くありました。生産性に欠けていても長時間労働をすれば認めてもらえるという慣習が色濃く残っている企業も多いでしょう。長時間労働を是正し、労働時間を短くすることで女性や高齢者もワークライフバランスがとりやすくなり、就業の継続や就職が容易となります。
雇用形態にかかわらず公正な待遇を行う
これまで同一企業内においては、正社員と非正規社員の間には基本給や賞与、福利厚生などの待遇について差があることは一般的でした。
不合理な待遇の差をなくすことで、就業者がどの雇用形態を選択しても、待遇に納得して働き続けられるようになります。
多様で柔軟な働き方を可能にして就業者も増やす
フレックスタイム制を拡充すると、子育てや介護など生活するうえでのニーズに合わせて労働時間を決定できます。柔軟な働き方が可能な企業では、子育てや介護を抱える就業者でも就業状態の継続が可能です。
また、会社で働く以外の選択肢があれば、諸事情で通勤が困難な層を取り込むことができ、就業者を増やすことができるでしょう。
テレワーク活用に期待されること
テレワークは、情報通信技術(ICT)を利用し、時間や空間の制約にとらわれることなく働くことができます。テレワーク活用によって、一人一人のライフステージや生活スタイルに合った柔軟な働き方が実現するでしょう。テレワーク活用の就業者、企業、社会からみたメリットをそれぞれご紹介します。
自分の都合に合わせて就業できる
育児や介護を抱えている就業者が、働きやすい環境で就労を継続することができます。
子供が急に体調を崩した、介護で毎日決まった時間が取れないなどの事情にも、テレワークなら柔軟に対応することが可能です。
また、けがや病気で療養しながら働くなど、働き方の選択肢も増えていくでしょう。
企業にもうれしい効果
テレワーク導入企業では、働き手側だけでなく、企業にも多くのメリットがあります。
例えば導入後に生産性が向上したという例や、柔軟な働き方の提案で知識・経験豊富な人材の離職防止や新たな人材の確保に繋がったという声は多く上がっています。
その他にも、通勤・交通コストを削減でき、設備のランニングコストを抑えることも可能です。
また一か所に人材が集中しないので、地震や台風などの被害リスクも分散され、大規模災害発生時でも事業に支障が出にくい特徴があります。
社会も元気に
テレワークでの働き方は、定年退職した高齢者や、介護や怪我などで毎日の通勤が困難な者、遠方に居住のため就労が難しいと諦めていた求職者など、新規雇用の創出を可能にします。
更に就業者の通勤に伴う移動の減少やオフィスの省力化によって、電力消費と、CO2 排出量削減ができ、その結果、環境への負荷も軽減するでしょう。
またテレワークでの働き方は、東京一極集中から地方へ在住の道が大きく開けるようになります。人口減少に悩む地方再生の原動力になる可能性も大きく、社会全体を元気にする助けとなるはずです。
テレワーク導入で懸念されること
テレワークには大きく分けると雇用型と非雇用型に分かれます。
雇用型と非雇用型で懸念される点は、重複する点もあれば異なる点もあります。
雇用型のテレワーカー
雇用型のテレワーカーが、テレワークによってマイナス効果があったケースをご紹介します。
34.7%と実に3割以上の方が仕事時間が増えたと回答しています。ついで28.2%が業務効率が下がった。23.9%が出勤している人に迷惑をかけた。15.8%が出勤している人に気兼ねした。15.1%が、コミュニケーションが取りづらいと答えました。
このように、テレワーク導入で逆に労働時間が増えたり、周囲を気にしたりするケースが発生しやすく、適切な労働管理とコミュニケーションを取ることが必要です。
出典:国土交通省 平成29年度テレワーク人口実態調査-調査結果の概要-
非雇用型のテレワーカーの懸念
クラウドソーシングの急速な拡大により、雇用契約をせずに働ける仕事も増加傾向にあります。
しかし非雇用型テレワーカーは、不当に低い報酬や支払いの遅延等、金銭的な問題を抱えることも少なくありません。作成した著作物を無断で使用されるなど、発注者や仲介事業者との間で様々なトラブルも発生しています。
他にも、実際に作業をしてみると納期までの期間が短かく大変だったというケースも見受けられます。
これらを防ぐためにも、事前に契約内容の取り決めをしっかり交わすことが大事です。
導入する企業の懸念
雇用型テレワークの場合、概ね自社の社員が業務を行います。社員間のコミュニケーションの活性化を図り、どこで仕事をしていても作業効率、生産性に遜色がないことや「働き方」の意識改革は必要とされます。
非雇用型テレワークを導入する場合は、情報漏えいを防ぐための万全の対策や各テレワーカーの作業環境を事前に整えておかなければなりません。
テレワーク導入支援サービスで懸念を払しょく
テレワーク導入には、制度を推進し円滑に遂行していくための専任の担当者を割り振るなどの人的コストは必要です。
平成29年の国土交通省の調査によるとテレワーク制度等を導入している割合は、従業員数1000人以上が25.1%と一番多く、従業員数の増加に伴いその傾向は高まります。
従業員数が1000人未満の会社でテレワークを導入したい場合や、社内で専任の担当者を置くのが難しいという場合には、テレワーク導入支援サービスを活用することで懸念を払しょくできます。
テレワーク導入支援サービスとは
導入支援サービスでは、まず専門の企業が導入にあたって環境整備や、着手すべき問題点の洗い出しをします。
そして業務遂行にあたり、必要な環境の整備や提案・導入を行ってくれるサービスです。
セキュリティ対策も万全
テレワークを導入した際に、セキュリティ上安全に業務が行えるようにするため、遠隔からセキュアに社内情報にアクセスできる仕組みを導入します。
また就業する際の情報の取り扱いに関してのルール作りも行っていきます。
セキュリティ上安全な環境で、業務を行うことを実現することで情報漏えいなどの問題を回避できるでしょう。
導入支援を行う企業
テレワーク導入支援サービスを活用するのが「働き方改革」を推進するうえでの近道と言えます。
では、実際に導入支援を行っている企業をご紹介しましょう。
Mamasan&Company株式会社
テレワーク導入企業としての実績は10年以上あり、約300名のテレワーカーを活用して幅広いビジネスを行っている会社です。
テレワークの導入のノウハウがない企業でも確実な導入が可能になるよう、クラウド型の業務環境を構築し提供しています。さらに、専門家による労働環境の整備やスタッフのコーチングの実績も評価されています。
また、テレワーク導入に不安を抱える企業に対して「テレワーク導入支援サービス」を開始しており、セミナーを開催するなどの動きも活発です。
https://mama-sun.com/jp/telework/
株式会社キャリア・マム
全国10万人の主婦会員を抱え、20年にわたる女性キャリア支援のノウハウをもった会社です。
1995年の創業時から在宅勤務制度を導入しており、昨今のテレワーク導入支援コンサルティングにも明るいです。
インターネット上でのオフィス環境の実現の為、Web会議システムやクラウドなどのインフラをご提案、駆使しています。
http://www.c-mam.co.jp/
株式会社テレワークマネジメント
「テレワークの普及」を目的として設立された会社です。テレワークの普及に向けて、企業・団体へテレワーク導入支援のコンサルティングを行っており、現在までに200社以上のテレワーク導入に取り組んだ実績があります。
https://www.telework-management.co.jp/
まとめ
2019年4月から本格的に始動し始めた「働き方改革」に頭を抱える企業担当者は多いです。長時間労働の是正や、同一労働、同一賃金と頭の痛い課題が山積みではないでしょうか。
世間で推進されているテレワークについては、導入支援サービスを利用し万全の体制で導入することで、社内の「働き方改革」に大きな貢献が期待されます。
この機会にテレワークの導入を検討されてみてはいかがでしょうか。
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