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在宅勤務は不安?ポイント押さえ不安解消

2020年3月11日 11:50 カテゴリー : BPO Times

感染症対策やワークライフバランスを充実させる働き方として、テレワークが注目されています。

テレワークを導入することで、企業は生産性の向上やコストカット、優秀な人材の確保など多くの利益が得られます。しかし、日本の企業のテレワーク導入率はまだ低い水準といっていいでしょう。

テレワークの中でも、特に注目されているのが在宅勤務です。

現在会社などで働いている社員だけでなく、企業への求人応募の際に在宅勤務制度がある会社が重視され、働き手側は多様な働き方を求めるようになりました。

では、在宅勤務導入には、どのような不安があるでしょうか。導入の不安を解消するため、押さえておくべきポイントと成功事例を紹介します。

テレワーク導入率

テレワークとは、ICT(Information and Communication Technology)を活用し、時間や場所の制約を受けない柔軟な働き方のことです。「雇用型」「自営型」に分けられ、雇用型には「在宅勤務」「モバイルワーク」「サテライト勤務」に分けられます。

実際に、テレワークはどれくらいの企業が導入しているか、日本だけでなく世界の動向を見ていきましょう。

日本のテレワーク導入率

総務省の「平成30年通信利用動向調査」によると、日本の企業におけるテレワークの導入率は19.1%、導入予定がある企業は7.2%、合わせて26.3%となっています。

調査開始時の2012年は11.5%に比べ、2倍以上上昇しており、今後も増加していく傾向になるでしょう。

特に、2016年に厚生労働省が発表した「働き方改革」では、テレワークは切り札とされ、様々な取り組みが進められています。

また、テレワーク導入がなかなか進まない中小企業に対しては助成金を行うなど、積極的に普及促進が行われています。

【参考】「総務省|平成 30 年通信利用動向調査の結果」

海外のテレワーク導入率

海外の企業におけるテレワーク導入率はどの程度でしょうか。アメリカが85%と突出しており、英国38.2%、ドイツ21.9%、フランス14.0%と続きます。

海外でもワークライフバランスの意識が高まっており、柔軟な働き方やその多様性はこれからの時代に必要だと認識されているようです。

アメリカの場合

企業で85%という高い導入率を誇るアメリカでは、どのくらい人口がテレワークをしているのでしょうか。調査によると、テレワーク人口は全就業者の20%にのぼります。

雇用型のテレワーカー1700万人、自営型1000万人弱という数字です。アメリカでは、数年前に制定された「2010テレワーク強化法」により、テレワーカーの後押しをしている状況が浮き彫りとなっています。

働き方改革で動き始めた日本

日本では、2015年度で220万人の在宅勤務者が確認されています。2016年に厚生労働省が発表した「働き方改革」で副業・在宅勤務を奨励したことから、テレワーカーの数は上昇傾向です。また、テレワーク導入の動きが鈍い中小企業への支援も活発に行っています。

なぜ?テレワークを導入すべき理由とは

テレワークを導入すべき理由は沢山あります。コスト削減や生産性の向上、社員の満足度も向上させることも期待できるでしょう。テレワークを導入することで、より優秀な人材を確保することも可能です。

コスト削減

テレワークは、会社への出社がなくなるため、通勤費を削減することが可能となります。

また、出社する人数が減ることによって、必要なスペースが縮小されるのと同時に節電になることで、オフィスコストの削減にも繋がるでしょう。

その他にも、印刷などが不必要となり紙の使用が減ることで、事務用品費や消耗品費などのコストも削減されます。

生産性の向上

総務省の調査ではテレワーク導入企業の労働生産性は、未導入の企業に比べ1.6倍となっています。すきま時間を有効活用し労働時間にあてたり、ICTの活用により専門的な問題への取り組みや解決もスムーズに行えます。

優秀な人材の採用・離職防止

テレワーク導入によって、社員のワークライフバランスは向上し満足度が高まる、また、ライフイベントによる退職を減らすなど、離職率の低下が期待できるでしょう。

このように、テレワークの活用は、優秀な人材の採用や離職防止に効果があると言えます。

人材の募集要項に「テレワーク制度あり」と記載することで応募者が増加傾向にあるなど、企業規模に関係せず見受けられ、応募者のテレワークに対する関心の高さが浮き彫りになっているでしょう。

在宅勤務への不安を無くす3つのポイント

テレワークを導入する「メリット」は理解しても、本格的に制度を導入するとなると不安が残るものです。特に在宅勤務になると、それぞれが違う環境での勤務になるため、様々な問題が出てくるのも確かです。

導入企業と在宅勤務者の双方にとって不安なく取り組めるよう、導入企業が行っている対策をご紹介します。

勤怠管理をスムーズに行う方法

在宅勤務での勤務時間は、各労働者の状況によって大きく異なります。

Webアプリケーションを活用し、中抜けの時間などの細やかなスケジュール管理や共有の仕組みが整えば、スムーズに勤怠管理を行えるようになります。パソコンに限定せず、スマートフォンやタブレット端末からも勤怠管理が行えるようにすることで、無理なく持続できるようになるでしょう。

コミュニケーションツールの活用について

在宅勤務を導入すると、社員同士の綿密な情報共有が難しく、非効率になってしまうのではと考える企業担当者は多く、コミュニケーション不足に悩む在宅勤務者も少なくありません。

ICTを活用し会議へリモート参加や、Web会議システムを活用し常時接続しておくことでお互いの姿を確認でき、遠隔地にいながら空間を共有することも可能です。

Googleドキュメントを共有すれば、複数の社員がリアルタイムで同じドキュメントを共有できるようになります。会議の参加者全員が、同じ議事録やアジェンダを見ながら参加することもできます。

評価の方法について

在宅勤務を導入しない理由として、約3割の企業担当者が「業績評価が難しいため」と答えています。

評価基準があいまいにならないよう、職種ごとに目標管理を行ったり、期初・期中・期末と個別面談を行うなどの対策が挙げられます。

上司と部下が定期的に面談を行うことにより、社員が「会社への貢献度」を確認できる機会を得て、より一層の能力開発と向上が期待できるでしょう。

在宅勤務ができるのは限られた職業だけなのか?

在宅勤務を導入できる職種は、WEB専門職種が多いと思われがちです。そのため「自社に在宅勤務は無理だ」と考えてしまう企業担当者が少なくありません。

しかし、システムなどの環境を整えることで、WEB専門職以外の職種でも、在宅勤務が可能になります。

具体的に、どのような職種で在宅勤務が導入されているか、見ていきましょう。

在宅勤務がしやすい職種

システムエンジニアやプログラマーなどのWEB専門職種は、早くから在宅勤務が導入されてきました。雇用形態も様々で、会社と雇用契約があり社員として在宅で働く人もいれば、フリーランスとして働く人も多いのが特徴です。

実は在宅勤務可能な職種

民間では情報通信業、金融業、製造業など多くの業種において、様々な職種での在宅勤務が既に導入されています。

東京都庁や大阪府庁、長野県庁、横浜市、千葉市、神戸市などにおいては、公的機関でも導入が進み、対応が可能な業務において運用が実施されているでしょう。

具体的には、営業、コールセンター、データ入力、お客様サポートなど、様々な職種で在宅勤務が可能となっています。

広がる在宅勤務

特に大企業で在宅勤務の導入が加速しており、従業員が500人以上の大企業では23.6%と非常に高い割合になっています。4社に1社が何らかの在宅勤務制度を導入している計算になります。政府の奨励の後押しによって、今後は中小企業でも在宅勤務を導入する企業が増加していくでしょう。

テレワークを取り入れた事例①

製造業の「味の素」は、約2000名がテレワークを実施しています。味の素は、2008年から社員のワークライフバランスの向上に取り組み、2017年4月よりテレワーク導入を行っています。

通勤はラッシュから解放

自宅に業務スペースがない人もテレワークができる、サテライトオフィスを導入しています。営業や出張の隙間時間を有効活用したり、自宅から最寄りのサテライトオフィスで仕事をしてから出勤することで、ラッシュ時を避けた通勤を可能にしています。

どこでもオフィス

味の素のテレワークは、利用条件が緩和されている点が特徴的です。

テレワークは「どこでもオフィス」と名づけられ、自宅やサテライトオフィス、他にセキュリティが確保され集中して勤務できる場所と選択できます。これにより、ほぼ全社員が最大週4日まで、終日から短時間まで、時間と場所を有効に活用して柔軟に働けるようになっています。

Web会議の効率的な実施への対策

テレワーク実施時のWeb会議を効率良く実施するため、ヘッドセットを全従業員に配布・携帯させています。またWeb会議を行う際に使用するSkypeなどのツールの使い方に関する勉強会を開催するなど、活用方法についての理解を促進させる機会を持ち社員へのフォローも充実しています。

テレワークを取り入れた事例②

日本航空株式会社は、2015年にテレワークを制度化しています。制度導入後もトライアルを繰り返し、現在では自宅以外での業務を認めるなど、確実にワークスタイル改革を進めています。

導入が難しい部署で開始

テレワークを浸透させるため日本航空が取った施策は、最も導入が難しい残業時間の長い部署への先行導入です。

その方法も画期的で、デスクトップPCと固定電話を撤去し、ノートPCからVDI(仮想デスクトップ環境)経由で社内システムにアクセスする改革を行っています。またペーパーレス化やフリーアドレスを進め、該当の部署の残業時間の大幅な削減に成功しています。

在宅勤務の道具

在宅勤務の道具として、日本航空ではノートパソコン、スマートフォン、VDIを「3点セット」と呼び運用しています。また、チャットやビデオ会議システムも導入、離れた場所にいてもスムーズにコミュニケーションできるようシステムが整備されているのです。

制度浸透への努力

気軽にテレワーク制度を利用できるようにするため、申請期間の短縮化を段階的に行っています。もともとは2週間前に書面での申請が必要でしたが、現在では前日までのメール申請へと利便性が向上しています。

また1日単位でのテレワークを半日取得や分割取得も可能にするなど、何度も使い勝手の良い制度へと見直しを重ねている点も特徴的です。

まとめ

近年、テレワークを本格的に導入する企業が増加しています。

既に導入している企業は労働生産性が未導入の企業と比較すると1.6倍になるとの報告も聞かれるようになりました。

しかしテレワークに不安を抱える企業も多く、導入への道のりには紆余曲折があるものです。

導入企業の例からは、テレワークを定着させるための企業努力やノウハウ、そして改革への強いリーダーシップが見て取れます。

制度導入への不安を払しょくし、成功事例を参考にポイントを押さえ一歩先へ前進しましょう。

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