「働き方改革」が進み、テレワークを導入する企業が増えているため、自社にも導入を検討している企業は多いことでしょう。
しかしテレワークの導入には、セキュアなシステム環境とツールの選択だけでなく、テレワークを運用するための社内ルール構築や就業規則の見直し、テレワーカーへの育成などさまざまな労働環境への準備が必要となります。
そのため導入に踏み出せない経営者や人事担当者も少なくありません。
今回は、テレワーク導入がもたらすメリットから、実際に導入する際の問題や課題点を踏まえ、具体的な解決策をご説明します。
また、近年話題になっているテレワーク導入の代行サービスや、おすすめの企業3社もご紹介しましょう。
テレワークとは
テレワークとはICT(情報通信技術)を活用し、オフィスなどの勤務先とは異なる場所で自由に働くことをいいます。
雇用型と自営型に分類され、雇用型は働く場所により「在宅勤務」「モバイルワーク」「施設利用型勤務」の3つがあります。
■在宅勤務
企業に所属しながら自宅を就業場所として勤務すること。
■モバイルワーク
顧客先、移動中の交通機関内、カフェなどの店舗や外出先で業務を行うこと。
■施設利用型勤務
サテライトオフィスといった、所属しているオフィスとは異なるオフィスを就業場所にして勤務すること。
テレワーク導入のメリット
テレワークの導入によるメリットは、従業員側と経営者側の双方にあります。
それぞれ説明していきましょう。
従業員側のメリット
■子育てや介護、家事をしながら就労可能
子供のいる主婦が在宅勤務をする場合、子供の世話や家事をしながら業務を遂行することが可能です。
介護者のいる家庭でも同様に業務との両立ができます。
■通勤による負担の軽減
オフィスから離れた場所に住むほど、通勤に拘束される時間が長くなり、体力的にも精神的にも負担がかかります。
しかしテレワークを導入することで、通勤時間を短縮もしくはなくすことができるため、従業員の負担が軽減されるでしょう。
■業務の効率化
テレワークの場合、予定にない打ち合わせや訪問、電話応対などによる業務の中断が軽減されるため、業務に集中することが可能となり業務の効率化が期待できるます。
またテレワークによる環境は、頻繁に会議やミーティングを行うことができないので、事前準備がきちんと行われた密度の濃い会議となります。
短時間かつ高密度のコミュニケーションで行われる会議は大変効率的といえるでしょう。
企業側のメリット
■人材の確保
テレワークを導入することで、出産、育児、介護、配偶者の転勤といった生活環境の変化が原因で離職する人材を減らすことが可能です。
結果として、優秀な人材の確保につながります。
■居住地の分散によるリスク回避
テレワークは都市部に集中しているオフィスの機能と従業員を分散するため、震災や流行病などのリスクを回避することが可能です。
業務が継続できず損害が発生する事態を避け、事業を継続することができます。
■オフィス維持費と交通費の削減
オフィスを都市部に立地すると維持費に多大な費用がかかりますが、テレワークを導入すると、オフィスを構える必要がなくなりオフィス維持費の削減が可能です。
また従業員の通勤手当を支給する必要もなくなり、コスト削減につながるでしょう。
テレワーク導入を進める問題点・課題点
前述のとおりテレワークの導入は、従業員側にも経営者側にも多くのメリットをもたらすことがありますが、労働環境面での不安から、導入に至っていない企業もあるのが現状です。
次にテレワーク導入における問題点と課題点について説明しましょう。
コミュニケーション不足
オフィスに出勤しないことで従業員同士の時間と場所の共有が減るため、コミュニケーション不足が懸念されます。
コミュニケーション不足はチーム力を希薄にし、生産性を下げる可能性があるでしょう。
そのような事態を防ぐため、従業員の間で情報が共有できる環境を構築する必要があります。
また従業員が一人で業務をする不安、孤独感を感じさせない労働環境を構築することも重要です。
長時間労働の可能性
テレワークの場合、オフィスのように労働状態を見ることができないため、従業員の労働実態の把握が難しいのが現状です。
そのため従業員は仕事の成果を上げようと長時間労働をする可能性があるので、企業側が労働時間を管理する手段が必要になります。
また従業員の健康状態を良好に保つためにも、適切な規則やルールを考える必要があるでしょう。
情報漏えいの問題
テレワークの導入は社外に情報を持ち出すことになり、情報漏えいの可能性が発生します。
作業を行うPCやスマホなどデバイスのセキュリティ対策や、社内システムにアクセスしデータを利用する際のネットワークセキュリティといった、社内の情報を安全に保つための環境整備が重要です。
具体的な問題・課題の解決方法
では、問題点や課題点を解決するには、どのような方法が効果的でしょうか。
次の3点の導入により解決が期待できます。
ICTツールの導入と人員体制やルールの確立
テレビ会議やチャットといったコミュニケーションツールや、スケジュールやタスクを共有するツールを活用することで、従業員間の情報共有を円滑にすることができます。
定期的にミーティングを行い、ICTツールの活用を適切にすれば、チーム間の信頼を保つことができ、統率のとれたチームとして機能するでしょう。
また、従業員が不安や悩み事を相談する人員体制や、安心して業務が遂行できるルールを整えることもテレワーク導入において重要です。
勤怠管理システムの導入
テレワークに対応した勤怠管理システムの導入により、従業員の労働時間管理が可能です。
オンラインによるクラウド型の勤怠管理システムであれば、リアルタイムで就業状態が確認できます。
また勤怠管理システムとあわせて、労働時間などについての就業規則やルールを確立することも大切です。
勤怠管理システムの活用と徹底したルールの作成は従業員の過剰な労働を防ぎ、労働環境を整備することができるでしょう。
シンクライアントの導入
シンクライアントとは、ユーザーが使用するクライアントPCなどの端末にデータを保存する機能を持たない、サーバー上にある仮想マシンを遠隔操作する管理システムのことです。
クライアントPCからサーバーにアクセスしデータを操作するため、情報漏えいを防ぐことができます。
シンクライアントの導入により、情報をサーバーから持ち出すことなく、オンライン上であればどこでも業務を遂行することが可能となるので、テレワークには最適なシステムといえるでしょう。
また、サーバー側の管理でシステムを一元管理できるメリットがあるため、OSなどのアップデートの管理が容易で、常に整備された業務環境の維持が期待できます。
代行サービスの活用について
テレワーク導入を代行する企業を活用し、面倒なシステム導入からテレワーカーのコーチングまで、アウトソーシングすることができます。
これにより、テレワーク導入に必要な労力と時間を軽減することが可能です。
テレワーク導入のアウトソーシングが増加している理由には、次の3点が考えられます。
セキュアなシステムの構築
テレワーク導入の代行サービスを提供している企業は、導入に必要なコミュニケーションツール、クラウド型業務サービス、労務管理システムなど、さまざまなソリューションを保有しています。
代行業者は企業の業態・従業員数・予算に合わせ、自社に必要なテレワーク環境システムを提案し、導入から運用までサポートしてくれることでしょう。
ただし代行サービスを活用する際に重要になってくることが、セキュリティ環境です。
代行業者が提案するシステム環境がセキュリティ面で安全かどうか、確認する必要があります。
就業規則や運用ルールの整備
代行サービスの中には、テレワークにあわせた就業規則の見直しや、作成・改定を行う企業があります。
就業規則がきちんと作成されていないと、企業と従業員間でトラブルが生じた場合に企業を守ることができません。
テレワーク導入における就業規則の整備は、重要な事項といえるでしょう。
また労働場所や時間、PCなどの費用負担、業績評価の方法など、運用ルールの構築も大切ですが、世の中にはこの運用ルールの構築を代行してくれる企業もあります。
テレワーカーの育成
テレワーカーが業務を遂行できるように、育成サービスを提供する代行業者があります。
実際にテレワーカーとして勤務を始めても、オフィスで勤務していたように仕事ができなければ、テレワークを導入した意味がありません。
必要なノウハウとスキルを従業員に教育し、業務の生産性が向上するための育成代行サービスは、効率よくテレワークを導入できる手段といえるでしょう。
おすすめ企業
次に、テレワーク導入を支援しているおすすめの企業を3社ご紹介します。
以下を参考に、自社に合うサービスを提供してくれる企業を探してみてはいかがでしょうか?
Mamasan&Company株式会社
https://mama-sun.com/jp/telework/
2008年からテレワーカーを活用し、バックオフィス業務、システム開発、クリエイティブ業務などのBPOサービスを提供する企業で、テレワーク導入支援サービスの提供も行います。
セキュアな環境である、クラウド型のテレワーク管理システム「ママポータル」を提供することで、顧客のICT環境構築の実現が可能です。
また自社で200人以上のテレワーカーを管理する体制と業務を多数経験している実績を活かし、労働環境整備とテレワーカーの育成をサポートします。
多数の従業員をテレワーカーに移行したいけれど、テレワークの知識がなく不安がある場合に、Mamasan&Companyは導入のサポートをしてくれるでしょう。
ドコモ・システムズ株式会社
https://ddreams.docomo-sys.co.jp/sworksquare/
仮想デスクトップサービス「s-WorkSquare」を提供し、セキュアで快適なテレワークの導入支援をしている企業です。
ドコモグループで導入・実践し、テレワークを推進させた実績を持ち、機密情報を扱う企業で安定した運用を実現しているため、性能と品質の高さに定評があります。
また、専門的な知識と豊富なノウハウを活かし、サービス導入の設計から運用支援までサポートしています。
セキュリティ基準の高い安定した運用を行いたい場合に、ドコモ・システムズは最適なサービスを提供してくれるでしょう。
株式会社テレワークマネジメント
https://www.telework-management.co.jp/
テレワーク導入においてコンサルティング中心にソリューションの提供を行う企業です。コンサルティングサービスによる支援は、顧客に安心感を与えており、200社以上の豊富な実績は、その的確なサポート力によるものです。
社労士のアドバイスをもとに、制度やルールの見直しと構築を行います。
就業規則や運用ルールの構築に不安がある場合や、導入をすでに行っているが労働環境を
きちんと整備したい場合に、テレワークマネージメントのサービスは適格にサポートしてくれるでしょう。
まとめ
自社の優秀な人材の確保と業務の効率化を図るために、今後テレワークを導入する必要性が高まってきています。しかし、自社で行えない、うまくいくかわからないといった不安があり、導入までに至らない企業は少なくありません。これまでご説明してきたテレワーク代行サービスは、安心して導入するためのサポートをしてくれます。
また導入後の運用が円滑になるよう、労働環境の構築や整備を行う代行業者もあり、たいへん画期的なサービスであるのが特徴です。
代行サービスを活用するために、テレワーク導入と真剣に向き合い、自社でどこまで対応できるか考えてみてはいかがでしょうか?
ただし、システム環境の安全面や導入から運用までのサポート内容は、代行企業よって異なるため、事前にきちんと確認し、検討する必要があります。
自社に最適なテレワーク導入を行い、業務の生産性向上を目指しましょう。
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