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顧客対応業務のテレワーク化で変わる!感染対策以外のメリットとは

2020年7月27日 10:00 カテゴリー : BPO Times

現在、通勤やオフィスなどの環境でおこりえるコロナウィルスの感染リスクから社員を守るため、多くの企業がテレワークを実施しています。

さまざまな業務でテレワーク化が進むなか、顧客対応業務のようにセキュリティやシステムなどの環境面で取り入れることが難しいと考えられる業務も見えてきました。

顧客対応は電話などでのコミュニケーションを求められるうえ、個人情報を扱う理由から性急な導入は難しいと考えられる業務の一つです。

しかし、テレワークをうまく取り入れていくことで感染のリスクを減らし、さらに顧客対応業務での人件費削減や生産性アップにつなげることも可能にします。

この記事では、顧客対応業務でテレワーク導入で考えられる課題と、成功させる方法を事例を交えて紹介します。

感染対策により進むテレワーク導入はデメリットだらけ?

緊急事態宣言により、あわててテレワークを実施した企業も多く、準備もなくテレワークを取り入れたことで、業務に支障をきたしている企業も少なくありません。

感染症対策など、テレワークにはさまざまなメリットがある反面、デメリットとなる注意すべき点もいくつか存在します。では、テレワークを導入するうえでどのようなデメリットが想定されるか、5つの内容を見てみましょう。

テレワークにあった業務内容ではない

人の手がたくさん必要になる業務や、専用の機械などを要する職種、顧客対応が求められるサービス業や作業環境が限られる製造業や販売業、または医療福祉業のような業務はテレワークには向かない職種や作業と言えます。
しかし、一人でも行うことができる作業を部分的にテレワーク化し取り入れることで、完遂ではなくとも一部分をテレワーク化し、感染予防や多様化する働き方へ対応していくことも可能となるでしょう。

情報漏えいのリスク

テレワークでは顧客対応など、個人情報や機密データを社外へ持ち出し使用する必要がある職種も多いため、社内で作業をするよりも情報漏えいが発生しやすい状態にあると言えます。社外環境では記憶媒体の紛失や盗難も心配され、作業の環境によっては外部からの閲覧も起こり得ます。また、公共のWi-Fiなどを使用する場合、オフィスのような安心のセキュリティ環境が備わっていないことも考えられます。テレワークで取引先や個人情報など機密情報を扱う際には、細心の注意が必要です。

コミュニケーションの不足

ほかの社員と顔を合わせる機会がなくなるため、管理職は部下のマネジメントがしにくくなり、会話の減少から同僚とはチームとしての一体感が薄くなる可能性も考えられるでしょう。導入の際には、スムーズな情報共有ができるよう、チャットツールやWeb会議用のツールなどを準備し、常に密なコミュニケーションをリアルタイムで取れる環境を整えて置くことが重要です。

勤怠管理の方法の違い

オフィスで顔を合わせコミュニケーションを取ることで、お互いのモチベーションや勤務状況、業務実績を把握し合うことができます。しかし、それぞれが別の場所で仕事をしているため、お互いの作業状況や環境などを把握し共有するのが困難になるでしょう。勤怠管理がスムーズに行えるツールの導入やテレワークに合わせて評価方法を定めるなど、対策を検討しておくことが大切です。

在宅で対応できる業務の線引き

現在では、コールセンターのような顧客対応を在宅で行う企業も増えてきました。そこで注意すべきは、どこまでの対応が可能かという範囲や線引きが曖昧になることで、顧客にも社員にも負担を与える可能性があるという点です。
オペレーターは問い合わせの内容に合わせて対応が必要ですが、在宅での対応が可能な作業やセキュリティ上、在宅で行うべきではない業務などが定められていない場合、対応方法に迷いが生じてしまいます。業務内容に合わせしっかりと線引きをし、マニュアルやガイドラインを設け一定のクオリティを保ち顧客へ提供するサービスの品質を維持することが重要でしょう。
また、オペレーターの裁量によって求められる幅が多くなることがあるため、どこまでの対応をするのか、ルールとして統一することも必要となります。

テレワーク導入に失敗する理由

情勢によって急を要したテレワーク導入は、社員一人ひとりの業務環境や勤怠管理、テレワークが可能な業務の線引きなど、さまざまな面でデメリットが発生してしまいます。

では、デメリットや注意点から、テレワーク導入後に起こり得る失敗について確認していきましょう。

業務フローが整っていない

テレワークを取り入れても、社内で行う全ての業務をそのまま移行できるわけではありません。急にテレワークへ移行したことで、仕事に支障が出てしまう場合が想定されます。業務フローに合わせて、普段の業務で必要な作業それぞれの扱いをどうすべきか、導入の前に確認をしておくことが得策です。

ツールやリテラシーの不足

社員のスキルやリテラシーの差によって、業務に大きな影響をあたえる可能性もあるでしょう。スムーズな業務開始ができるようデータへのアクセス方法、ツールの準備、インターネット接続など、作業環境の確認やサポートが必要となる可能性も含め準備が必要です。また、セキュリティ強化や必要に応じた研修などを行い、セキュリティ対策や情報の取り扱いが十分に安全であるか確認しましょう。

労働時間管理の難しさ

いつどのように業務を行っているかが不明瞭になるため、管理を行う側からは、勤務実態が見えにくく管理や評価が難しくなるでしょう。

また、社員もプライベートな時間と仕事を行う時間の区切りがつけにくくなり、長時間労働になってしまう場合もあります。さらに、家族が在宅で仕事を行う場合では、思うように仕事が進まずこれまでと違った時間帯で業務を行うなど、負担感を感じている社員も少なくありません。

不要なツールやシステムの導入

必要と判断しツールやシステムを準備したものの、実際の業務には不向きであり上手く活用できないといったことも考えられます。また、構築にコストがかかる場合もあり、導入したものの、活用できなかった場合には無駄な費用が発生してしまいます。安易に導入するのではなく、事前にしっかりと検討しすることが得策です。

テレワークでの顧客対応は可能なのか?課題とその対策

顧客対応は、電話やメールなどを用いて顧客とやり取りを行う業務です。コールセンターなど環境が整ったオフィスで業務を行い、在宅勤務には不向きのイメージを持たれています。

また、取引先との打ち合わせや対応には、在宅では不可能な印象もあるでしょう。

現在では、ICT(情報通信技術)を用いて、場所や時間の制約を受けず顧客対応を行うことが可能となりました。顧客対応をテレワーク化する際の課題点とその対策について見てみましょう。

場面に合わせてITツールを取り入れる

顧客対応には、お客様や取引先への応対として人と人とのやり取りが必要になります。

しかし、必ずしもオフィスの会議室や対面で対応を行う必要はありません。Web会議ソフトを導入することで、場所や時間にとらわれず複数人で会議が可能になります。

また、情報を共有しやすくするためのチャットツール導入や、スケジュール・タスク管理ツールなど必要に応じて活用し、スムーズなやりとりを実現しましょう。

コールセンターもシステム導入で在宅勤務可能に

コールセンターのように電話で顧客対応を行う場合は、システムを導入することで在宅勤務が可能になります。個人情報など多くの機密情報を要する業務では、情報漏えいへの危機管理やセキュリティ対策が必要不可欠です。そのような場合、クラウド型システムを利用することで、コールセンターのシステムをクラウドに集約することができ、さまざまなリスク回避が可能となるでしょう。

顧客対応の品質管理

顧客対応の品質はオペレーターの経験やスキルによって差があることも多く、コールセンターでの顧客対応は管理者が常に対応品質をチェック、問題の修正を行っています。

しかし、在宅勤務では管理者がリアルタイムでオペレーター管理やフォローができないため、品質や問題の修正にタイムラグが発生しやすいという課題があります。

対策としては、管理ツールや補助システムを活用し、顧客情報や応対方法などを共有する仕組みを構築することで、問題の修正や対応品質の管理をリアルタイムで行うことができるでしょう。

テレワークをうまく導入し生産性アップにつなげよう

ツールやシステムを用いることで、顧客対応でもテレワークを取り入れることが可能だと言えます。では、生産性アップにつなげるためのテレワーク導入のメリットを見てみましょう。

オフィスコストの削減

テレワークを実施することで、さまざまな側面からオフィスコストが削減できます。

在宅勤務を行う社員が増えるほど、通勤手当や移動費の補助がかからなくなるため、コスト削減に繋がります。また、オフィス自体の規模を縮小し賃料や光熱費を抑える、ペーパーレス化で事務用品費を削減するなど、大きなコストカットが期待できるでしょう。

離職率を下げ優秀な人材を確保

子育てや介護などで離職せざるを得なかった人材も、テレワークを導入することで就業が可能となり離職率を下げることができます。また、システム化することで業務効率を向上させ、適材適所への人材配置が可能となるでしょう。さらに、オフィスへの通勤をなくし時間を効率よく使用することで、社員はライフワークバランスを考えた働き方が可能になります。

管理機能のコンパクト化

ツールやシステムの構築・導入は、大きなメリットを持ちます。これまで膨大な時間を要していた管理業務を効率化したり、それぞれの社員が働く場所にとらわれず情報共有や業務を行うことで手間や時間をカットすることも可能となるでしょう。

また、業務の効率化は無駄な採用活動をなくし、雇用人数を削減することもできます。ICTの活用によって無駄をなくし企業にとって効果的な働き方をもたらすでしょう。

テレワーク導入を成功させる方法とは?事例を交えて紹介

顧客対応をテレワーク化することを目的に事前に検討を重ね、それぞれ専用のシステムを導入した企業を2社紹介しましょう。

それぞれの内容を参考に、テレワーク導入の検討材料にしてみてはいかがでしょうか。

【出典】「テレワーク優良導入モデル(導入事例集)_総務省」

アイビーシステム株式会社の事例

事前に必要な情報の洗い出しを行い、具体的な中身を整理して導入のビジョンを明確にしています。これまでのオペレーションとの連動と、在宅勤務でのコール案件の適用性を踏まえ、社外からのセキュリティとコールセンターマネジメントが標準搭載されたシステムを導入し安定的な顧客対応を可能にしているでしょう。

各手順のプロセスやエージェントとの契約内容が整理されたことで、実際の運用方法がとらえやすいもになりました。

株式会社MCMプロモーションの事例

在宅コールセンターを構築するため、在宅コール業務に転用可能なクラウド型のコールセンターシステムを検討していました。ここではクライアントが在宅でのコールセンター業務に懸念があり、クラウド化や分散化の進むコールセンター市場などの資料を作成・説明でトライアルの許可を取得し進めて行きました。トライアルの結果、汎用システムでも柔軟なカスタムができるシステムであるため導入を決定し、クライアントでの準備が整い次第、運用を開始することが決定しています。

まとめ

緊急事態宣言からテレワークへの関心が集まり、多くの企業が取り入れていくなか、急な顧客対応のテレワーク化はさまざまなデメリットや失敗の可能性が考えられます。

しかし、その問題を明確化し自社に合ったツールやシステムを導入することで、多くの場面で生産性を上げるメリットが生まれることがわかりました。

会社と社員がともにテレワーク化を成功させ、さらなる躍進を図りましょう。

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