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コールセンターにBPOを活用!そのメリットと価格を検証

2021年12月28日 10:00 カテゴリー : BPO Times

世界的なコロナウィルスの流行による経済活動の落ち込みが、重大な問題になっています。コロナ危機後の社会で生き残っていくために、企業に社員の働き方を含めた構造改革が求められていることは、想像に難くありません。

自社で物理的・経済的負担になっている業務の削減をするために何をすれば良いのか、その対策の一つとして、運営と管理に費用がかかることが避けられないコールセンター業務をBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)として外部に委託することを検討している企業の担当者も多いしょう。そのためには、コールセンターのBPOとは何なのか、どんなサービスがどれくらいの価格で依頼できるのかが事前にわかっていると安心です。

本記事では、コールセンターのBPOについて、そのサービスとメリット、そしてBPOを行う場合の価格について紹介していきましょう。

コールセンターのBPOとは

BPOとは「ビジネス・プロセス・アウトソーシング」の略で、一連の業務プロセスを外部企業へ継続的に委託することを指し、コールセンター業務においても、様々なメリットがあることから委託する企業が増加傾向にあります。

コールセンターの重要性

お客様と直接の接点であるコールセンターは、企業の窓口となってコミュニケーションをとり、新規顧客の獲得やサポートを行う重要な役割を果たします。

コールセンターの応対品質によっては、企業のイメージや顧客満足度を大きく左右しかねません。満足のいく電話応対を受けた顧客は、その企業に対して信頼感を持ち、継続的に購入する「ファン」になってくれるでしょう。特にオンラインでのやり取りが増えた昨今において、お客様の声を直接聞けるのは電話が主体となっており、そうした点でもコールセンターが担う役割が大きくなっています。

コールセンターを維持する難しさ

「コールセンターはコストセンターである」と言われるほど、コールセンターには様々な費用がかかります。コールシステムや各種ツールの導入費用、センターの賃貸料や事務用品費、光熱費や通信費、オペレーターの採用・教育・雇用にかかる各種人件費、センターを運用していくための管理コストなど数えたらきりがありません。

特にオペレーターの確保は、多くのコールセンターが抱える課題でもあり、解決しがたい懸案事項でもあります。少子高齢化が進み労働人口そのものが減ったこと、オペレーターの定着率が低いことなどもあり、潤沢な人員の確保が難しい現状です。

コールセンターをBPOする

コールセンターは顧客満足度の向上やファンの形成に非常に重要な役割があるものの、実際の運用には多くの労力と費用がかかることから、コール業務そのものを外注する企業が増えています。コール業務を外部に委託することで、先にあげたコールセンターを維持していくための様々な煩わしさから解放されるためです。また、専門に行っているBPO会社に委託することで、安定的なコール品質の維持やコールシステムを利用した的確な応対が実現することにも期待ができます。自社では対応が難しい、早朝や夜間、休日などの対応も可能になり、お客様の利便性を高めることもできるでしょう。

対応できるサービス内容

コールセンターをBPOすると言っても、実際にはどのようなサービスを依頼できるのでしょうか。コールセンター業務の種類ごとに確認してみましょう。

インバウンドコール

インバウンドとは、お客様からかかってきた電話を受けて対応する「受電」を意味し、電話の一次対応、問い合せ、予約・注文の受付などがあげられます。電話応対をするオペーレーターには、ふさわしい言葉遣いや接客態度、商品への知識やコールに必要な各種ツールの習熟など様々な能力が必要です。

もちろん自社でも対応できますが、専任のスタッフを雇うのが難かしい、受電量がオーバーして取りこぼしてしまうことなども考えられます。また、兼任で社員が電話応対している場合は、受電のたびに作業が中断され、業務の効率が落ちてしまうでしょう。取りこぼしを防ぎ、社員をコア業務に集中させたいなら、アウトソーシングの活用しコール業務を社外に出すことは一つの方法といえます。

アウトバウンドコール

アウトバウンドとは、自社からお客様に電話をかけて情報を発信する場合の業務です。新規顧客獲得のための売り込みやリサーチを目的としたもの、顧客へフォローを行うための架電などがこれに該当するでしょう。

特に顧客獲得やリサーチを行いたい場合、多くの発信作業が必要になります。そのため、アウトバウンドコールを外注することで、企業の負担は軽減されるでしょう。

また、これらの発信は一般的には受信者に歓迎されないことも少なくありません。営業や勧誘の架電を成功させるためのノウハウを持った委託業者に代行してもらうことにより、企業の売上アップにつながるのです。

さらに、これらの架電結果をデータ化し、顧客の傾向を探るマーケティング戦略を提案してくれる委託業者もあります。

コールセンターBPOのメリット・デメリット

コールセンター業務を外注することで、コストの削減や業務負担の軽減など様々なメリットが得られます。その反面、導入時の業務負担の増加やセキュリティに対する不安などもあるため、導入の際にはデメリットを理解したうえで進めることが大切です。具体的なメリットとデメリットについて確認していきましょう。

メリット①コストの削減

コールセンターを自社で運用するためには、オフィスの賃貸料やOA機器のリース費用、コピー代などの事務用品費、光熱費や通信費などが月々必要になります。また、コールセンターを新たに開設する際は、コール業務のためのコールシステムの導入やヘッドセットやPCといった機材の設置もしなくてはなりません。コール業務をBPOすることで、こういった初期投資や毎月の維持費などが不要になります。さらに、業務を行うための人員の確保や教育などの人件費コストも大幅に減らすことが可能です。

メリット②必要な人材の確保

近年の日本企業では、人材不足は深刻な問題ですが、社内にコールセンターを設置する場合には、相当数の人材確保が必要です。加えて、オペレーターの求人・採用コストや教育コスト、労務管理コストなど、業務に求められる直接的な人件費以外にも様々な費用と労力が必要になります。コールセンターを運営している間は常に、人材の確保と教育、シフト管理に追われることになるでしょう。

人的リソースが少ない中小企業にとっては、コールセンターの運営は大きな負担です。アウトソーシングを活用し、社員の負担軽減を考えることも重要です。

メリット③高い応対品質と24時間365日対応

コール業務を行うBPO企業は、コール業務に関するノウハウや専門知識を保有し、業務効率化のための様々なツールやシステムを導入しています。また、マニュアルやトークスクリプト、実施研修などでオペレーターに対する教育を施し、経験の浅いオペレーターでも高い品質を維持できる体制作りを行っています。特に、AI(人工知能)技術を利用したコールシステムで最適なFAQを作成したり、オペレーターによる入力ミスの補正、音声の自動テキスト化など、より高度で円滑な業務を進めることが可能です。

さらに、委託することによって自社では対応しにくい夜間や早朝、休日など、24時間365日対応も不可能ではありません。ビジネスチャンス獲得の可能性を広げることもできるでしょう。

デメリット①柔軟な対応が取りにくい

外注できるコール業務は、基本的にトークスクリプトに沿った定型化された応対になるため、トラブルやクレーム対応などといったイレギュラー対応が必要な際は、委託元への確認をするステップが必要となります。しかし、フィードバックを繰り返し、FAQを蓄積することでイレギュラー対応を減らし、定型化していくことは可能です。

外注先のコール業務の品質を向上させていくためにも、適切なフィードバックを継続していきましょう。

デメリット②セキュリティ対策に対する懸念

社外に出すことで、コール業務で取り扱われる個人情報などの機密情報が漏えいする恐れも考えられます。漏えいの不安を解消させるためにも、委託先のセキュリティ管理や利用規約の確認が重要です。また、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証を受けているかどうかも判断材料の一つになります。

コールセンターのBPOその価格相場は?

コールセンター業務のBPOでは、依頼する業務範囲や委託業者の料金設定やプランによって価格相場は大きく異なります。自社の求めるサービスを踏まえ、適した委託業者を選ぶことが大切です。

月額固定制の場合

月額固定制は、「基本料+月額」による料金体系で、あらかじめ定められた件数までは月額料金内で対応します。1件当たりの単価は100円~200円ぐらいであることが多く、それ以上は超過費用として、1件当たり100円~300円の相場で対応されています。

従量課金制

従量課金制は、「基本料+(受電もしくは架電件数×単価)」による料金体系です。
件数が少ない場合には月額固定制よりも費用を抑えることができます。
費用の相場としては1件当たり300円~1,000円ほどでしょう。

成果報酬制

アウトバウンド業務に特有の料金体系に、成果報酬制があります。
「基本料+(アポイントを獲得できた架電件数×単価)」の料金で、獲得件数に応じて大きく変動し、従量課金制と比べると1件あたりの単価は高くなる傾向にあります。

基本料は委託業者の人員体制や対応する時間など、依頼業務の内容によって決められています。基本料については、従量課金制の方が月額固定制よりも安いことが多いようです。

いずれの3つの料金体系についても、通常は初期費用として1万5,000円以上の費用が発生することは避けられません。

おすすめのBPO企業を3社ご紹介

コールセンター業務のBPOに対応している委託業者は、数多くあります。それぞれに得意とするサービスや価格が異なるため、自社の希望を叶えてくれる企業を選択したいものです。ここではおすすめの委託業者を3社を紹介します。

Mamasan&Company

コールセンターサービス _ Mamasan&Company

日本国内に仙台・埼玉・熊本・沖縄と4つのオペレーションコールセンターを配置し、国内・国外のリモートワーカーのオペレーションを連携させたサービスが強みです。フィリピンにもオペレーションチームを配置し、英語でのサービスも提供しています。

規模、業種を問わず、様々な企業のインバウンドおよびアウトバウンドのコールセンター業務を行ってきた実績があり、幅広いニーズに柔軟に対応してくれる心強いパートナーとなるでしょう。

経費精算は全てお任せ!楽楽精算で代行!- Mamasan&Company

トランスコスモス

日本流通産業新聞社が2019年10月に集計した「第26回コールセンター売上高調査(2018年度)」でも堂々の1位に輝いたトランスコスモスは、言わずと知れたコールセンターのトップ企業です。

顧客のデジタルトランスフォーメーションパートナーとなることを掲げており、高い技術力で、コールセンターに集まるデータの管理や活用にも長けています。国内に66拠点、国外にも103拠点を有し、グローバルに業界を牽引しています。

ビーウィズ

単一的な業務をサポートする「処理代行型」から、人事機能や業界・業種固有のオペレーションセンター機能を全面支援する「機能支援型」まで幅広いサービスを提供しているのがビーウィズです。

研修に力を入れていることにも定評があり、年間約1万5,000~6,000時間もの時間が、スタッフの研修時間として充てられています。確かなスキルを持つオペレーターによる、高品質な対応が期待できるでしょう。

まとめ

コールセンター業務をBPOすると、企業はコールセンターの設立、運営、管理のコストを削減し、業務を戦略的に活用していくための手がかりを得ることができます。

また、委託業者による質の高い応対サービスは、企業の業績およびイメージアップにも貢献することでしょう。大幅な転換が求められている今、自社の実態にあったコールセンターの委託業者を検討してみてはいかがでしょうか。

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