昨今のネットワーク技術の躍進は目覚ましく、インターネットさえつながっていれば、日本のどこにいてもメールのやり取りやデータの共有が可能になりました。それに伴い、東京などの都市部を中心に、コワーキングという働き方が広まりつつあります。
コワーキングとは、主にフリーランスや小規模事業者が設備や空間を共有しながら、それぞれの仕事を行なうことです。コワーキングスペースを活用することで、インフラなどのオフィスコストの削減やより利便性の高いワークスペースの確保、他業種のワーカーとの交流など、さまざまなメリットがあります。
シェアオフィスとの違いに触れつつ、コワーキングスペースの基本的な利用方法、活用するメリットやそれに伴うデメリットへの理解を深め、仕事の効率をあげていきましょう。
コワーキングスペースとは?シェアオフィスと違う?
コワーキングスペースを英語で書くと「Coworking space」です。接頭語にあたる「Co」は「共同」の意味を持ち、「Coworking space」は「共同で働く場所」のことを指します。
コワーキングスペースとはどのような場所なのでしょうか。
シェアオフィスとの違い
今やコワーキングスペースにはさまざまな形態のサービスが提供されており、まるでシェアオフィスのような使い方ができる店舗もあります。そのため、コワーキングスペースとシェアオフィスには、はっきりとした線引きがあるわけではありません。
大まかな傾向としては、コワーキングスペースは図書館の自習室のように空いている席を利用し、シェアオフィスはブース分けされた占有スペースを利用する使い方が多いといえます。
コワーキングスペースの利用の仕方
多くのコワーキングスペースには、大きく分けて2つの料金プランが用意されています。
1つは毎月定額を支払う「月額制」、もう1つは1日単位や時間単位で利用する「ドロップイン」です。コワーキングスペースを頻繁に使う予定があるなら、月額制を利用したほうがコストを抑えられますし、出先などでの単発利用でしたら、時間制のドロップインを利用すると良いでしょう。
また、料金は高くなりますが自分専用の席を確保するサービスもあり、いつでも使える自分用の小さなオフィスとして利用することも可能です。
コワーキングスペースは増加傾向に
InfoComニューズレターによると、2019年8月時点で全国802施設のうち、その約4割が東京都に集中していることがわかります。続いて大阪府、神奈川県、兵庫県、愛知県と続いていきますが、やはり都市部を中心とした広がりに限定されるようです。
しかし、ネット技術が向上しテレワークの導入が進むにつれて、このようなコワーキングスペースは、都市部のみならず地方においても、これからも増えていくことでしょう。
【参考】コワーキングスペースの現状と展望~働き方改革とICTが拡大を後押し
コワーキングスペースを活用するメリット
コワーキングスペースは、さまざまなサービスや設備が充実しており、すぐにでも仕事を始められる環境が整っています。コワーキングスペースのメリットを理解し、上手に活用しましょう。
オフィスコストを抑えられる
会社を立ち上げ、オフィスを構えようとすると、敷金や賃料、デスクや椅子などの備品類、プリンタやFAXなどの機器類、水道光熱費などさまざまな準備が必要となります。当然、ネット環境の整備も必要となりますので、オフィスとして機能させるにはコストと手間がかかります。
しかし、コワーキングスペースを利用すれば、こういった環境があらかじめ整っているうえ、利用プランに合わせた使用料を支払うだけで良いので、オフィスコストと準備にかかる手間を大幅に抑えることが可能です。
ワークスペースとして便利に使える
コワーキングスペースはテレワーカーのワークスペースとしても便利です。自宅で仕事をしていても、同居の家族の目や音が気になったり、テレビなどの誘惑が多かったりと、集中力を散らすことも多いでしょう。
また、自宅での仕事はプライベートとの切り替えも難しくなります。コワーキングスペースなら、オフィス環境が整った場所をすぐに利用でき、周囲の雑音を防ぎ、集中してメリハリのある仕事を行うことが可能です。
また、営業職など移動の多いテレワーカーが、移動の先々で使う臨時ワークスペースとしての便利な使い方もあります。とくに複数店舗を展開しているコワーキングスペースなどは、店舗をまたいで利用することもできるでしょう。
新たなビジネスにつながる可能性がある
コワーキングスペースには、さまざまな人が集まるため、独りで仕事をしていては会うことのない多種多様な業種・業界の人たちとの接触機会が増えます。同じ空間を共有し、互いに交流をすることで、情報交換やスキルアップ、さらには新たなビジネスの創出につながる可能性があるのです。
また、こうした交流を促すため、コワーキングスペースによってはカフェスペースや休憩室が設けられていたり、施設主催の交流会が開かれています。
コワーキングスペースを活用する際の注意点
テレワークや新規企業などで手軽に利用できるコワーキングスペースですが、利用するにあたりいくつか注意点があります。
この注意点を踏まえ、より快適なコワーキングを行ないましょう。
作業環境が合わない
コワーキングスペースの利用に際して、机が狭く作業しにくい、回線が重く思うようにアクセスできない、人の話し声などの雑音が多いなどさまざまな不満点が出る場合があります。
コワーキングスペースによって、ワークスペースの大きさや配置、ミーティングルームや個室ブース、カフェサービスの有無など提供サービスは千差万別ですので、自分にあった環境かどうかを確認するには、やはり実際に利用してみるのが一番確実です。
機密の取扱いに注意が必要
コワーキングの主な利用形態としては、オープンスペースでの仕事環境の共有です。当然、自分以外にもそこで働いているワーカーがいます。その中では、顧客に関わる話もできませんし、パソコンを使用する際も他者に機密情報が見られないよう気を使う必要があります。カフェなどと同じ公共のスペースだと認識し、情報の取り扱いには注意しましょう。
人付き合いの負担
同じコワーキングスペースを利用している者同士で、交流を深めるという点にも良し悪しがあります。関係性が良いときは問題はありませんが、煩わしいと感じるようになってしまった場合、そのままそのコワーキングスペースを利用し続けることは難しいかもしれません。
仕事の効率を下げないためにも、個室のスペースを利用するか、自分にあった雰囲気の別のコワーキングスペースを探す必要があります。
新宿でおすすめのコワーキングスペース
新宿は新宿駅を中心とした繁華街・歓楽街・オフィス街をもつ、渋谷・池袋と並ぶ3大副都心の一つです。超高層ビルが林立する、新宿は東京有数のビジネスの発信地であり、都心への交通の便も良いので、新しく起業する方にも適しているでしょう。ビジネスの手助けとなる、新宿でおすすめするコワーキングスペースをご紹介します。
Mamasan&Company
新宿アイランドタワーにあるアクセス良好、好立地のコワーキングスペースです。本店登記も可能なバーチャルオフィスサービスや03番号発信可能なIPフォンサービスもあり、新会社立ち上げのスモールスタートに活用できます。
<利用可能時間帯>
平日 9:00 ~ 18:00
<料金例>
■フリースペース利用 ¥20,000 / 月
■バーチャルオフィス契約(オプション)+ ¥15,000 / 月
https://mama-sun.com/jp/co-working/
パセラのコワーク
会話通話NGの集中ブースエリア、会話通話OKのリラックスフリーエリアなど、利用シーンに合わせエリア分けされており、幅広いシチュエーションでの利用が可能です。ミニキッチンや複合機、PCモニタなど設備も充実しており、個室ブースが利用できるのも嬉しい点です。
<利用可能時間帯>
平日 9:00~23:00 土日祝 9:00~22:00
<料金例>
■1DAYマルチ ¥2,500
※同日限りパセラのコワーク全店利用OK
■新ライトマンスリー会員 ¥20,000 / 月
https://www.pasela.co.jp/coworking/
BIZ SMART西新宿
積水不動産が都内主要エリア5拠点に展開するコワーキングスペースの1つです。交通の便がよく、超高速回線やOAルームなどの設備やドリンクなどの各種サービス、セキュリティも充実しています。
<料金例>
■コワーキングスペース1DAY利用 ¥2,000 (利用可能時間帯:平日 9:00~20:00)
■シルバー会員 ¥20,000 / 月 (利用可能時間帯:平日 8:00~22:00)
http://www.biz-smart.jp/office/nishi-shinjuku/
まとめ
新規事業を始める人にも、テレワークのためのスペースを求めている人にも、コワーキングという働き方には大きなメリットがあります。オフィスコストを抑えた、起業のスモールスタートが切れることに加え、設備の準備や管理に労力を割かなくて済むからです。
さらに、コワーキングスペースによっては、OA機器や会議室の貸し出し、ラウンジやフリードリンクなどさまざまなサービスも受けられ、トイレやラウンジなどの共有部分の管理も当然お任せできます。
コワーキングスペースを活用すれば、少しの投資で、仕事がすぐに始められる環境が手に入ります。利用を不安に感じる方は、まずは1DAY利用からチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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