日本政府により労働環境改善のため働き方改革が推奨されており、そのなかでもテレワークを導入している企業が増加中です。
テレワークとはICT(情報通信技術)の活用により、会社以外の場所や好きな時間に仕事をする柔軟な働き方のことで、厚生労働省がテレワーク導入マニュアルを公開したり、2020年までの7月24日はテレワーク・デイとするなど、今注目が集まっています。
しかしテレワークを導入するには、システムの構築やセキュリティ面での不安や、社員の勤務時間が把握しにくいなど、さまざまな問題が発生することがあります。
今回は、導入時に具体的にどのような問題や弊害が起こるのか、そしてその解決策と対策方法について紹介しましょう。
テレワーク増加の背景
日本政府が「積極的に実現するべき働き方の目標」として位置づけているテレワークは、長時間労働の削減や、介護・育児との両立など、働く側の多様化するニーズに対応するための取り組みの1つです。
昨今では、このテレワークを導入している企業が増えてきていますが、その理由には以下のような背景があげられます。
社員にゆとりができ会社はコスト削減が望める
ITツールを活用し、在宅でも就業を可能とすることで出社の必要性がなくなります。そのため、働く側は通勤時のストレスが減り、時間的なゆとりが生まれます。
また会社側にとっても、交通費やオフィスのスペース確保が不要になり、長期的なコスト削減が望めるでしょう。
優秀な社員の離職抑止と人材確保
在宅勤務などの選択肢が増えることで、介護や育児と仕事の両立がしやすくなり、優秀な社員の離職抑止に繋がります。
またスキルを持っているがやむを得ない事情で長時間勤務が困難な人や、高齢者など、人材確保のための幅も大きく広がるでしょう。
勤務時間の短縮と業務の効率化
テレワークであれば通勤や雑用などに使っていた時間も業務に充てることができるため、結果として勤務時間を短縮させることができます。
また、営業職などオフィス以外での仕事が多い場合にも、テレワークを利用することで出先や移動中の隙間時間を使って、効率的に業務を行うことが可能です。
【参考記事】「業務効率化のお悩み、テレワークで解決しませんか?」
導入の際の問題点
業務の効率化や人材の確保など、多くのメリットがあるテレワークですが、それでも導入を躊躇する企業は多くあります。
総務省の調査によると、従業員300人以上の企業では23.0%、300人未満の企業では10.2%と従業員数が多い企業ほど導入が進んでいます。その反面、特に中小企業では導入前の準備に労力がかかる、セキュリティやシステムが不安といった声が上がっているのです。
そこでテレワークを導入する際の問題点を、具体的に見ていきましょう。
出典:総務省 テレワークの動向と課題について
労働時間の管理
オフィス勤務であれば、タイムカードや、社員と顔を合わせることで出勤や勤務時間の確認ができますが、テレワークは他人の目が届かない場所で仕事をしているので、労働時間管理の難しさがデメリットとなります。
適切な勤怠管理の仕組みを構築していない場合は、まずルールの整備を行いましょう。
セキュリティリスク
場所を選ばず業務を行えるテレワークですが、社外に業務用のパソコンやスマートフォン、タブレット端末を持ち出すこともあるでしょう。しかし社外での業務は、端末の紛失・盗難の危険性があります。
また、ネットワークも社外のものを使用するため、情報漏えいをはじめとする様々なセキュリティリスクにも気を付けなければなりません。
そのためセキュリティの強化や、新しいシステムの導入など、しっかりとした対策をすることが必要です。
コミュニケーション不足による組織力の低下
テレワーク導入で、コミュニケーション不足から情報の共有がスムーズにいかないケースや、社員が孤独感を感じるという問題もよく上がってきます。
コミュニケーション不足は組織力を希薄にし、会社全体の生産性を下げる恐れがあるため、注意しなければなりません。
そのような事態を防ぐため、情報共有しやすい環境の構築や、従業員が孤独や不安にならないような仕組みを整えることも重要になってくるでしょう。
導入における課題の解決策や対策方法
導入における問題点は、どのように解決すれば良いでしょうか。
参考例として、総務省からは「テレワーク導入支援事例集」が発表されており、多くの企業が様々な方法で課題を解決しています。
また、他にもさまざまなITツールを活用することにより、対策をすることができます。その具体的な方法をご紹介しましょう。
出典:総務省 テレワーク導入支援事例集
勤怠管理システムを導入する
勤怠管理をするために有効な方法は、テレワークに対応した勤怠管理システムを導入し、就業開始・終了時刻を見えるようにすることです。オンラインのクラウド型勤怠管理システムであれば、リアルタイムに就業状態が確認できるようになります。
更に導入するにあたり、テレワークの就業規則や労働時間についてのルールを構築することも重要になるでしょう。勤怠システムの活用と社内ルールの作成は、従業員の過剰労働や負担を防ぐためにもベストな方法といえます。
セキュリティ性の高いシステムを導入する
テレワークには、リモートデスクトップやクラウド型アプリ、仮想デスクトップなどのセキュリティ性の高いシステムが複数あります。
例えばそのひとつである「シンクライアント」は、ユーザーが使用するクライアント端末にデータを保持する機能をもたず、なおかつ利用を制限することもでき、どこからの接続でもセキュアな環境での作業が可能です。
このようなシステムを活用することで、ウイルス感染や情報漏えいのリスクは格段に下がることでしょう。
ICTツールを導入する
コミュニケーション不足による生産性やチーム力の低下については、ICTツールを活用しましょう。WEB会議やチャットなどのコミュニケーションツール、ファイルやタスク共有ツールなど、うまく活用することで素早い情報共有や話し合いを行うことができるため、密なコミュニケーションが可能になります。
同様にコミュニケーションを高めていくことで、悩みや不安を相談しやすく、テレワークでの距離を感じさせないような環境を作っていくことも重要です。
課題や弊害を解決する「導入支援アウトソーシング」
テレワーク導入における課題や弊害を一気に解決する方法として、導入支援のアウトソーシングがあります。
多くのノウハウを持つ外部企業に任せることで、懸念されている複雑なシステム導入から労働環境の整備、さらにコーチングまで行うことで、問題を解決へと導いてくれるでしょう。
そこで、導入支援アウトソーシングを活用するためのポイントをご紹介します。
テレワークのシステム環境構築
導入代行は、セキュアな業務環境をクラウド上に構築し、テレワーク管理システムを提供してくれます。さらに情報通信システムやコミュニケーションツール、データやファイル共有ツール、勤怠管理システムなど、自社に必要なツールの提案やシステムも、必要に応じて構築・運用の依頼が可能です。
予算やニーズ、従業員数によって提供するサービス内容を変更するなど、柔軟に対応してくれる代行企業も多くあります。
育成サービスの提供
導入支援アウトソーシングには、スムーズに業務を遂行・管理ができるよう、テレワーカーの教育や育成まで行っている企業も存在します。
会社側にも、導入したシステムの使い方及びツールの活用法の指導や、さまざまなITツールのマニュアル作成、従業員の育成やヘルプデスクの設置など、細かいサポートを行ってくれる企業があるので、しっかりリサーチしましょう。
おすすめ企業
テレワーク導入を支援する、おすすめの企業を3社ご紹介します。
Mamasan&Company株式会社
https://mama-sun.com/jp/telework/
世界中で活躍するワーカーが200人以上在籍し、10年以上のテレワーク導入実績を活かしてトータルサポートをしてくれる企業です。
セキュアなクラウド型業務環境を構築しており、他にもバックオフィス業務や育成サービス、システム開発なども行っているため、細かい部分までの支援が可能です。
ドコモ・システムズ株式会社
ドコモグループが自ら仮想デスクトップ「s-WorkSquare」を活用し働き方改革を実践しており、セキュアなテレワーク導入を提案から運用まで支援してくれます。
5万台を超える構築と運用実績があり、セキュリティ基準の高い企業も安心して導入が可能になるでしょう。
株式会社テレワークマネジメント
https://www.telework-management.co.jp/services/consulting/
200社・団体を超えるコンサルティング実績があり、業務の運用からITシステムの活用法までトータルでサポートをしてくれます。
トライアル期間があり、初めてテレワークを導入する企業や導入内容を見直したい企業にもおすすめです。
まとめ
働き方改革の1つとして「テレワーク導入」が注目されているなか、導入時に発生するシステムやセキュリティの構築の不安、社員同士のコミュニケーション不足など、さまざまな課題が壁になっている企業もあることでしょう。
そのような際には、「導入支援アウトソーシング」を検討してみてください。多くの実績を持つ導入支援企業が、多くの課題や弊害を解決してくれるはずです。
テレワークをスムーズに導入し、上手に活用して仕事の活性化や従業員の意欲向上へと繋げていきましょう。
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