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業務プロセスと業務フローの違いとは?効率化のための可視化と改善方法

2024年11月20日 09:00 カテゴリー : BPO Times

「業務改善のために業務プロセスを見直してほしい」

「業務フローを参考に、適切な人材配置を検討しよう」

会社のなかで「業務プロセス」と「業務フロー」という言葉をよく耳にしますよね。しかし、この2つの言葉の違いが曖昧になっているケースも多く、何が違うかわからないとお困りではありませんか?

本記事では、業務プロセスと業務フローの違いを解説します。

業務プロセスと業務フローはどう違う?

「業務プロセス」と「業務フロー」は、どちらも業務の流れを整理する方法です。「業務プロセス」は業務の全体の流れを、「業務フロー」は各業務工程の細かい手順を見るのに役立ちます。

それぞれの特徴を理解し、効果的に活用しましょう。

業務プロセスの定義とは?全体の流れを把握しよう

業務プロセスは、業務を大きな流れで見たものです。会社全体の仕事の流れが把握できます。

例えば、製造業における受注から納品までの業務プロセスは以下の通りです。

  1. 見積依頼を受ける
  2. 製品仕様を確認する
  3. 見積書を提出する
  4. 受注する
  5. 製造する
  6. 納品する
  7. 請求する

部門間でどのように業務が受け渡されているのかが明確になり、連携における問題点を発見しやすくなる点がメリットです。複数の部門で同じような作業が行われていないか、不要な工程はないか、などが見えやすくなるため、改善策も浮かびやすくなります。

また、新規事業の計画も立てやすくなります。既存業務の流れを理解していれば、新しい取り組みがどの部分に影響を与えるのかを予測して導入できるためです。

業務フローとは?細かい手順を把握しよう

業務フローは、各業務の作業内容を具体的な手順で示したものです。会社によって、業務の流れを指す場合と、業務の流れを表す図を指す場合があります。

例えば、製造業における「見積書を提出する」部分の業務フローは以下の通りです。

  1. 原価を算出する
  2. 仕入先に部材の価格を確認する
  3. 製造工程の工数を見積もる
  4. 利益率を計算する
  5. 見積書を作成する
  6. 上長の承認を得る
  7. 顧客へ送付する

業務フローを明確にするメリットのひとつは、品質の均一化です。誰が担当しても同じ手順で作業を進められるため、安定したサービスや製品を提供できます。

また、各工程にかかる時間が明確になり、納期設定や人員配置の計画に活用できるのも魅力です。特定の個人の経験や勘に頼らない業務の進め方が確立されるため、チーム全体のスキル向上に役立ちます。

業務プロセス図と業務フロー図の違い

業務プロセス図は、会社全体の仕事の流れを表した図です。例えば、営業部門から製造部門、そして配送部門へと仕事がどのように流れているかが一目でわかります。

一方、業務フロー図は一つひとつの作業をどのような順番で、どのように行うのかがくわしく記載されています。「もし在庫がなかったら」「お客様から特別な要望があったら」などの対応も細かく決められているため、業務フロー図を見るだけで迷うことなく作業を進められるのが特徴です。

2つの図は、活用の仕方が異なります。経営者や管理職は、業務プロセス図で全体の流れを把握するのが一般的です。対して、現場で働く社員は業務フロー図で具体的な作業の手順を確認します。

業務プロセス改善が必要な会社の特徴

会社で以下のような問題があれば改善のチャンスです。

  • 業務の遅れが多い
  • ミスが減らない
  • 残業が多い
  • 顧客からのクレームがある

これらの問題は、個人だけの問題ではなく、業務の進め方に原因があるケースも少なくありません。社員の努力だけでは解決が難しい場合もあります。個人の生産性に目を向ける前に仕事の仕組みを見直すことで、職場環境の改善にも寄与します。

業務プロセスの改善手順

業務プロセスの改善は、以下の手順で行います。

  1. 業務プロセスを見える化する
  2. 改善点や課題を明確にする
  3. 改善策を検討する
  4. 改善策を実施して効果を検証する

方向性がわからないまま業務改善を進めると、効果が出るまでに時間がかかってしまいます。手順や意図を理解し、業務プロセスをスムーズに改善しましょう。

業務プロセスを見える化する

業務の流れを可視化することは、改善の第一歩です。

例えば、営業担当が書類を作成した後、上司に提出するまでにどのような手順を踏んでいるかを以下のように書き出してみてください。

  1. 上司に承認をもらう
  2. 総務部に承認をもらう
  3. 経理部に承認をもらう
  4. 上司に提出

業務の流れを書き出して整理すると、「実は3つの部署でそれぞれ同じ作業をしていた」「この確認作業は本当に必要か?」などの気づきが生まれます。また、少数が知っている効率的な手順を発見でき、社内で共有できるのもメリットです。

改善点や課題を明確にする

業務の流れを見える化したら、次は課題や問題点を探し、その原因を見つけます。

よくある課題や問題点は以下の通りです。

  • 決裁に時間がかかりすぎる
  • 同じような報告書を何度も作っている
  • 必要な情報がすぐに見つからない

たとえば、決裁に時間がかかる原因には、承認者が多すぎたり、紙の書類を物理的に運ぶ必要があったりすることが考えられます。問題の原因をつきとめることで、改善方法も見えてきます。課題が多数ある場合は、それぞれの課題解決によるメリットやかかる時間を考慮し、優先順位をつけて効率的に進められましょう。

改善策を検討する

課題や問題点を明確にしたら、改善に向けて施策を検討します。主な改善策は以下の3つです。

  1. ムダを減らす:必要のない作業や重複を無くす
  2. 標準化する:誰がやっても同じ結果が出るようにする
  3. 自動化する:機械や外部に任せる

ムダを減らす方法としては、承認プロセスの簡素化が効果的です。例えば、似たような内容の報告書が複数存在する場合は、1つにまとめることで作業時間を短縮できます。権限を整理して書類の承認者をしぼるのも方法のひとつです。

標準化による改善では、作業手順書やチェックリストを活用する方法が一般的です。経験の浅い社員でもミスを防ぎながら正確に作業できます。

自動化は、単純な作業を機械や外部に任せることで効率を上げる方法です。例えば、パソコンでの入力作業や書類のデータ化を機械や外部に任せることで、手作業の時間を減らせます。ただし、一度に大きな改善を行うのはおすすめしません。小さな改善を少しずつ実施することで、どの改善が効果的だったかを判断しやすくなります。

改善策を実施して効果を検証する

効果を検証する際には、以下の2つの側面から確認しましょう。

1つ目は数字で見える成果です。

  • 作業時間の測定:1作業あたりの所要時間や残業時間
  • エラー率の減少:作業ミスや書類不備の件数
  • 顧客満足度の向上:クレーム件数やアンケート結果など

2つ目は現場の実感です。定期的に作業者の声を集めて、以下の点を確認しましょう。

  • 作業のやりやすさは向上したか
  • 新しい手順はわかりやすいか
  • さらなる改善の余地はないか

また、良い変化があった場合は社内で共有すると、改善に前向きな社員が増えて業務効率化を進めやすくなります。

業務プロセスをすぐに改善する方法

業務改善の内容によっては、効果を実感するまでに時間がかかるケースもあります。できるだけ時間をかけず、短時間で改善できる方法を3つ紹介します。

業務可視化ツールを取り入れる

業務の流れを簡単に図に起こせる業務可視化ツールを取り入れるのもひとつの方法です。

付箋を貼るように作業を追加したり、矢印を引いて順番を示したりできるツールなど、社風に合った使いやすいものを選べます。業務改善に欠かせない見える化を楽に進められる点が魅力です。とくに、在宅勤務を取り入れている会社では、オンラインで仕事の流れを共有できるため、複数の社員が同じ画面を見ながら改善点を話し合えます。加えて、業務可視化ツールでは、従業員の業務中の動きも可視化します。時間がかかっている業務は何か、従業員の業務量に偏りはないかなどを把握し改善が可能です。

業務を効率化するITツールを導入する

業務プロセスをすぐに改善したい場合には、業務効率化につながるITツールの利用を検討してみましょう。

例えば、以下のITツールが便利です。

  • 文書管理ソフト:文章の作成・保存・共有を行うツール
  • 顧客管理ツール(CRM):顧客情報や対応履歴を一元管理するシステム
  • 営業支援ツール(SFA):商談の進捗や売上予測を管理するシステム
  • 経費精算システム:領収書の登録や承認を電子化するツール
  • 備品管理ツール:在庫状況を把握するシステム
  • 労務管理システム:勤怠管理や有給休暇の申請を効率化するシステム

ただし、ITツールは使い方の習得に時間がかかるケースもあります。導入する際は、社員への丁寧な研修を行い、困ったときのサポート体制を整えておきましょう。

アウトソーシングやBPOを活用する

自社の業務の一部を外部に任せる方法も効果的です。

例えば、コールセンターや経理業務など、専門性が必要な業務を外部の得意な会社に委託することを「アウトソーシング」と呼びます。一方、「BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)」では、業務の流れ全体を一括して外部に任せる方法です。

例えば、採用業務なら「求人広告の作成→応募者の一次選考→面接日程調整→内定通知の作成」といった一連の流れを専門会社に任せられます。アウトソーシングやBPOの活用は、定型業務を外部に任せることで、自社の強みとなる業務に集中できるのが利点です。社員の業務量に余裕ができ、生産性の向上にもつながります。結果的に、顧客サービスの向上や売上アップも期待できます。

業務プロセス・フローを使い分けて業務効率化を成功させよう

業務プロセスと業務フローは曖昧な意味のまま使われがちですが、以下のように明確に異なります。

  • 業務プロセス:業務全体の流れを把握するもの
  • 業務フロー:各業務の作業内容を具体的な手順で示したもの

それぞれの違いを正しく理解し、適切に活用しましょう。

また、業務プロセスや業務フローの可視化は、業務改善に欠かせない要素です。しかし、はじめて業務プロセスを改善する場合、方向性に迷いが出て時間がかかるケースも多くあります。

業務の改善に悩んだら、ぜひ一度「Mamasan&Company」にご相談ください。業務プロセスの可視化やバックオフィス業務の効率化をサポートいたします。

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