人手不足の解消やコストの削減をするため、多くの企業が日々「業務改善」に取り組んでいます。業務を効率化することで、コスト削減や社員の負担軽減だけではなく、属人化の解消や業務の標準化、人為的ミスの低減や安定的な業務運用も実現可能です。しかし、通常業務を行いながら業務改善をしていくことは簡単ではありません。実際に、はたらこねっとによるアンケートによれば、63%の勤務先で無駄な業務があるという結果も出ています。
今回は、業務改善の基本的な考え方や改善のための「業務可視化」、業務改善にアウトソーシングを活用するメリット・デメリットについて見ていきましょう。
業務改善で効率化!実現する方法とは
業務の改善や効率化は、すべての企業にとって重要な課題です。そのための改善方法として「排除」「結合」「入替」「簡略化」で構成される「ECRS」の4原則があげられます。まずは、それぞれの具体的な手法を確認していきましょう。
排除(Eliminate)
排除とは無くても困らない業務を省くことで、業務改善の際に一番最初に行うものとされています。必要な業務と不要な業務を線引きし、形骸的に行ってきた業務の廃止やサービスの縮小などを行います。具体的には、多すぎる検査回数の省略、無駄な会議や報告書作成の削減、利用の少ないサービスの廃止などが考えられます。
結合(Combine)
結合は類似の業務をまとめることです。同じような業務を一度に行うことで、それに必要な機器やデータの準備が一括でできます。場合によって、一緒に行っていた業務を分離する必要があるため柔軟な思考が必要です。
入替(Rearrange)
業務の順番や場所を入れ替えて、業務の効率化を図ります。作業の流れに合わせて物の配置や順番を変えたりすることがこれに該当しますが、即時的な効果はあまり多くはありません。しかし、長期的な視点から見れば大きなコスト削減に繋がります。
簡略化(Simplify)
システムを活用した業務の自動化や業務のパターン化を行うなど、業務を単純化できる方法を検討します。業務を定型化し、人の手で行う業務を減らすことでコストの削減や業務の標準化を実現することが可能です。
改善を進めるための重要なポイント
実際に業務改善を行うためには、必ず事前に「業務の可視化」を行う必要があります。業務可視化の重要性や流れ、改善点の洗い出しについて見ていきます。
現状把握の重要性
業務を改善化するために、最初に行うべきことは「業務の可視化」です。現状把握ができていないと具体的な改善策を検討することが難しいため、いつどこで誰が何をどのように行われているかを可視化することが、業務改善を行う上で非常に重要な役割を果たします。
業務可視化の流れ
業務可視化のプロセスは関係各所へのヒアリングから始まります。ヒアリングを通して、業務を細かく洗い出し整理するとともに、部署間の関係性を明らかにすることが重要です。そして、フローチャートやマニュアルを活用し、業務を誰が見ても一目でわかるような形に落とし込みます。
改善点の洗い出し
現状を把握したうえで、先ほどあげた「ECRS」の4原則に則り、改善できる点がないかどうか検証していきます。部署間や担当者をまたいで重複している作業や不要な作業などがないかを確認しながら、フローの改善を行うことで業務の効率化が可能です。
自社で可視化を行うメリット・デメリット
業務プロセスの可視化は、自社で実施することも可能です。自社で行うメリット・デメリットは以下の点があげられます。
メリットは事前の情報収集がしやすいこと
予め自社の業務に関する予備知識を持っているため、ヒアリングするポイントが分かっていることはもちろん、ヒアリング時の聞き取りもスムーズにできます。また、既にコミュニケーションの下地もできているため、下準備の手間も省けるでしょう。
しがらみが障害に?自社の可視化のデメリット
業務を可視化する際、ベテラン社員のノウハウをいかに引き出せるかがポイントになりますが、自分が確立したノウハウを出したがらない社員もいるでしょう。業務改善担当者とベテラン社員、また部署間の力関係によっては、十分なヒアリングができない恐れも考えられます。
業務プロセス可視可サービスのメリットとは?
続いて、プロセス可視化を専門業者にアウトソーシングした場合のメリット・デメリットについても見ていきましょう。
自社のリソース不足を補える!
通常業務が立て込んでいる場合、業務の可視化や改善まで手が回らないこともあるでしょう。属人化や非効率な業務に悩んでいても、それを解決するための人員や時間がないのです。そうした場合も、外部のリソースを活用することで、通常業務へ支障をきたすことなく業務改善を進めることができます。
業務改善の経験豊富な専門家からのアドバイスが受けられる
業務プロセス可視化サービスを提供している会社は、様々な企業に対して可視化や改善を行ってきたという経験やノウハウがあります。専門家ならではの的確なアドバイスが受けられることも大きなメリットの1つです。
第3者の視点からの改善提案が可能
外部の人がヒアリングを行うことで第三者目線からの改善提案が可能です。今まで慣例として行ってきた業務に対して疑問を呈したり、属人化した業務に対する忖度の無い業務の洗い出しもできます。自社の社員だけでは難しい、業務の可視化・改善にも期待が持てるでしょう。
Mamasan&Company業務可視化サービス!4つの可視化
Mamasan&Companyは設立当初からテレワークによるBPOサービスを展開しています。時短のテレワーカーでも業務が滞りなく行えるよう、全ての業務にフローチャートやマニュアルを作成し、常に業務改善を行っています。その経験とノウハウから「4つの可視化」を行い、より効率的な業務改善の提案が可能です。
ルールの可視化
業務手順やルールをフローチャートや鳥瞰図、業務マニュアルなどの定型フォーマットで作成し、本来あるべき業務手順の姿へ落とし込みます。フローチャートやマニュアルを使い目に見える形で共有することで、業務に関わる全員が「正しい進め方」を理解し、「効率の良い進め方」や「ミスのない進め方」を実行することが可能です。
さらに、業務の属人化を防ぎ、引継ぎの簡素化や業務の標準化をするとともに、業務上の課題を発見しやすくします。
実績の可視化
フロー改善前後の差分、タイムスケジュールやステップの差分、担当者や使用ツールの差異などを分析し、差分フローチャートを作成し、改善効果の可視化を行います。
プロセス負荷の可視化
業務にかかるすべてのコスト、時間や人員数、中間アウトプットやシステム投資に対して、想定以上の負荷が派生しているポイントを書き出し、見やすく図で表現します。意思決定者が判断しやすいよう、改善前後のコスト増減やステップごとの削減率を可視化します。
アウトプットの可視化
帳簿類などの各プロセスのアウトプットを洗い出し、不要なアウトプットを排除します。
アウトプットの目的や必要性を“疑いの目”で分析し、アウトプットの是非を検証します。
業務改善は業務プロセス可視化から
コストの削減や人材不足の解消のため、業務改善は企業にとって重要な課題です。しかし、社内で業務改善や可視化を行うためには、そこに割く人員が必要なうえ、経験やノウハウが求められます。さらに担当者間や部署間の力関係によるしがらみなどを考えると、外部からのリソースを活用したほうが効果が期待できるでしょう。
長期的にみれば業務そのものを改善していくことは、企業にとって大きなメリットが得られるため、是非アウトソーシングの活用も視野に入れ、積極的に行っていきたいところです。
この記事は役に立ちましたか?
ご不明点がございましたら、
以下のフォームにてお気軽にお問合せください!
記事についてのご質問
この記事について、あなたの「もっと知りたい!」にお答えします