テレワークが世の中に普及しはじめている昨今、導入したいと考える経営者が多くなっています。テレワーク導入を検討するのには、以下のような背景があります。
- 育児休業を取得する、もしくは復帰する社員がいる。
- 親の介護が必要になっている社員がいる。
- 療養中で出社困難な社員がいる。
- 定年退職した社員を再雇用したいが身体に負担をかけたくない。
情報収集をしていても具体的に動きだせていない企業も多くあることでしょう。
そのような状況を解決する手段の1つに、第三者の目を入れるという方法が挙げられます。
最近では、BPOサービスを利用する企業が増えています。BPOとは、自社内の一部業務をアウトソーシングすることです。また、テレワーク導入を支援する企業や、それを利用する企業も増えています。
今回は、テレワーク導入にあたっての現状と課題、導入するための支援サービスについて
ご紹介していきたいと思います。
テレワークの定義と分類
テレワークを導入するにあたって、テレワークとは何かについて、詳しく見ていきましょう。
定義
総務省によると、「テレワークとは、ICT(情報通信技術)を利用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方です。」
つまり、大きな枠組みでの働き方改革のひとつと言えるでしょう。
分類
テレワークは、大きく3つに分けられます。
パソコンやインターネットを利用して自宅で仕事をする「在宅勤務」のほかに、営業活動など、外出先で業務を行う「モバイルワーク」、本来の勤務先以外のオフィスで業務を行う「サテライト勤務」などがあります。
BPOサービス
テレワークの仕組みの中に、テレワークを活用したBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)というサービスがあります。自社社員が在宅等で行う業務とは異なり、一部業務を、BPOサービス提供企業にアウトソーシング(業務委託)し、リモートで業務を行うサービスです。自社社員が業務を行うわけではないため、業務効率化にもつながり利用する企業が増えてきています。
テレワーク導入がなかなか進まないわけ
実際、テレワークを導入している企業はどのくらいあるのでしょうか。また、なぜ導入がどんどん進まないのか、具体的な数値をみながら詳しくみていきましょう。
現状
総務省の「平成29年通信利用動向調査」によると、2017年の企業におけるテレワークの導入率は13.9%です。アメリカでの調査によると、テレワーク導入企業は、2013年の段階で、80%を超えているため、日本の数値はまだまだといえます。
また、総務省の同調査によると、導入していない企業がその理由にあげる第1位は「テレワークに適した仕事がないから」と答えています。(73.7%)
そのほかの回答は、情報漏えいが心配(22.2%)、業務の進行が難しいから(19.5%)などがあがっています。
課題
「テレワークに適した仕事がない」と答えるのは、そもそもテレワークを導入するためのノウハウがないのではないかと考えられています。現行の業務をテレワークに対応させようと検討し始めても、今の就業規則では不可能であったり、顧客との約束事で難しいと感じたり、従業員の中でも不公平感がでるのではないかと思ったりと、さまざまなハードルがあると想像されている経営者が多いようです。
「テレワークに適した仕事」をどうやって作ってくのかなど、各企業ごとに導入したい背景や実情が異なっているため、具体的な導入方法について検討していく必要があります。また、本業と並行しての取り組みとなるため、自社内だけでは対応しきれない場合があります。その場合は、他者の視点をいれて、各会社ごとの実情に即した導入方法を考えていく必要があるでしょう。
テレワークを推進したい5つの理由
ITの進化するスピードがあがり少子化が進むにつれ、多種多様な働き方が考えられるようになってきました。テレワークの導入やBPOの利用は、働き方改革の大きな後押しになると言えます。こちらの章では、テレワークを推進する5つの理由について解説していきます。
通勤時間の削減
オフィスに出勤しないということは、通勤時間が大幅に削減されます。
総務省統計局が調査した、10歳以上の「通勤・通学」をしている人、平日の通勤時間の平均は、全国平均が片道39.5分でした。上位は神奈川県、埼玉県、千葉県、東京都です。
通勤時間が減るということは、その分の時間を他の業務へ充てることが可能になる、また満員電車でのストレスも軽減できます。
災害時のリスク軽減
インフルエンザなどのパンデミックや突発的な災害時、他の地域在住のテレワーカーが対応することで、業務を滞りなく行うことができます。政府の地震調査研究本部の発表では、南海トラフでのM8~M9クラスの地震発生確率が、30年以内で70%~80%となっています。地震に限らず、近年、水害などの災害も多発する中、リスク軽減のための有効な手段と言えるでしょう。
出典:地震調査研究推進本部
子育て世代・介護世代・障害者の働き手確保
子どもが小さい、保育園に預けられない、親の介護、障害があるなど、さまざまな理由から外に出て働くことが難しい人も、子どもや親の面倒をみながら働くことが可能です。
今後、少子化がますます進む中、人手不足は避けて通れなくなっています。
業務内容の可視化・人員の配置転換の可能性
テレワークを導入する場合、全体的な業務内容を把握し、可視化する必要があります。どの業務をテレワーク対象とするのか、だれをテレワーク可能とするのか、業務内容の見直しと人員の配置転換を考えるきっかけにもなるでしょう。今後の業務遂行における戦略的な計画も立てやすくなるはずです。
さまざまなリモートツール
顔がみえない、実際に働いているのか確認できないなどがテレワーク導入の際に課題となってくることがあります。
最近は、テレワークに必要な、リモートで共有しながら使えるツールがたくさん出てきています。
たとえば、コミュニケーションの問題を解決するために、チャットツールを使ったり、労務管理をするために、クラウド上で使える勤怠管理ツール使うことで解決できることがあります。そのほかにも、複数で情報を共有できるツールもあるので、テレワーク普及の後押しとなっています。
テレワーク導入のために必要なこと
導入する際のハードルを少しでも下げるために、テレワーク導入支援サービスを提供している企業も増えてきました。
以下に、主なサービス内容に沿って、導入のためにやるべきことをご紹介します。
業務内容の把握
自社内で対応する場合も、導入支援サービスを利用する場合も、まずは業務内容を把握することから始めます。
業務を可視化することで、テレワーク可能な業務が明確化し、具体的にどのように対応していくのかが分かるようになります。
環境構築
テレワーク可能な業務に適したシステムやツールなど、環境を整える必要があります。
業務の大小、セキュリティ対策の導入など、さまざまな要件を検討していくことも大切です。また、そのシステムやツールを管理する人、扱う人の教育なども必要になってくるでしょう。
労働環境の整備や従業員教育
これまで毎日顔を合わせていた同僚が、パソコンや電話、メールを通して業務を行うことになるので、労働時間の管理、就業規則の整備、従業員の意識改革、セキュリティ対策などをしていく必要があります。
また、テレワークとは何か、実際にテレワークする業務についてのマニュアルを作成し手順をフロー化、可視化するなどしてしっかり仕組みを理解させることが重要です。
BPO活用の検討
必ずしも、自社の従業員がテレワークをする必要はありません。
最近は、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を活用する企業も増えています。バックオフィス、経理業務や人事・採用業務などを請け負うサービスを行っている企業も増え、テレワーク導入の支援を行う企業もあります。業務内容に応じて、BPOを活用するのか、テレワーク導入支援サービスを活用しテレワークを導入するのか、業務内容によって違ってくるため十分に検討してみてください。
おすすめ企業
Mamasan&Company株式会社
テレワーク導入企業で、10年以上の実績をもつアウトソーシング専門の会社です。クラウド型の業務環境を構築・提供し、専門家による労働環境の整備、スタッフのコーチングなどの様々なサービスを提供しています。
https://mama-sun.com/jp/telework/
株式会社テレワークマネジメント
2008年「テレワークの普及」を目的に設立
テレワーク導入支援コンサルティングや、講演・研修、システムの販売、関連調査・分析を行っています。
https://www.telework-management.co.jp/
株式会社キャリア・マム
業務支援、販売支援、テレワーク導入コンサルティング、女性のキャリア支援事業を展開。特に主婦を中心とした全国10 万人の会員が、マーケティングからプ ロモーションまでを総合的に提案・サポートしています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
さまざまなメリットがあるテレワークですが、いざ導入するとなると経営者側からみた視点では漠然とした不安が拭いきれないことでしょう。
少子化が進む現状、働く人の満足度向上・離職率抑止は近年どの企業でも求められる重要課題です。さらに、無駄な仕事を減らし、生産性をあげることも必要と言えます。また、突発的な災害や事故に備えるためにも、テレワーク導入やBPO活用は有効な手段ではないでしょうか。
働き方改革の流れの中で、テレワークを導入する企業が増えてきています。そして、導入をサポートする企業も増えてきています。
導入に際して、まずは自社にあった方法を検討してみてはいかがでしょうか。
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