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テレワークがコスト削減を救う!在宅勤務のメリット・デメリットを解説

2020年7月25日 10:00 カテゴリー : BPO Times

政府が推奨する働き方改革のもと、労働人口減少への対策やライフスタイルのバランスなどを目的にテレワークや在宅勤務の導入が進んでおり、企業だけでなく行政機関においても普及してきました。そんなテレワークは、業務の効率化や柔軟な働き方を目的として導入される印象がありますが、コスト削減にもつながります。

しかし、政府が推進しているもののテレワークの導入率は低く、その理由の一つに中小企業がテレワークを導入できていないという問題点があります。そこで、中小企業が初期コストを抑えながらテレワークを導入できるよう、国や地方自治体がさまざまな助成金や補助金制度を増設しました。今回は、テレワークが企業にもたらすメリット、デメリット、また活用できる補助金について解説します。

テレワークが企業にもたらすメリット

テレワークはオフィスから離れていても、インターネット環境があればどこでも働くことができます。

場所にとらわれず業務が行えることで、企業にもたらすメリットはどのようなものがあるか詳しく見てみましょう。

生産性や効率性の向上

テレワークを行うことで周りの環境に左右されず、自分のペースに合わせた場所と時間帯で仕事をすることが可能です。総務省が実施したアンケートによると「労働生産性の向上」を目的としてテレワークを導入した企業のうち、82.1%の企業で効果があったと回答しています。労働生産性の向上は企業の業績を左右する大切な要素であり、導入した企業の多くで効果がみられることから、今後はテレワークを導入する企業がさらに増加することが予想されるでしょう。

【参考】「テレワークによる働きやすい職場の実現_総務省」

緊急時における事業継続性の確保

自然災害や予期せぬ事態が発生した際、企業として事業の継続に影響を与えるケースも考えられます。日本テレワーク協会が行った調査では、2011年に起きた地震災害直後の計画停電実施中に業務がどの程度できたかを調査したところ、テレワークの社内ルールがあった企業となかった企業では、40%と大きな差がありました。また、テレワークでの業務効率への影響では、社内ルールがある企業は業務効率への影響が少ないことがわかります。このことから日頃からテレワークを運用し、オフィス以外の場所で業務を行うことに慣れておけば、さまざまな事態に備えることが可能となるでしょう。

【参考】「事業継続計画性の確保_テレワーク相談センター」

離職を防ぎ人材の確保が可能

テレワークにより社員にとって働きやすい環境が作られ、離職率を下げる効果が期待できます。育児や介護などライフスタイルの変化から離職を余儀なくされるケースもありますが、テレワークなら継続して働くことができるでしょう。自社において優秀な社員の離職を防ぐために、在宅勤務が有効な手段として期待できます。

また、テレワークを導入している企業は、働きやすく社員に配慮しているというイメージがあるため、採用活動の際に応募者が集まりやすいメリットもあります。応募者が増えるとそれだけ優秀な人材の確保が可能となり、企業のイメージアップにも繋がるでしょう。

さらに、中小企業を中心に人手不足が深刻化するなか、優秀な社員が長く活躍できるような社内のルールを作ることで人事コストを削減し、企業の経営力を高めることが可能となるでしょう。

気を付けたいテレワークのデメリット

テレワークを導入する際、企業側と働く側にとってさまざまなメリットが多いですが、デメリットと感じるポイントもあります。導入後に起こりうるデメリットを理解することで、テレワークを有効的に活用しましょう。

労働時間の管理

テレワークは労働時間の長さ、社員の勤務実態を把握しにくいというデメリットがあります。社員の勤務実態が把握しにくいと勤怠管理が煩雑になり、長時間労働に繋がる可能性があるでしょう。労働時間管理の対策としては、勤怠管理に関するルールを明確にし、勤怠管理ツールやシステムの導入がおすすめです。

またテレワーク勤務は、管理者や他の社員がいない自宅などで働くため、仕事とプライベートの切り替えが難しく、深夜労働やサービス残業の原因となります。

長時間労働を防ぐために労働時間に関するルールを徹底し、テレワーク勤務者が安心して働ける仕組みをつくることが重要でしょう。

コミュニケーション不足における組織力の低下

テレワークを導入すると、社員それぞれ違う場所で働くため、社員同士のコミュニケーションが少なくなる可能性があります。社員同士のコミュニケーションが減ると、情報共有がスムーズにできず業務効率が落ちるケースも考えられるでしょう。また、業務効率や組織力の低下も注意が必要です。

遠隔でのコミュニケーション不足を解消するためには、ウェブ会議ツールや気軽にやり取りができるチャットツールが有効です。ウェブ会議では、顔を合わせてミーティングを行うことにより、社員同士で信頼を築きながら働くことができるでしょう。

セキュリティに関するリスク

職場以外の場所で社内と同じ仕事を行うには、機密情報を社外へ持ち出す必要があります。そのため社内でのセキュリティ対策が万全でも、各社員のセキュリティに対する意識がなされていなければ、情報漏えいの危険性が考えられるでしょう。まずはテレワーク勤務者を対象に情報セキュリティなどに関する研修を行い、社員全員がセキュリティに対する意識を高めることで、情報漏えいなどのトラブルを防止することができます。

また、端末の紛失や盗難といったリスクに関して、機密性の高いデータは暗号化し、データのバックアップやクラウド環境を活用する対策が有効でしょう。

在宅勤務とテレワークの違いを解説

働き方改革の動向に注目が集まっている近年、職場以外の場所で働くことを意味する「在宅勤務」や「テレワーク」といった言葉を耳にすることが多くなりました。

日本テレワーク協会では、テレワークのことを「情報通信技術(ICT=Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方」と定義しており、「在宅勤務」はテレワークの中に含まれる働き方の一つです。

テレワークには「在宅勤務」以外にも「モバイルワーク」「サテライトオフィス」の3つの働き方にわけられ、それぞれの働き方について詳しく解説します。

【参考】「テレワークとは_日本テレワーク協会」

在宅勤務

自宅に備えているインターネット環境を用いて、自宅を就業場所とし働く勤務形態のことを指します。通勤時間がなくなるため、時間を有効活用することが可能となり、ワークライフバランスを保つことでき、プライベートな時間を増やすことで、業務の生産性向上も期待できます。また、子育てや介護などにより、自宅を離れることが難しい場合でも働くことが可能になるでしょう。

モバイルワーク

モバイルワークとは、外出先や移動中の電車などでパソコンやスマートフォン、タブレットを活用し、場所を選ばず業務を行うことを指します。モバイルワークは必要な場所でいつでも仕事ができるため、働き方の多様化と効率化が期待できるでしょう。もともと社外に出ている営業担当者には、モバイルワークが馴染みやすいとされています。

しかし、社外で機密情報を扱うため、情報漏えいなどのセキュリティ面でリスクが高くなります。端末を持ち歩くことで紛失や盗難のリスクも考えられ、不正アクセスのきっかけになる可能性があるので注意が必要でしょう。

サテライトオフィス

サテライトオフィスとは、企業が本社から離れた場所に設置されたオフィスのことを指し、郊外や地方に住む人でも混雑を避けて通勤できるとして注目度が高まっています。総務省が民間企業での開設を促すなど、積極的に取り組みが進められている働き方です。

効率的な時間の活用が可能になり、営業先の拠点や社員の住居と近い場所のサテライトオフィスを利用することで、移動を最小限にし、生産性の向上に繋がります。

また、自然災害や火災などの緊急事態に直面した際、本社以外にサテライトオフィスがあれば業務を分散させリスク回避に繋がるでしょう。

テレワークで抑えられるコストの項目

テレワークは、業務の効率化や柔軟な働き方を目的として導入する企業が多い印象ですが、コスト削減につながります。そこで、テレワークで抑えられるコストについて詳しく見てみましょう。

オフィスコストの削減

環境省のデータによると、テレワークの導入により出社する従業員が減少することで、オフィス自体の電力消費量は一人当たり43%の削減が可能とされています。テレワーク導入による家庭での電気消費量の増加を考慮しても14%削減が可能なため、テレワークを導入することで、オフィスコストの削減が期待できます。

オフィスコストとは、オフィスの賃料やファックス・コピー機などの情報機器、事務用品などといったオフィスで必要になるコストのことです。その他にもテレワークによって、出社する従業員の人数を最低限に抑え、賃料の安いオフィスへ引っ越すことでオフィスコストの大幅な削減が可能になります。

また、会社内で固定席を作らない「フリーアドレス制」を用いている企業もあり、小さなスペースで業務が可能なため、オフィス賃料や電気代を削減することができるでしょう。

【参考】「テレワークによる環境保全効果_環境省」

通勤手当の削減

テレワーク導入では、オフィスへの出社を必要とせず、自宅や自宅周辺のコワーキングスペースなどで業務を行うことで、通勤手当の削減に効果的です。またテレワークの増加により、通勤人口が削減され通勤の混雑の緩和が期待できます。通勤にかかる労力を削減することができるため、年配の方も働きやすくなるでしょう。

【出典】「テレワークの効果に関する調査の概要_国土交通省」

採用費の削減

今までの働き方は、育児や介護などのライフスタイルの変化により退職や休職をしなければならず、キャリアの中断をせざるをえない状況の人材が多くいました。しかし、テレワーク導入により継続して働けるようになれば、欠員による新規採用を減らし、採用費を削減することが可能になるでしょう。

IT導入補助金の対象になる業種や組織とは

IT導入補助金とは、国が中小企業や小規模事業者の課題やニーズにあったITツールを導入する経費の一部を補助することで、業務効率化をサポートしてもらえるサービスです。今回は、テレワークを推奨するために新たに設置された「特別枠(C類型)」について、詳しく解説します。

【関連記事】「東京都の助成金が充実している今はテレワーク導入のチャンス!」

特別枠(C類型)の対象となる業種や組織

IT導入補助金の対象は、中小企業(飲食、宿泊、卸・小売、運輸、医療、介護、保育等のサービス業の他、製造業や建築業等)や小規模事業者が対象です。自社の課題やニーズに合ったITツールを導入することで、業務の効率化が向上することを目的としています。

補助対象となる経費やツールとは

過去のIT補助金制度では、ソフトウェア購入費、サービス等の導入支援費用が対象となり、コンピューターやタブレットなどのハードウェア導入にかかる費用は補助金の対象外でした。しかし、新たに設置された「特別枠(C類型)」ではテレワークを推奨するためにパソコンや、タブレットなどのハードウェアレンタル費用も対象です。

また対象になるツールは、IT導入支援事業から認定を受けたITツールに限られるため注意しましょう。

【参考】「IT導入補助金2020_特別枠(C類型)」

テレワーク導入ソリューションについて

Mamasan&Company株式会社では、「テレワーク導入支援サービス」を行っています。世界中のテレワーカーが活躍し、給与計算や経理業務、採用代行などのバックオフィス業務を任せることが可能です。

2008年から10年以上にわたり請け負ってきたノウハウを活かし、企業のテレワーク導入をサポートしています。

「テレワークの導入は Mamasan&Companyにお任せください!」

テレワークをスムーズに導入するためのサポート

Mamasan&Companyでは、独自の管理システムによりテレワークを行いやすい環境をサポートしてくれます。しかし、テレワークのノウハウがない場合、運用後に課題や問題が起こることも少なくありません。専門家による勤怠管理方法や遠隔での人員管理、労働環境の整備やスタッフのコーチングも行っているので、導入に関するさまざまな不安を解消し、的確なサポートで導入することができます。

また、自社でフリーランスワーカーを戦力化する際にも、採用の代行業務や、スタッフ育成、テレワーカーの組織づくりも行っているため、テレワーク導入のノウハウがない企業でもスムーズな導入が可能となるでしょう。

まとめ

今日本は、労働人口減少への対策や、柔軟な働き方などを目的としてテレワーク導入を推進しています。テレワークをうまく活用することで、業務の効率化や柔軟な働き方への取組みの他、コスト削減にもつながります。

テレワークを導入する際には、まず社内でセキュリティや管理体制を見直し、テレワーク勤務者と企業が安心して働ける仕組みをつくることが大切です。また、メリットとデメリットをしっかりと確認し、自社のニーズに合っているかを確認することも重要でしょう。

IT導入補助金は、テレワークが進んでいない中小企業や小規模業者が活用することで業務の効率化が期待できます。

テレワークのノウハウがない企業も、スムーズな導入が可能な導入サポートや補助金、助成金を上手に併用して、導入を検討してみてはいかがでしょう。

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