
経費精算代行を検討する企業の多くは、「処理件数が多すぎる」「経理担当者の負担が限界」といった業務量の問題を理由に挙げます。しかし現場では、経費精算を外注したのに経理が楽にならない、差し戻しや確認が増えてしまったというケースが後を絶ちません。
その原因は明確です。経費精算を単なる事務作業として捉え、経理統制の構造として設計していないからです。本記事では、経費精算代行を「作業外注」ではなく経理統制を再設計する構造型BPOとして捉え、BPR・BPO・RPAとの違い、正しい導入順を解説します。
経費精算代行が失敗する本当の理由
経費精算代行がうまくいかない会社には、共通点があります。
📍経費規程が形骸化している
📍判断基準が人によって違う
📍承認フローが属人化している
この状態で外注すると、
🌀差し戻しが増える
🌀判断がすべて社内に戻る
🌀管理工数が逆に増える
という結果になります。問題は外注先ではありません。経費精算業務が統制構造として整理されていないことです。
経費精算業務は「入力」ではなく「経理統制」である
経費精算は、レシートを入力し、金額を合わせる作業だと思われがちです。
しかし実際には、
✔経費として認めるか
✔規程に合致しているか
✔勘定科目は適切か
✔例外処理をどう扱うか
といった判断業務の集合体です。経費精算代行の本質は、この判断を人の経験に依存させず、構造に落とすことにあります。
経費精算代行・BPR・BPO・RPAの違い
| 項目 | 経費精算代行 | BPR | BPO | RPA |
|---|---|---|---|---|
| 主な目的 | 精算業務の運用 | 業務構造再設計 | 業務外部化 | 作業自動化 |
| 対象範囲 | 経費処理 | 判断・統制 | 定型業務 | 繰返作業 |
| 単独導入 | △ | ○ | △ | △ |
| 失敗要因 | 統制未整理 | 現場不在 | 設計不足 | 例外対応 |
経費精算代行は、BPRで経理統制を整理したあとにBPOとして導入して初めて機能します。
経理統制がないまま経費精算を外注すると起きること
統制設計を行わずに外注すると、
❎申請基準が外注先に伝わらない
❎承認判断が経理に戻る
❎経理が「確認工場」になる
結果として、処理は外に出たが、判断はすべて社内という最悪の構造になります。これはBPOではありません。単なる作業分断です。
現場事例:経費精算代行を導入して混乱した会社
ある中小企業では、経費精算代行を導入しました。
しかし、
・申請ミスが頻発
・差し戻し件数が急増
・経理の確認工数が倍増
原因を整理すると、
👉経費規程が更新されていない
👉例外対応が属人化
👉判断ルールが言語化されていない
という経理統制の欠如でした。BPRで統制ルールを再設計し、「外に出す業務」と「社内に残す判断」を切り分けたことで、経費精算代行は初めて安定稼働しました。
経費精算代行の正しい導入ステップ
ステップ1:経理統制を整理する(BPR)
📌経費規程の再定義
📌判断基準の明文化
📌例外処理ルールの整理
ステップ2:外注範囲を決める(BPO)
📌入力・チェックは外に
📌判断・承認は内に
ステップ3:RPA・DXを検討する
📌定型入力
📌データ連携
📌管理工数削減
この順番を守ることで、経費精算代行は業務効率化と統制強化を同時に実現できます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 経費精算代行とBPOの違いは何ですか?
業務単位か、構造単位かの違いです。
Q2. 小規模企業でも必要ですか?
規模より属人化の有無が重要です。
Q3. RPAだけでは不十分ですか?
判断が必要な業務はRPAでは代替できません。
Q4. 完全外注は可能ですか?
判断まで外注すると経理統制が崩れます。
Q5. どこから相談すべきですか?
外注先探しではなく、統制設計からです。
まとめ|経費精算代行は経理統制を再設計する構造型BPOです
経費精算代行は、単なる事務作業の外注ではありません。経理統制を構造として再設計し、判断を安定させるためのBPOです。外注しても楽にならない場合、問題は人ではなく構造にあります。経費精算代行を「楽になる施策」に変えるために、まずは経理統制と業務構造の整理から始めてみませんか。
ママさん総研では、BPR・BPOを前提とした経理業務設計のご相談を承っています。
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