会社の業種や規模にかかわらず、経費精算は会社にとって必要不可欠である重要な業務のひとつです。とはいえ、領収書の管理や申請された経費が正しいかチェックする、といった頻雑な作業は時間も手間もかかります。大きな会社となればその業務の量は莫大で、毎日頭を抱えている経理担当者も多いでしょう。
こういった手間を減らす方法として近年注目されているのがアウトソーシングの活用です。業務の一部だけでなく丸ごと受託してくれる企業もあり、経理担当者の負担を大幅に減らすことができます。
今回はアウトソーシングなど、経費精算の手間を解消する方法を紹介します。
手間だと感じる経費精算
会社の営業活動を行う以上、交通費や出張代など様々な費用が発生します。それに伴い行われるのが、営業活動中に必要となった費用を精算して会社へ申請する、いわゆる経費精算です。それは会社の規模に比例しており、会社が成長すればするほど業務の数は増加し、経理担当の負担はますます大きなものとなります。
また経費を申請をする側も負担は大きく、全国のビジネスパーソン1,000人のうち51.8%、つまり半分以上もの人が、最も面倒な社内業務は経費精算と答えています。
領収書の整理や保管
領収書はいつどこでいくら支払われたかなど、会社の経費として実際に使われたことを証明するために欠かせないものです。青色申告は7年、白色申告は5年と法律により保管期間が定められています。ですが大企業ともなると、一か月分の領収書で何百枚にも及ぶことがあり、山のように積み重なる領収書の整理や保管は、経理担当者の大きな負担となっています。
また領収書の管理を怠っていると、後で内容を確認しなければならない時や税務調査の際、見つけられず紛失するといったトラブルにつながります。
【参考】「No.5930 帳簿書類等の保存期間及び保存方法_国税庁」
チェック項目の多さ
経理担当者は申請書が不適切でないか1件1件確認し、間違いがあれば当然差し戻さなければなりません。よくある申請書の不備は、必要項目の記入漏れ、領収書の添付漏れ、申請書と領収書の金額の不一致などが挙げられます。申請する側は細かなルールを把握していなかったり、経理担当者任せだったり、このような意識の低さから申請不備が発生します。
また差し戻しとなり書類の修正をお願いするにも、営業社員だと外出が多くスムーズに依頼できない、後回しにされ再申請が遅いなど、経理担当者の作業工数に影響を及ぼします。なかには修正をお願いすることで、ネガティブな態度を取られたというケースもあり、精神的な負担になることも考えらるでしょう。
手作業のストレス
日々発生する経費の処理量は、会社によって当然異なるものです。ですが個人事業主だから容易にできる、小規模な会社で社員も少ないため負担はない、というわけではありません。経理担当者は経費として申請された項目をそれぞれ内容を見て仕訳し、手作業で会計ソフトに入力するという作業を繰り返し行います。こういった一連の流れは単純でありながら正確さが求められるため、面倒な作業と捉えられています。
経費精算の手間を解消する方法①
このように面倒な経費精算の手間を解消する方法として、経費精算システムの導入やアウトソーシングの活用が挙げられます。これらを選定する前に、現状の業務内容を明確に把握し見直しておくことが大切です。
問題点や手間な作業を浮かび上がらせることが可能となり、解消するのに必要なものとそうでないものを判断することができます。
では具体的に何をすれば業務内容を見直すことができるのか見ていきましょう。
見えなかったものは見える化に
経理や会計の業務は情報漏えいを心配するあまり、小人数体制や社内の限られた人に任せるというケースも少なくありません。担当者でないとやり方がわからないなど属人化するだけでなく、内部のことがまったくわからないブラックボックス化することがあります。このような状況で業務を正確に把握するのは難しいため、見えないものは見えるようにしておく必要があるでしょう。
ワークフローを策定する
業務を可視化しその内容を見直すためにも、ワークフローの策定は欠かせません。ワークフローは業務の一連の流れを図式化したもので、業務を効率化するうえで様々なメリットを生みだします。手間や無駄で業務に滞りがないか見直すだけでなく、今まで見えなかった問題点にも気づくことができるでしょう。
経費精算の手間を解消する方法②
次に紹介するのは経費精算システムの導入です。
領収書の管理や申請書のチェック、仕訳などの作業をシステム化することで手間を解消することができます。
経費精算システムで出来ること
・領収書をスマートフォンなどで撮影・送信
・クレジットカード・交通系ICカードとの連携
・会計ソフトとの連携
・電子帳簿の保存
経費精算システムの基本的な機能を挙げましたが、企業により提供されているサービス内容は異なります。中には、海外進出している会社にとって面倒な、円換算や税率管理システムを提供する企業もあるでしょう。
経費精算システム導入のメリット・デメリット
経費精算システムの導入で得られるメリットは、申請する側もされる側も、大幅な時間の削減が可能になる点と言えます。面倒だった作業は経費精算システムに任せることができるため、精神的負担の軽減とともに、業務効率の向上が期待できるでしょう。
その反面、導入によるデメリットとなり得ることとしては、導入費用や維持費が結果的に従来のコストよりかさんでしまう可能性が考えられます。また、新しいシステムの使い方を社員へ教育しなければならないといった点や、情報漏洩のリスクが少なからず伴うという3点でしょう。
導入するシステムによっては、説明会の開催や問い合わせサービスなど手厚いサポートが受けられるものもあり、実際の製品の機能をよく理解して活用することでコストの削減も実現します。
ただ導入するのではなくメリットが優位になる環境作りがポイントになるでしょう。
経費精算の手間を解消する方法③
最後に紹介するのは、社内の一部の業務を社外の企業や組織に委託するアウトソーシングです。現代、多くの企業があらゆる業務においてアウトソーシングを活用しています。その中でも、面倒な経費精算業務をアウトソーシングで解消している企業は増加しています。
アウトソーシングで出来ること
・領収書と申請データの金額チェック
・申請書不備の問い合わせ
・建替経費の承認、仕訳、データの作成
・交通費の料金チェック
・必要書類の作成や会計ソフトへの入力
本来であれば経理担当者が行うはずの業務ですが、アウトソーシングすれば委託側は必要なデータや書類を送るだけとなり、業務の大幅な削減が実現します。
アウトソーシング活用のメリット・デメリット
アウトソーシングを活用することで、業務量の軽減や人件費削減が可能となります。これにより社員教育や商品開発など、コアな業務に力を入れることが可能となり、企業競争率アップという大きなメリットが生じます。
一方デメリットは、社内でその業務に関するノウハウが蓄積しにくい、導入への引継や準備に手間がかかる、適正コストの判断が難しいという3点が挙げられます。
また、会社選びに失敗しコストカットにつながらなかった、経費精算処理が自社に合わず結局手間が増えたなどの事例もあり、委託する企業選びや連携の難しさがあるのも現実です。
おすすめしたいアウトソーシング3社
ここでは、経費精算の手間を解消するのにおすすめなアウトソーシング3社を紹介します。企業の特徴やサービス内容など、自社のニーズと照らし合わせて見てみましょう。
Mamasan&Company
https://mama-sun.com/jp/rakuraku_s/
経理業務や採用代行、給与計算などのバックオフィス業務を始め、システム開発、クリエイティブ業務など総合的なアウトソーシングサービスを提供している企業です。また、楽楽精算の正規販売代理店でもあり、楽楽精算を活用した経費精算業務を全て任せられる「経費精算代行サービス」を開始しました。
導入の際の負担削減、セキュアな環境の確立、個々の企業に合ったフローの提案・作成など、経費精算業務において10年以上の実績があるからこそできる、柔軟なサービスにより大幅なコスト削減、生産性向上が実現します。
【参考】
「PRTIMES 経費精算システム「楽楽精算」により経費精算業務をトータルで代行するサービスを開始!」
「経費精算システムなら「楽楽精算」国内導入数No.1!あらゆる精算業務を簡単に」
NOCアウトソーシング&コンサルティング
創業は30年以上、スタッフは1,000人超えの業界最大手企業です。こちらも総合的なサービスを提供していますが、高次元のRPAを含むコンサルティングを得意としています。
受注業務の内容に応じて、最適な人材で最適な時間配分を遂行することで、常に低コストで高品質というバランスの良いサービスを提供しています。
オンワードアカウンティング
http://www.onward-ac.jp/lp/keihiseisan/pc/
経理、事務業務のアウトソーシングと経営等コンサルティングを提供する企業です。企業理念にも挙げられている「お客様と共に発展し続ける」という強い思いから、社名にも「Onward(発展)」が使われています。
スタッフ全員が資格取得者という経理のプロフェッショナルなため、品質ともにスピードに自信のある企業です。また海外出張の多い企業のバックアップも得意としており、独自の強みを活かしたアウトソーシング企業です。
まとめ
アウトソーシングを活用した経費精算で、コスト削減や企業競争率の向上など様々なメリットにつながるケースがあり導入する企業も増えています。
今後導入を検討している企業は、まずは業務の問題点や手間な作業を正確に把握することから初めてみてはいかがでしょうか。自社にとってどういった機能やサービスが必要なのかを知ることができ、難しい企業選びにも役立つでしょう。
【参考記事】「楽楽精算など経費精算システムを用いたアウトソーシングをご紹介!」
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