
「バックオフィスアウトソーシングを入れたのに、結局楽にならなかった」そんな声を、私たちは何度も聞いてきました。
経理・労務・総務・営業事務。
確かに人手は足りない。
でも問題は、本当に“人”なのでしょうか。
私たち Mamasan&Company がこれまで支援してきた現場では、バックオフィスが回らない原因の多くは「人不足」ではなく、仕事の構造が設計されていないことにありました。この記事では、在宅・非同期・業務設計・AI活用を前提に実務を積み重ねてきた立場から、バックオフィスアウトソーシングを“経営装置”として機能させる考え方と実例をお伝えします。
バックオフィスアウトソーシングが「失敗した」と感じる会社の共通点
まず、現場でよく見る“つまずきパターン”からお話しします。
① 作業だけを切り出して渡している
・「この入力だけお願いしたい」
・「月末処理だけ外に出したい」
一見合理的ですが、前の業務文脈が共有されていない状態では、必ず手戻りが発生します。
結果として、
🌀チェック工数が減らない
🌀問い合わせ対応が増える
🌀社内の“わかる人”が結局張り付きになる
という状態に陥ります
② 業務が人にひもづいたままになっている
「そのやり方はAさんしかわからない」
「前任者が辞めてから、何となく続けている」
こうした属人化した業務を、そのまま外に出しても、ブラックボックスが社外に移動するだけです。アウトソーシング先が変わるたびに、また一から説明・引き継ぎが必要になります。
③ “人を減らす手段”としてしか見ていない
バックオフィスアウトソーシングを「コスト削減」や「人員削減」の文脈だけで導入すると、短期的な数字は改善しても、中長期では必ず歪みが出ます。なぜなら、仕事の中身が整理されないまま、“担い手”だけを変えているからです。
バックオフィスアウトソーシングの本質は「仕事構造の再設計」
では、うまくいっている企業は何が違うのか。私たちが支援してきた現場では、バックオフィスアウトソーシングを次のように捉えています。
「誰がやるか」ではなく、「どう回る構造にするか」を決める工程
仕事を「人」から切り離すところから始める
具体的には、最初に必ず行うのが次の3点です。
- 業務をすべて洗い出す
- フローとして可視化する
- 判断・例外・作業を切り分ける
この段階で、多くの企業が気づきます。
🌀実は不要な業務が残っていた
🌀例外処理だと思っていたものが日常化していた
🌀判断しているつもりで、実はルールがなかった
つまり、アウトソーシング前に、業務そのものが未完成だったという事実です。
現場事例:経理アウトソーシングで「楽にならなかった会社」が変わった理由
ある企業では、経理担当者の退職をきっかけにアウトソーシングを検討されました。
当初の要望はこうです。
📌仕訳入力
📌経費精算
📌月次処理の一部
しかし、ヒアリングを進めると、
👉承認ルートが人によって違う
👉例外処理の判断基準が口頭
👉「とりあえず前回踏襲」が常態化
していました。
そこで私たちは、作業受託ではなく、業務構造の再設計から着手しました。
✔フローを全て書き出す
✔判断基準を言語化する
✔非同期でも迷わない形に落とす
結果として、
💡社内の確認工数が大幅に減少
💡担当者が変わっても業務が止まらない
💡経理担当者が「判断の仕事」に集中できる
状態が実現しました。アウトソーシングしたのは“作業”ですが、価値が出たのは構造そのものでした。
在宅・非同期・AI活用と相性が良い理由
バックオフィス業務は、実は在宅・非同期・AI活用と非常に相性が良い領域です。
理由はシンプルです。
🔹定型性が高い
🔹判断ルールを言語化しやすい
🔹データ・記録が中心
だからこそ、構造が整った瞬間に、再現性が一気に高まる。人が変わっても、場所が違っても、時間がずれても、同じ品質で業務が回るようになります。
バックオフィスアウトソーシングは「経営の土台づくり」
バックオフィスは、売上を直接生まないからこそ後回しにされがちです。
しかし実際には、
🌀判断が遅れる
🌀情報がつながらない
🌀現場が疲弊する
といった経営の歪みは、バックオフィスの構造不全から生まれています。だから私たちは、バックオフィスアウトソーシングをこう定義しています。BPOは、外注手段ではなく、企業の仕事構造を再設計する経営装置である
まとめ
・人が足りないからアウトソーシングする
・楽をするために外に出す
この発想のままでは、バックオフィスアウトソーシングは機能しません。
必要なのは、
👉業務を構造として捉えること
👉人から仕事を切り離すこと
👉再現性ある形に落とすこと
その先に初めて、「人がいなくても回る」「でも人は価値ある仕事に集中できる」組織が生まれます。もし今、バックオフィスに違和感や限界を感じているなら、それはアウトソーシングの“失敗”ではなく、構造を見直すタイミングなのかもしれません。




