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月次決算が遅れる原因は、経理の作業量ではなく確認待ちにあります

2026年10月5日 09:00 カテゴリー : Mamasan Times

月次決算の早期化は確認待ちを減らすことから始まります

月次決算が遅れる原因は、経理担当者の作業量だけではありません。現場からの資料回収、上長の確認、差し戻し、判断待ちが連鎖し、業務の流れが止まっているケースがあります。

担当者が忙しいから遅れると考えると、残業や増員で解決しようとしがちです。しかし、確認の基準や役割が決まっていなければ、人を増やしても待ち時間は残ります。月次決算の早期化には、作業を急ぐ前に「どこで、誰の判断を待っているのか」を見えるようにすることが重要です。

Mamasan&Companyが重視しているのは、個人の頑張りに依存しない仕事構造です。経理業務も、可視化、標準化、必要に応じた自動化の順に整えることで、担当者が変わっても流れを保ちやすくなります。

月次決算が遅れる原因は業務の流れにあります

月次決算の遅れは、単一の作業ではなく、複数の工程がつながることで生じます。まずは決算業務全体を一つの流れとして捉えます。

資料の回収期限と責任者が曖昧だと最初から滞留します

請求書、経費精算、売上情報などの資料が、いつまでに、誰から提出されるのか決まっていないと、経理は個別に催促することになります。提出方法が複数ある場合も、確認や整理に時間がかかります。

確認者が多いほど決算が早くなるとは限りません

確認者が増えると安心感は高まりますが、確認の目的や範囲が整理されていなければ、同じ内容を複数人が見る状態になります。確認者が不在のときは、その工程全体が止まることもあります。

判断基準が暗黙知のままだと差し戻しが続きます

「この処理でよいか」「どの勘定科目にするか」「例外として扱うか」といった判断が担当者の経験に依存していると、確認のたびに質問が発生します。回答が口頭や個別のチャットに分散していれば、後から同じ判断を再利用できません。

確認待ちを減らすには判断と作業を分けます

確認待ちを減らすポイントは、すべてを確認しないことではありません。確認が必要なものと、ルールに沿って処理できるものを分けることです。

判断が必要な工程を先に特定します

業務を次のように分けると、確認待ちの正体を把握しやすくなります。

💡定型的に処理できる作業
💡条件によって判断が分かれる作業
💡金額や契約内容など、一定の権限者が確認する作業
💡例外として個別判断が必要な作業

この分類を行うと、経験者に集中している判断と、誰でも進められる作業が見えてきます。作業まで経験者に集めるのではなく、判断が必要な箇所だけに確認を置くことが、待ち時間の短縮につながります。

判断基準を文章と具体例で残します

手順だけを記したマニュアルでは、例外が起きたときに処理が止まります。「どの条件なら通常処理か」「どの条件なら上長確認か」「確認時に何を添えるか」まで残すと、担当者が迷いにくくなります。判断基準は一度作って終わりではありません。差し戻しが発生したときに、原因と対応を記録し、次回の判断基準へ反映します。これにより、同じ質問や差し戻しを繰り返しにくくなります。

確認依頼の形式をそろえます

確認依頼の内容が人によって異なると、確認者は不足情報を探すところから始めなければなりません。依頼時に、対象期間、取引内容、金額、確認したい点、関連資料をそろえるだけでも、やり取りを短くできます。

月次決算を早期化する業務設計は4段階で進めます

月次決算の改善は、いきなり新しいシステムを導入するのではなく、現在の仕事構造を把握することから始めます。

1. 決算業務を開始から完了まで可視化します

資料の提出、仕訳、確認、修正、承認、報告までを時系列に並べます。各工程について、担当者、期限、使用する資料、判断条件、次の受け渡し先を記録します。

作業時間だけでなく、待ち時間も記録することが大切です。 実際の作業は短くても、確認者の予定が合わず数日止まっている場合があります。

2. 滞留箇所と重複確認を特定します

フローを確認すると、資料の提出遅れ、確認者の集中、入力の重複、差し戻しの多い工程などが見つかります。すべてを同時に変えるのではなく、決算完了日への影響が大きい箇所から着手します。

3. 役割と期限を決めて標準化します

担当者だけでなく、確認者、承認者、不在時の代替者を決めます。提出期限や確認期限も、月末・月初の予定に合わせて設定します。役割分担は、担当者を細かく縛るためのものではありません。誰がどこまで進められるかを明確にし、確認待ちで全体が止まる状態を減らすためのものです。

4. 効果を確認してから自動化を検討します

業務の流れと判断基準が整っていない状態で自動化すると、曖昧な処理をそのまま速くする可能性があります。まず標準化し、そのうえで定型作業や通知など、自動化の効果が見込める箇所を選びます。

DXはシステムを導入することではなく、仕事構造を整えたうえで、適切な工程に仕組みを組み込むことです。

月次決算の早期化はKPIで確認します

改善が進んでいるかを感覚だけで判断すると、繁忙期や担当者の頑張りに左右されます。次の指標を継続的に確認します。

💡決算開始から完了までの日数
💡工程ごとの待ち時間
💡確認依頼から回答までの時間
💡差し戻しの件数と主な理由
💡期限内に資料が提出された割合
💡特定の担当者に集中している確認件数

KPIは、担当者を評価するためだけに使うものではありません。どの工程の設計を見直すべきかを判断する材料として扱います。たとえば完了日数が変わらなくても、待ち時間や差し戻しが減っていれば、改善の途中にある可能性があります。決算完了までの日数だけでなく、その内訳を見ることが重要です。

自社の月次決算に確認待ちがないかチェックします

次の項目に当てはまる場合、月次決算の遅れが人ではなく業務構造から生じている可能性があります。

📌資料の提出期限と提出先が明確になっていない
📌確認者が不在になると処理が止まる
📌同じ内容を複数人が確認している
📌判断基準が口頭や個別のチャットに残っている
📌差し戻しの理由を記録していない
📌不在時の代替担当者が決まっていない
📌月次決算の完了日数や待ち時間を計測していない

該当項目が多いほど、個人の努力を増やす前に、業務の可視化と役割の整理が必要です。業務全体の可視化については、「業務プロセス可視化職人®とは?属人化を解消し、成果が出る仕事構造を設計する実践メソッド」も参考にしてください。

まとめ|月次決算を早めるには確認待ちを構造から減らします

月次決算が遅れる原因は、経理担当者の作業量だけではありません。資料の回収、確認、承認、差し戻しがどのようにつながっているかを見直す必要があります。

📌決算業務を開始から完了まで可視化する
📌待ち時間と差し戻しの発生箇所を確認する
📌判断と作業を分け、判断基準を標準化する
📌役割、期限、代替担当者を決める
📌KPIで改善の効果を継続的に確認する

経理の早期化は、担当者を急がせることではありません。人が変わっても成果が変わらない仕事構造をつくることが、安定した月次決算につながります。

月次決算の早期化についてよくある質問

月次決算が遅れる代表的な原因は何ですか?

資料の回収遅れ、確認者への集中、判断基準の不明確さ、差し戻しの繰り返しなどがあります。まずは作業時間だけでなく、工程ごとの待ち時間を確認してください。

月次決算を早期化するにはシステム導入が必要ですか?

必ずしも最初から必要ではありません。先に業務の流れと判断基準を整理し、標準化したうえで、自動化に適した工程を見極めることが重要です。

確認者を減らせば月次決算は早くなりますか?

確認者の人数だけで決まるわけではありません。確認の目的と範囲を整理し、定型処理と判断が必要な処理を分けることが先です。

経理の属人化を解消するには何から始めればよいですか?

担当者の作業を聞き取り、開始から完了までの業務フローを可視化します。特定の人しか判断できない箇所と、誰でも処理できる箇所を分けることから始めます。

月次決算のKPIは何を設定すればよいですか?

決算完了までの日数、工程ごとの待ち時間、確認依頼への回答時間、差し戻し件数、期限内の資料提出率などが候補になります。自社のボトルネックに合わせて選びます。

月次決算の業務構造を見直したい方へ

月次決算の遅れや経理の属人化は、担当者の努力だけでは解消しにくい課題です。Mamasan&Companyでは、業務の可視化、標準化、運用設計を通じて、バックオフィス業務を継続して回せる仕組みづくりを支援しています。確認待ちや差し戻しがどこで起きているのか分からない場合も、まずは現在の業務フローを整理するところからご相談ください。

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