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眠ったスキルを活かそう!テレワーカーという働き方

2019年8月20日 07:00 カテゴリー : BPO Times

近年、働き方改革の一環として、厚生労働省と総務省が国内での認知向上と推進に向けて取り組んでいるテレワークは、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方です。

テレワークで働く人たちは、テレワーカーと呼ばれており、出退勤による環境負荷の軽減や、シニアや障がい者、妊産婦・育休中の雇用創出、ワーク・ライフ・バランスの改善など、さまざまなメリットがうたわれています。

特に配偶者の転勤が多く、せっかく磨いたスキルが活かせない、育児や介護で外勤ができない、スキルを活かせる支社への転勤がかなわない、といった問題を解消してくれる働き方ではあるのですが、希望する人材が多いのにも関わらず、普及率は低迷しています。

この理由に、テレワーク推進により発生する、新規ICTの導入や労働管理方法の変更といった、企業側への負荷が大きく、なかなか従来のマネジメントスタイルを変えられないことが挙げられています。
ですが、この制度を導入し適切に実践できた場合、企業と人材双方に大きな収穫をもたらすのは明らかです。

そこで今回は、テレワークの普及による人材活用の活性化について、様々なメリットや情報をご紹介します。

テレワーカーとして活躍が期待できる層

テレワーカーとはテレワークで就労している人を指し、テレワークは働く場所によって、自宅利用型テレワーク(在宅勤務)・モバイルワーク・施設利用型テレワーク(サテライトオフィス勤務など)の3つに分けられています。
まだまだ普及率が低いテレワーク、人口も少ないテレワーカーですが、この働き方の普及により、どんな人材の活躍が期待されているのでしょうか。  

配偶者の転勤が多い主婦

最近では、転勤族の主婦のあいだで、テレワーカーを選ぶ人が多くなりました。
現在の日本社会では、配偶者の転勤により、自身のキャリアを中断したり、諦めてしまう人がまだまだ多数派ではありますが、この層のテレワーカーは増加しています。転勤先は、現地企業としても、長く働いてくれる人材を採用したいという意向がほとんどであるため、求職活動はおしなべて難航しがちです。
そのため結局スキルを活かせないまま次の転勤に備えて、多くの主婦が家にいるという選択を迫られます。

一方でテレワークは、時間の融通もききやすく、インターネット環境さえあれば就労が可能です。
キャリアの中断や仕事のブランクを回避でき、家事との両立もしやすいというメリットから、多くの主婦に歓迎されています。
配偶者の海外転勤が多い場合でも、就労継続への障害にはなりません。
かえって時差が強みになることもあります。

子育て中のママさん

行政の子育て支援制度はまだ発展途上で、子育てを理由にキャリアを中断する女性は、思うように減少しません。
出産後、せっかく仕事に復帰できても、子どもの病気で欠勤が多く会社に居づらい、会社の時短制度と保育時間との折り合いがつかない、通勤時間が長く体力が持たない、などの理由で退職を余儀なくされることもあります。
企業側にとっても、せっかく雇用し育成してきたスキルが豊富な人材を、このような形で流失を繰り返すのは大変な損失です。

こういった問題は、企業のテレワーカー推進でほとんど解決が可能です。
企業のテレワーカー推進は、出産後、子育てに臨む女性人材の流出を抑制する大きな鍵となっています。

シニア・障がい者

シニア層や障がい者には、高度なスキルを持ちながら、毎日の通勤や拘束時間、オフィス環境がネックとなり、活躍の機会を逃してしまう人たちがいます。
場所や時間を選ばないテレワークはこういった人材の活用を活性化し、更に自立支援を強化することが可能です。

怪我や病気で自宅療養中の社員

所属する企業がテレワークのシステムを採用していれば、そもそも長期欠勤や休職をせずに仕事を継続することができます。
企業側も臨時雇用を行うことなく、社員の療養期間中をほぼ欠員なしで乗り切ることが可能です。
また、就労時間の調整などで通院治療のための欠勤も最小限に抑えられるでしょう。

日本企業におけるテレワークの導入率と利用率

総務省の平成29年通信利用動向調査によると、国内企業におけるテレワークの導入率は13.9%で、テレワーク導入企業のうち在宅勤務の導入率は29.9%、モバイルワークの導入率は56.4%、施設利用型テレワークの導入率は12.1%でした。
通信利用動向調査によると、テレワーク導入企業はゆるやかな増加傾向にあります。 大手企業では三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほFG・損保ジャパン日本興亜・三井物産・日産自動車・トヨタ自動車・ホンダ・リクルートHD・カルビーなどがテレワーク(主に在宅勤務)を導入しています。
参考:平成29年 通信利用動向調査報告書 (企業編)
http://www.soumu.go.jp/

導入後の利用率はわずか5パーセント

テレワークを導入している従業員数30人以上の企業において、その利用率は平均5パーセント程で低迷しているケースが多く、その理由の一つに、まだまだ「女性のための制度」という意識が根強く、若い男性社員は上司の目を意識し利用しにくいといった声も聞かれます。
このような状況では、制度やシステムがあっても利用しにくいのは当然でしょう。
参考:平成29年 通信利用動向調査報告書 (企業編)
P.37 http://www.soumu.go.jp/

誰でもテレワーカーを選ぶ権利がある

テレワークは「配偶者の転勤が多い、あるいは子育てや介護をする女性のための制度」ではありません。
もちろんこういった人材が仕事を続けやすい制度で利用者も多く、今後の増加も期待されているのも事実ですが、テレワーカーという働き方は企業が導入さえすれば誰でも選べる働き方として国家は推奨しています。

テレワーカーでスキルが活かせる職種

業種によって導入に工夫が必要な場合もありますが、多くの職種でテレワーカーは活躍できます。
テレワークをスムーズに導入し、休職する社員を減らす、家族の転勤に対応するなど、上手く業績に活かせるかどうかは、業種や職種ではなく企業の体制や方針が大きく関係しているようです。
それでは、テレワークに向いている職種を部門別にみていきましょう。

経営部門

経営者も含めたマネジメント上層部は、稟議決裁などで重要な位置あります。
処理すべき書類が多々ありますが、取引先や支店へ出向くなど外出も頻繁です。
このような職種のテレワーク化には、指示伝達や打ち合わせなどをテレビ会議やチャットツールで行い、決裁もグループウェア等を使い電子上で行えるようにすることがポイントです。
マネジメント上層部がテレワークができるということは、重要書類の迅速な処理に貢献し、企業にとっても大きなメリットです。

管理部門

経理や人事は会社の中枢的な業務ですが、ICT化が進み、すべてのスタッフが社内に常駐している必要がなくなってきました。
日常業務の多くは、決められたルールで処理されるため、最もテレワーク化しやすいでしょう。
業務のペーパーレス化、稟議申請の電子化と同時に本格的なテレワーク導入を検討したい職種です。

企画(クリエイティブ)部門

個人の発想を形にする作業は、個々に行われるもので、人によって発想が冴える場所も時間帯も様々でしょう。
時間や場所にとらわれないテレワークに向いている職種と言えます。
会議や打ち合わせが必要な場合はWeb会議システムやテレビ電話ツールを利用するなど工夫し、業務に特殊なツールやアプリが必要な時以外はテレワーク化をお勧めします。

IT部門

IT部門は通常の業務とは異なり出張も多く、システム管理や保守などで早朝や、夜間、休日に作業をすることがあります。
就労時間の選択が可能なテレワーク制度を取り入れることで、生活が不規則になりがちなITスタッフの負担を大幅に軽減することが可能です。

テレワーカーのメリット

テレワーカーの普及は、個人・企業・社会に大きな利益をもたらすと言われていますが、どんな効果が期待されているのか、視点別にみていきましょう。

ワーカー個人のメリット

テレワーカーの最大のメリットは、通勤時間や出張回数、転勤自体の削減と言えるでしょう。

それは、個人のメリットであるだけでなく、企業や社会のメリットでもあります。
日本政府がテレワークを推奨する理由のひとつは、仕事とその他の時間の配分、ワーク・ライフ・バランスを大きく改善するためです。 通勤時間や出張の削減、転勤を最低限化し、仕事以外の時間を家族との生活や休暇、そしてスキルアップの時間にあてられることで、「ライフ」の時間が豊かになります。
そして、ライフが充実することにより、プロダクティビティが向上、「ワーク」への良い連鎖を構築し、資格取得や昇進につながる可能性が高まるのです。そして「ワーク」の充実が「ライフ」の充実につながり、双方を豊かにする循環が生まれます。

企業側のメリット

少子化が進む中、人手不足はどの業界でも深刻な問題です。
必要な人材が集まりにくい理由に、通勤前提での採用活動をしていることが挙げられます。そのため、全国や世界に人材募集をかけられたら、よりたくさんの人材が集めることができます。
さらに、テレワークを採用することで、子育てや介護による社員の流失を防ぎ、社員の意欲や業績の向上、早期退職率の減少が期待できるでしょう。

また、多様な働き方に対応することで、企業イメージのアップが図れ、入社希望者が増えることにより、より良い人材の獲得が可能になります。
そしてテレワーカーが増えれば、オフィススペースを縮小、出張や転勤の最小限化もでき、固定費・営業経費の削減にもつながります。
特に家族をも巻き込んでの環境負荷の影響を避けられない「転勤」の最小限化は、社員の住環境を保証するための経費を大幅に削減できるのです。

社会のメリット

余暇の時間が増えることで個人消費も増加し、消費拡大という経済効果が見込めます。子育て中のキャリア継続に関しても、子育てと両立しやすいテレワーカーという選択肢があることで安心感が持て、少子化にも歯止めがかかるでしょう。

また、都市部のラッシュアワーの緩和やオフィスビルの縮小は、公共交通施設の混雑や渋滞の削減、CO2減少にもつながります。
そして現在通勤のためだけに都市住まいを余儀なくされている労働者は、テレワークによって、好きな環境への移住が可能になり、人口の一極集中化を緩和、ひいては地方活性化にも貢献するでしょう。

テレワーカーのデメリット

テレワーカー普及には、ワーカー個人と企業側の双方にクリアすべき課題があります。それぞれの課題を、環境面の整備と仕事の評価という観点から具体例を挙げてみていきましょう。

ワーカー個人のデメリット

狭小住宅が多い日本では、自宅でのワークスペースの確保が容易ではないこともあります。スペースが確保できても、外部からの騒音、生活音や子どもの声で、作業に集中できないこともあるでしょう。
また、テレワークの環境整備と就労時間の管理は個人で行わなければなりません。
そして仕事の評価基軸は、あくまで「成果」を重視されることになります。
オフィス勤務のように作業量や作業時間、個人の能力に対する「頑張り」が評価に加味されることは、少なくなってしまうことがあります。

企業側のデメリット

企業側がもっとも懸念し、テレワーカー普及が低迷している理由の一つは、情報漏洩を中心とした不祥事です。
入退出のセキュリティーが厳重なオフィスでも、悪質な行為に対する鉄壁の防御の構築は、大変な労力が必要なため、それを自宅での情報管理となると、いっそう管理が難しくなります。
ですが最近では、テレワーク先進国のセキュリティ対策メソッドや最新ツールを活用することで、リスクを最小限にする工夫が見られています。

そして日本は、従来の労働管理の文化から管理者不在の環境は、社員のパフォーマンスを低下させるという固定観念を捨てることができず、テレワーカーの普及を遅滞させている状態です。
近年では、業務自体の変遷とともに、勤務態度で成果を評価することが難しい職種が増えました。
企業側は、テレワーク推進にあたり、純粋に成果を管理する新しいシステムを導入し、歴史ある社風や因習、ルール等の見直しをしていく必要があります。   

国内外のテレワーカーが様々な専門分野で活躍するMamasan&Company

Mamasan&Companyは、日本のみならず世界各国に在籍者を有する在宅ワークのスペシャリスト集団です。
在籍者の多くは子育て中のママさんや配偶者の転勤が多い女性ですが、最近は、ダブルワークの男性、定年後のシニア男性の参加も増えています。
高度なIT技術を駆使したセキュリティ環境下、様々なスキルを活かし、徹底した業務可視化とマニュアル化により、質の良い業務サービスの提供を実現します。

海外転勤も問題なし

Mamasan&Companyには、アメリカ、ヨーロッパ、東南アジアの海外居住者も多数在籍しています。配偶者の転勤、国際結婚、移住など理由も様々です。
チャットツールや独自のクラウド環境下での密なコミュニケーションによる距離を感じさせないチームワークで、個々のスキルを活かした活躍をしています。

幅広い職種とサポート体制

Mamasan&Companyには、人事・総務・経理をはじめ、IT技術者やデザイナー・翻訳士・ライターといった多種多様なスペシャリストが在籍しています。
取り扱う案件の種類も豊富なうえ、案件ごとのマニュアル化、先輩ママたちのサポート体制が確立されているため、短期間で経験を活かした即戦力として力を発揮できます。

まとめ

近代日本が歩んできたビジネスの発展において、電子化、IT化は歴史的な変革でした。これと同様、今後の更なる発展のためテレワーカー化推進は大変重要な取り組みです。
特に女性側の視点として、テレワーカーの普及は、配偶者の転勤による休職・転職、キャリア形成停滞を防ぐ効果を孕んでおり、順調に推進できれば、今後日本全体が陥るといわれている労働者不足の解消に大きく貢献することでしょう。

企業側は従来の社風やルール、管理方法や人材の評価基準を時代に合わせて見直し、業務の一つ一つを「テレワークが可能な業務」に変えていくことが大切です。
そして眠っているスキルの高い人材の再生を促し、人材活用の活性化に繋げていくことが望ましいですね。

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