
業務標準化というと、「マニュアルを作ること」「ルールを決めること」だと捉えられがちです。しかし実務の現場では、業務標準化に取り組んでも、結局人に依存したままというケースが少なくありません。その原因は、現場の理解不足や努力不足ではありません。標準化の対象が、仕事構造ではなく手順に留まっていることにあります。
Mamasan&Companyは、在宅ワーク・非同期・BPO・AI活用を前提に、業務を実際に回す中で、「標準化が機能する会社」と「形骸化する会社」の違いを見てきました。本記事では、業務標準化を「ルール整備」ではなく、仕事構造を再設計するための取り組みとして捉える視点を、現場目線で解説します。
業務標準化はマニュアル作成から始めると失敗します
業務標準化を進めようとすると、最初に着手されやすいのがマニュアル作成です。
しかし、
🌀マニュアルはあるが使われていない
🌀結局、聞かないと分からない
🌀例外対応は人に戻る
という状態に陥る企業は非常に多くあります。
なぜマニュアルが機能しないのか
理由は明確です。仕事の前提条件や判断構造が整理されていないまま、手順だけを書いているからです。業務標準化とは、「どうやるか」を揃えることではありません。「どこまでを標準とし、どこからを判断に委ねるか」を決めることです。
業務標準化の本質は「作業」ではなく「判断」を揃えることです
業務が属人化する最大の要因は、作業内容ではなく判断基準のばらつきにあります。
現場でよく起きている状態
・人によって判断が違う
・前提条件が共有されていない
・例外対応が積み重なっている
この状態で業務標準化を進めても、標準は定着しません。業務標準化で揃えるべきなのは、
💡どこで判断が発生するのか
💡どの判断は固定し、どれを委ねるのか
💡判断できない場合の戻し先
といった判断の構造です。
在宅・非同期環境では業務標準化が不十分な仕事は必ず止まります
Mamasan&Companyでは、在宅ワーク・非同期を前提に業務を運用しています。
この環境では、
❌口頭前提
❌属人的な判断
❌「その場で確認する」
といった業務は成立しません。
在宅環境は業務標準化のテスト環境である
在宅・非同期環境では、標準化されていない仕事が、必ず止まります。これはデメリットではありません。
むしろ、
✅どこが曖昧か
✅どこが人に依存しているか
が明確になります。
業務標準化とは、この「止まるポイント」を構造として解消することです。
業務標準化とBPOを切り分けないと混乱します
業務標準化とBPOは、混同されがちです。
よくある失敗パターン
・標準化が終わらないまま外注する
・外注しながら標準化を進める
この進め方は、ほぼ確実に混乱を生みます。
正しい順番
①業務構造を整理する(判断と作業を分ける)
②標準化する範囲を決める
③標準化された業務をBPOに載せる
BPOは標準化の代替ではありません。標準化された仕事構造を、経営装置として運用する手段です。
業務標準化が機能する会社は「揺らがせる部分」を決めています
すべてを標準化しようとすると、現場は硬直します。一方で、標準化が甘いと属人化は解消されません。
機能する業務標準化の考え方
💡ルールは固定する
💡判断基準は明文化する
💡例外は想定しておく
つまり、「揺らがせる部分」と「固定する部分」を分けることが重要です。業務標準化とは、現場を縛るためのものではなく、現場が判断しやすくなる状態をつくることです。
業務標準化の成果は「人が変わっても回る」ことです
正しく設計された業務標準化の成果は、効率化だけではありません。
⭐引き継ぎが容易になる
⭐人が変わっても品質が保たれる
⭐外注やDXが検討しやすくなる
これは、仕事が人に依存しない構造に変わった結果です。業務標準化とは、成長しても破綻しない仕事構造をつくるための基盤です。
業務標準化を進める前に確認すべきポイント
業務標準化を始める前に、次の点を説明できるか確認してください。
標準化前チェックリスト
📝誰が、どこで判断しているか
📝例外はどこで発生しているか
📝標準にできない理由は何か
これが説明できない場合、必要なのはマニュアル作成ではなく、仕事構造の整理です。
まとめ|業務標準化は仕事構造を再設計するための取り組みです
業務標準化が進まない原因は、現場の努力不足ではありません。標準化すべき対象を、仕事構造として捉えられていないことです。ママさん総研では、Mamasan&Companyの実務経験をもとに、「形骸化しない業務標準化」の考え方を発信しています。




