
「最近、バックオフィスがずっと忙しい」「人を増やしても、なぜか楽にならない」こうした状態に対して、「業務量が多いから仕方ない」「人手不足だから仕方ない」と考えてしまうケースは少なくありません。
しかし、実際には忙しさそのものではなく、業務の“構造”が見えていないことが問題になっている企業も多く存在します。その状態を根本から見直す考え方が、BPR(Business Process Reengineering) です。
BPRとは何か
BPR(Business Process Reengineering) とは、業務の一部を改善するのではなく、業務プロセスそのものをゼロベースで見直し、再設計する取り組みを指します。
今あるやり方を前提に「少し良くする」のではなく、
💡なぜこの業務が存在しているのか
💡本当にこの流れは必要なのか
💡誰の判断で、どこまで行うべきなのか
といった 業務の前提そのもの に立ち返るのがBPRの特徴です。
業務改善とBPRの違い
BPRは、一般的な業務改善と混同されがちですが、両者には明確な違いがあります。業務改善は、既存の業務フローを前提に「効率化」や「無駄削減」を行うアプローチです。
一方BPRは、業務フローそのものを疑い、構造から作り直す ことを目的とします。改善を何度も重ねているのに成果が出ない場合、その原因は「やり方」ではなく前提となる構造そのもの にあるケースが少なくありません。
なぜ「忙しい会社」ではなく「構造が見えない会社」にBPRが必要なのか
BPRが必要になるのは、必ずしも業務量が多い会社とは限りません。むしろ、次のような状態に心当たりがある企業ほど、BPRの必要性が高いと言えます。
📝業務の全体像を説明できる人がいない
📝担当者ごとにやり方が異なっている
📝属人化が進み、引き継ぎが難しい
📝システムを入れたのに、かえって複雑になった
これらはすべて、業務量の問題ではなく、構造が整理されていない状態 です。忙しさは結果であり、原因は「構造が見えないこと」にあります。
バックオフィスがブラックボックス化する理由
バックオフィス業務は、企業の成長とともに次のような変化が起きやすい領域です。
📌人が増えるたびに業務が足し算される
📌その場しのぎのルールが増える
📌特定の人の判断に依存するようになる
結果として、
「誰が、何を、どこまでやっているのか分からない」
「判断基準が共有されていない」
という状態が生まれます。この状態では、どれだけ人を増やしても、ツールを導入しても、根本的な改善にはつながりません。
BPRで得られる本当の価値
BPRは、単なる効率化の手法ではありません。
業務構造が可視化される
業務の流れ、役割、判断ポイントを整理することで、「何が起きているのか」を把握できる状態 が生まれます。これは、マネジメントや意思決定の質を大きく左右します。
属人化から脱却できる
特定の人しか分からない業務を減らし、再現性のある業務設計に近づけることができます。
結果として、
🌀引き継ぎがしやすくなる
🌀採用や配置の判断がしやすくなる
といった効果につながります。
BPOやDXの土台になる
BPRによって構造が整理されていない状態で、外注(BPO)やシステム導入(DX)を進めると、混乱が増えるリスクがあります。
BPRは、BPOやDXを成功させるための前提条件とも言えます。
BPRを検討すべきタイミング
次のような状況に当てはまる場合、部分的な改善ではなく、BPRの検討フェーズに入っている可能性があります。
✔改善施策を繰り返しても成果が出ない
✔組織の成長スピードに業務が追いついていない
✔経営層が業務内容を把握しきれていない
「もう少し工夫すれば何とかなる」状態を超えている場合、構造そのものを見直す判断 が求められます。
よくある質問
Q. BPRは大企業向けの取り組みですか?
必ずしもそうではありません。むしろ、属人化が起きやすい中小規模の組織ほど、BPRの効果が出やすいケースもあります。
Q. BPRは業務改善と併用できますか?
可能です。ただし、改善が目的化している場合は、一度立ち止まって構造から見直すことが重要です。
まとめ|BPRは「効率化」ではなく「構造設計」
BPRは、
💡忙しさを解消するため
💡人を減らすため
の手法ではありません。
企業が成長しても破綻しない業務構造をつくるための設計行為
それがBPRの本質です。もし今、
「なぜこんなに忙しいのか分からない」
「改善しているのに、前に進んでいる実感がない」
そう感じているなら、それはBPRを検討すべきサインかもしれません。




